今週の一冊『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』
(本日のお話 1856字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
土曜日は、朝から大学院のミーティング1件。
その後、昼から愛知の実家へ。
弾丸のツアーで戻ってきましたが、
父母姉含め会えてよかったです。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。
今週の一冊は、
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『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』
中原 淳 (著), 小林 祐児 (著), パーソル総合研究所 (著)
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です。
■「転職」。
読者の皆さんも、
かつて「転職」をされた経験がある方、
少なくないかと思います。
ちなみに、
日本の転職回数の平均2.9社。
実は、日本を含めた
APEC(アジア・オセアニア地域)の14カ国を比べると、
同水準以上の回数だそう。
「日本人は、1社に最後まで勤め上げる」というイメージは、
アメリカと比べているからでないか、とのこと。
日本でも今や「転職する」のは当たり前だし、
今その流れは更に加速しているようです。
そんな「転職」をテーマにした一冊が、
これからご紹介させて一冊です。
■Amazonの本の紹介によると、
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日本の人材開発研究の第一人者が
12,000人の大規模調査を駆使して編み上げた、
「一億総転職時代」最高のテキストが誕生!
・巷に溢れる「転職本」のいったい何が問題なのか?
・「マッチング思考」ではなく「ラーニング思考」の転職とは?
・圧倒的な効果を生み出す「アンラーニング」のすごさ
・「ミドルの転職」の結果を大きく分けるポイントはこれだ……
いま転職を考えている社会人はもちろん、
これから社会に出る学生、悩める中高年ミドルまで、
これからの働き方と日本社会を考えるうえで、全日本人必読の一冊。
※Amazon本の紹介より引用
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とのこと。
「1億総転職時代」。
実に気になる一冊です。
■ちなみに、転職をした際に
「給与が上がった」と言う人の割合は43%。
過半数は転職をすることによって、
生涯賃金が下がるというデータがあります。
しかしながら、自分の人生。
もし自分が転職するとしたら、
どんな形であれ、
「絶対、よい転職にしたい」
と思うのが全ての人の
る願いではないかと。
■では、実際に
どうすれば転職が成功するのか?
給与的にも、
自分自身の満足度としても、
・どのようなプロセスを経て、
・どのような動機を持ち、
・何に気をつければ、
「良い転職」ができるのか?
このことを、”科学的データ”を
元にして語られているのが
実に、興味深く読めます。
■例えば、
・転職するための、エンプロイヤビリティ(雇用可能性=転職力)を
どうすれば高めることができるのか?
・転職を成功させる上での、相談の活用の仕方とは?
・エンプロイヤビリティ(転職力)が高い人に
共通する学びへのマインドセットとは?
・地方転職、独立企業、副業・兼業、ベンチャー転職…
それぞれのメリットデメリットは何か?
・転職後、新しい組織に馴染み、
成果を出すために必要なこととは何か?
、、、
これらのことが12,000人の大規模調査により
「科学的に」
「データを通じて」
描かれているので、
実に説得力があります。
■「自分だけは特別」と思っても、
データは嘘を付けません。
ゆえに、成功する人が行っている特徴を
きちんと押さえていれば
「転職の成功率」は高まると
言えそうですし
逆にそこに当てはまらない状況で、
ただ今が不満だから転職するとしたら、
「辞めたけど、前の会社のほうがよかった」
となる可能性が高い
と言えるでしょう。
、、、だからこそ、
あらゆる転職を考えている人
(そうでない人にとっても)
実に参考になるデータが
抱負に含まれていると感じます。
■以下、著書のポイントを
簡単にまとめてみます。
(ここから)
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<『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』まとめ>
◯転職の方程式
D(Dissatisfaction 不満)×E(エンプロイアビリティ=転職力)> R(Resistance 抵抗感)
日本の転職はまず8割が、D(不満)からスタートする。
不満が大きくなると転職確率が高まる。
そこに自分が良い条件で雇用される可能性(E=転職力)が高ければ、
さらに転職する可能性が高まる。
ただし新しい環境に移ると言う事は
必ず抵抗感(R)がある。
不満が高まり、転職力も高い。
それらが、抵抗感が上回れば、人は転職する。
*
◯「エンプロイアビリティ(転職力)」の要素
では、エンプロイヤビリティ(=転職力)を
高めるにはどうすればいいのか。
エンプロイアビリティは、
1)転職活動をうまくいかせるための
「アクションとしてのエンプロイアビリティ」
2)そもそも能力・スキルなどを高める
「ステータスとしてのエンプロイアビリティ」
に分かれる。
*
◯「アクションとしてのエンプロイアビリティ(転職力)」を高めるには?
大事なのは、「セルフアウェアネス(=自己認識)」である。
自分自身の大切にしていること、価値観等を
きちんと理解しているか、(内面的自己認識)
同時に、他者から自分の能力がどのように評価されているのか
正しく把握しているのか(外面的自己認識)、
これが揃っていると、
「こんなはずじゃなかった」をクリアできる。
*
◯不満な転職理由を前向きに変える「ナラティブ・アプローチ」
また、転職者は「不満ベース」で転職がスタートするものの
不満だけが原因で転職をすると、うまくいかない。
ゆえに不満ベースの転職動機を、
前向きなものに意図的に変えていく必要がある。
そのためには、「ナラティブ・アプローチ」が重要である。
・自分がこれまでどんなことを学び、歩んできたのか、
・なぜ自分は今転職したいと思っているのか、
・そして未来どこに向かっていくのか
と言うストーリーを自分自身で編み上げること。
そうすると前向きな動機が生まれる。
*
◯「ステータスとしてのエンプロイアビリティ(転職力)」を高めるには?
転職したいと思ったときに、
勝負はほぼ決まっている。
なぜなら
ステータスとしてのエンプロイアビリティは、
日々の積み重ねで出来上がっているためである。
ではどうすればよいか?
それは「学ぶこと」である。
ではどのように学べば良いか。
それは、職場外に出て学ぶ「越境学習」である。
外からの刺激を得て、学び続けると姿勢が重要である。
*
◯転職後に新しい会社に馴染むためには?
また、実際に転職したとしても、
これまでのルールにこだわっていると、
新しい組織になじむことができない。
ゆえに意識して、自分が学んだことを手放す
「アンラーニング(学習棄却)」が必要である。
いずれにしても転職は、
自分の理想とする青い鳥のごとき会社を
見つけようとする「マッチング思考」では上手くいかない。
転職というイベントを通じて、
「自分が何者か」「何をしたいのか」を
問い続けていくプロセスとしての「ラーニング思考」
であると理解することが最も重要。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
■300ページ強の本ですが、
密度が濃く、あっという間に読めます。
転職をお勧めしているわけでは無いですが、
もし考えている方がいるのであれば
もちろんお勧めいたしますし、
そうではない方も、今後のキャリアを考える上で
押さえておいた方が良いデータ、情報が豊富に含まれており
とても学びになります。
よろしければ、ぜひ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『働くみんなの必修講義 転職学 -人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは-』
中原 淳 (著), 小林 祐児 (著), パーソル総合研究所 (著)
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