ローキックは、eとxの間を狙うんですよ
(本日のお話 2876字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、4件のアポイント。
また夕方からは、キックボクシングジムへ。
*
さて、本日のお話です。
昨日は夕方からの予定がなかったので
17時30分位にキックボクシングジムに行きました。
そうしたところ
ジムの会長(=一番偉い人&強い人)が、
ミット持ちをしてくれて、
かつ色々とキックやパンチの技術について
教えてくれて、大変勉強になったのでした。
今日はそのお話と学びと気づきを
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【ローキックは、eとxの間を狙うんですよ】
それでは、どうぞ。
■「それじゃあ、何を狙っているのか
わかんないですよ」
私の隣でサンドバッグを
蹴っている練習生に
ジムの会長がにこやかな表情をたたえつつ、
声を上げました。
ジムには早めの時間のため、
会長と、私を含めた2名。
合計3名しかいません。
■もともとキックボクシングの世界で、
チャンピオンにもなったことがある会長。
会長の言葉に対して、
「そうですね、ローキックのつもりで
蹴っていたんですけど…」
とマスク越しに練習生。
「いやいや、ローキックは、そこじゃないですよ。
文字で言うと、”eとx”の間くらいですよ。」
目の前には、地面から2メートル位ある
長いサンドバッグと、そこに書かれた
”t a i & t e x”
というアルファベットを崩した文字が
書かれています。
■「eの上だとすると、それは金的ですよ(笑)
ローキックは、eとxの間くらい。
そこをブレずに同じように
蹴れるようにしないとですよ」
練習性は、eとxの間を
狙うように蹴ってみます。
「なるほど…、このサンドバック、
そんなふうに使うんですね。」
練習生が、マスク越しの表情から
驚いたような顔を見せつつ、
答えていました。
そして私も隣で聞いていて、
「そうなんだなぁ」
とふんふんと頷きました。
■新しい知識に色めき立つ
練習生2人を見て
ジムの会長は、続いて
嬉々として更に教えてくれます。
「ちなみに、ミドル(キック)ですけど
taiの”a”のあたりを狙うんですよ。
自分が構えたときの、肘あたりですね。」
「それがミドルの単発だったら、
水平に”a”を狙うイメージ」
「もし、パンチからのコンビネーションだったら、
”a”のちょっと下くらいを狙う。
それは、なぜか?
パンチを打った後は相手と距離が近いから
必然的に、下から打ち上げる感じになりますし、
パンチでカードが上がっているでしょうから、
”a”の下からでも、隙間を狙えるわけです」
、、、
怒涛のように語る、
会長の説得力がある話に、
練習生2人(私を含む)は
「勉強になります」とただただ
うなずくばかりでした。
ミット打ちの際に、会長からの
ごく軽いローキックをガードした際の
アツい痛みを持っている脛感じつつ、
ローキックの奥深さを感じたのでした。
■そして、この話を振り返って
「より本質的な学びはなにか?」
と考えてみました。
そこから思った事。
それは、
【経験から生まれた持論と
理論をもとに、
解像度高く、
自分の言葉で語ることができる】
こそがプロフェッショナルである、
という気づきです。
どの世界の、どの分野でも
同じことが言えますが
同じような行動でも、
そこにかけるこだわりや工夫
細かなテクニックを、
そのシーンごとに切り分けて
”解像度高く言語化できる”ことは
プロフェッショナルの証であろう、
と思うのです。
■例えば、今回の会長の
ローキックやミドルキックや話などは
まさにそう。
素人が、
なんとなくでやっていたところを
深い解像度で捉えられる。
そして、違う視点を
素人でもわかるような説明で、
なぜそうなのか?も含め、論理的に伝えられる。
かつ、自分自身もそれを体現してきたからこそ
言葉に重みがある。
、、、
これぞまさに
「プロフェッショナル」だなぁ
と思ったわけです。
■そして振り返ると
私たちの日仕事でも
同じことが言えると思います。
それが営業であれ、
マーケティングであれ
研究開発であれ、
なんの職能であれ、
【経験から生まれた持論と
理論をもとに、
解像度高く、
自分の言葉で語ることができる】
ことは、
その領域における価値を提供できる
プロフェッショナルの証左であるはず。
■そして、私も、
自分自身のことに当てはめて
考えてみます。
「人材開発・組織開発」の
領域で仕事をしていますが、
「研修をする」とか
「ファシリテーションをする」だけなら
見様見真似で、ぶっちゃけ誰でもできます。
では、プロフェッショナルとは、
一体何なのか?
それはやはり、
【経験から生まれた持論と
理論をもとに、
解像度高く、
自分の言葉で語ることができる】
レベルにあることだよな、と
思ったわけです。
■研修のデリバリー、
ファシリテーション技術も、
”それっぽい”ものもあれば
”ホンモノ”もあります。
本当にピンキリ、有象無象です。
その違いを分けるものとは、
例えば、
・事務局の方とのチームづくり
・研修全体のテーマ決め
・効果的なツール作り
・事前・事後の巻き込み
・当日の環境設定
・参加者との心理的距離を縮める工夫
・「参加者の状況」にあった言葉選び
、、、
等の工夫もあり、それらも
より”解像度高く”見ている必要も
あるでしょうし、
「参加者の状況」を
理解し想像するためには続いて
・対象者の課題をより明確に理解する
・そのために組織の構造や制度を知る
・悩みの傾向を類推できるように、社会や人間について知る
ことも必要になる。
さらにそこをもっと理論的に
裏付けをとるようにするならば
・人の合理的&非合理な行動を解き明かす
「組織行動論」
・人事制度や評価制度にまつわる
「公平理論」
・人のやる気について理解する
「モチベーション理論」
などの理解も大切な知識となるでしょうし、
さらにさらに言えば、
そこに紐作くより深い根源的な
社会と人への理解として
・心理学や社会学
社会心理学や人類学など
を学び、構造的に
人と組織、社会を理解することも、
【経験から生まれた持論と
理論をもとに、
解像度高く、
自分の言葉で語ることができる】
ことを、研ぎ澄ませていくための
重要なプロセスでは、と思うのです。
■こんな名言があります。
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どんな分野の知識でも、それに熟達するには、
隣接するものについて学ばねばならない。
したがって何かを知るには、
全てを知らなければならないのだ。
オリバー・ウェンデル・ホームズ
(米国の作家・詩人・医師/1809-1894)
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一つのことを深く知るために、
多くのことを知る。
穴を深く掘るためには、
周辺も掘り下げていく必要がある。
ジムの会長が、
整体師でもあり体についての
プロフェッショナルでもあることも知り、
更にそんなことを思いました。
■、、、と話がローキックの話から
大きくなってしまいましたが、
【経験から生まれた持論と
理論をもとに、
解像度高く、
自分の言葉で語ることができることが
プロフェッショナルである】
と言うこと、
そして、その領域に
近づくためには
数多くの経験を積み
数多くの理論を学び、
自分の言葉にしていくと言う道のりを、
粛々と歩み続けることが重要なのだろう、
自分の事を振り返りつつ、
そのように思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
偉業は一時的な衝動でなされるものではなく、
小さなことの積み重ねによって成し遂げられるのだ。
フィンセント・ファン・ゴッホ(オランダの画家/1853-1890)
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