組織あるある/「無自覚の権威のランク」による本音が言えない病
(本日のお話 2054字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
また夜からコーチング仲間との
打ち合わせでした。
*
さて、本日のお話です。
昨晩コーチングの仲間と、
”組織内あるあるの人間関係の課題”
について話をして、
盛り上がっておりました。
その中の一つが
”「無自覚のランク」による本音が言えない病”
なるもの。
(と勝手に名付けてみました)
今日はこのお話について思うところを
皆さまにご共有させて頂ければと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは
【組織あるある/「無自覚の権威のランク」による本音が言えない病】
それではどうぞ。
■組織で活用されている「コーチング」。
皆さまの組織でも、
活用されているところも少なくないのではないかと。
「上司と部下が定期的に30分程度、
部下の能力向上や育成のために対話をする」
そんな活動として
2000年代から流行り始め、
今は多くの企業で導入されている
代表的な施策の一つでもありますね。
■しかし、実際に
「コーチングをやってみよう」
と対話を始めたとしても、
機能しないことがまま起こります。
なにか話そう
↓
話さない・話せない
↓
変な沈黙と間
↓
自然消滅
みたいな流れでしょうか。。。
よく聞くケースでいうと、
「遠慮無用だから、何でも言ってよ」
と上司が、課題や思っていることについて
発言を促すけれども、部下は遠慮がちで本音がみえない
とか、
あるいは会議などで
「なにかいいアイデアない?」
とこれまた上司が部下達に聞いてみるけれど
メンバーは皆一様に黙っている、
みたいな状況。
あるいは場合によっては、
”明らかに部下が上司のやり方に不満がありそうだけれど、
本音を口に出すことはない”
こともあります。
■では、何が原因なのか?
「遠慮無用で話してよ」と上司は言いながら、
部下は話せない・話さない理由はなにか。
あるいは、
明らかに上司のやり方に不満があっても
それを口に出せない理由はなにか。
その原因の1つに
【無自覚の『権威のランク』】
があると考えています。
■『権威のランク』というのは、
わかりやすく言えば、
”「役員」と「一般社員」に代表されるような
社会構造による力の違い”
です。
そして、その権威のランクに加えて、
”成果を出してきた実績”、そして
”その業界における知識”など、
別の影響力が紐づくこともままあります。
その「権威」×「影響力」が
夢のコラボレーション(?)をしたとき、
「何でも言っていいからね」
「新しい意見が欲しいんだよね」
といっても、若手社員からすると
(いやいや、自分なんて
部長に言えることなにもないッス…汗)
となることは、別に
不思議なことではありません。
■ただ、実際のところよく聞く話が、
「なにか意見ない? ぜひ言ってよ」
と上司から発言を促され、
勇気を持って発言してみたところ、
「いや、今その話じゃないから」
「いや、それは違うと思うな」
とすぐに否定された(と本人が感じる)、
ことがよくあるようです。
もちろん、
上司は悪気があるわけではない。
対等に意見をぶつけてくれたら答えるし、
別にそこに対して反論があったら
受け入れる気持ちでいる。
■しかし、注意すべきは
”上司の言葉は『権威のランク』により
5割増しのパワーを持っている”
(場合によっては2~5倍、あるいは10倍以上かも)
ことなのです。
イメージとしては
めちゃくちゃムキムキで
マッチョな200センチ超えの男性が、
小柄で華奢な相手に対して
ツッコミで小突いたつもりだったのが、
実際は、相手は吹っ飛んで
ボキボキに骨折していた
、、、みたいな状況。
"本人は無自覚だけども
想像以上に自分が力を持っている"
というのが、
「無自覚の『権威のランク』」
なのです。
■私も、思い起こせば、
昔よく上司に怒られました。
特に(私は)根がビビリなので、
怒られるたびに体が硬直して
血圧が上がっていた思い出があります。
ものすごく全うな叱責なので
叱られて当然のこと。
しかし、全うな叱責でも
上位者、権威を持った人に言われるほど
ダメージが確かに大きいものでした。
同じことでも、
「同僚」言われるのと
「課長」に言われるのと、
「部長」に言われるのと
「社長」に言われるのでは、
受ける影響は人によって
違っていたな、と思います。
■そしてこの話、
【「組織あるある」の
「無自覚の権威のランク」による本音が言えない病】
は、もしかすると
多くの皆さま、特に上司の皆さまに
”無自覚に(ここがポイント)”
存在しているのかもしれません。
ものすごーく優しく言った(つもり)なのに、
相手がめちゃくちゃ凹んでいた…
という現象が起こっています。
良い悪いではなく、
自分の自覚していることと
相手の受け止め方は違うのです。
■ゆえに、
自分の無自覚の権威のランク、
(=無自覚のムキムキマッチョ)
がある、ということを
”まず自覚すること”
このことは
社会構造が存在する組織において、
(特にヒエラルキーがはっきりしている
伝統的な会社においては影響力大)
率直な対話をするためにも
とてもスタンスであろう、
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
私は声をあげて称賛し、声を和らげてとがめる。
エカチェリーナ二世(ロシアの女帝/1729-1796)
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