メールマガジン バックナンバー

2703号 2021年7月16日

表向きの自分と裏向きの自分

(本日のお話 1997字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は「スゴい人物観察会」の開催。

思想史研究者である波多野瞭さんから
”自己紹介を哲学する”という
実に興味深いテーマでお話いただきました。

ご参加頂きました皆さま、
ありがとうございました!



さて、本日のお話です。

昨日のイベントで思想史研究者の
波多野さんのお話を聞きつつ、

「人には様々な側面がある」

ことを改めて考えておりました。

今日はそのお話について
気付きを皆さまにご共有させて
いただければと思います。

タイトルは、

【表向きの自分と裏向きの自分】

それでは、どうぞ。

■人には「役割」がありますね。

特にビジネス社会において
成果を求められる環境にいる人たちにとって、

”仕事上の役割”
(課長・部長など)

の影響は大きいです。

当人も、その「役割」を
意識的にせよ、無意識的にせよ、
演じているところがあります。

■一方、個人がその役割しか
もっていないとしたら、
もちろんそんなことはありません。

”父親としての役割”
”少年野球の監督としての役割”
”ボランティアの担当”

など色々な側面があります。

それらのものは、
「仕事上での役割」を演じているときは、

特に必要ではないので
見せていないだけ。

ただ、

1つの役割だけで動いていると、
便利ではありますが、

時に冷淡な人間と思われたり、
何を考えているかわからない、

と思われることもあります。

■しかし、ふとした瞬間

例えば、社内の人と
バーベキューにいったりして
(今はないかもですが)

いつもは強面の上司が、
”穏やかなパパ的”な役割をしていると、

不思議と”一個人”として見えてきて、
妙に親近感が湧いたりします。

このあたりの話は、

まあ、感覚的にも
知識としても知られているところでは
ないでしょうか。

■ここでもう一つ
深めてみたいと思うのが、

”自分が好んで見せる側面”
(表向きの自分)



”自分が嫌悪する側面”
(裏向きの自分)

もある、事も考えたいのです。

■例えば私(紀藤)は、

メルマガにおいては

”自分が好んで見せる側面”
(表向きの自分)

を選んで出しています。

具体的には、

・できる限り前向きにいる

・ネガティブなことを書くときも
学びや気付きに変えてお届けする

・日々、自己啓発的な姿勢を見せる

というスタンス。

■その事によって、人に、

・前向き、素直
・勉強熱心、努力家
・色々知っている

と”思わせたい”という
自分がいるわけです。

(一方、思慮の浅さを感じて

・深みがない人間
・自己開示しすぎの浅はかな人間

と思われる方もいるでしょう)

どう判断されるかは、
見る方の考え方によるかと。

■じゃあ、私(紀藤)が

「どういう人間なのか」で言えば、
他にも色々いるわけです。

例えば、

ずるい自分、
打算的な自分も
極めて面倒くさがりな自分、

などがいて、

基本1人のときに
顔を出してきます。

それは言うならば、

『裏向きの自分』

みたいなイメージ。

それは出したとて、
誰かをハッピーにするものでもないし、
自分も得をするともあまり思えない。

ゆえに、ひっそりと
自分の中に住まわせて、
同居し続けていくわけです。

でもたまに(しばしば)
”うっかり外出”してしまったり

見る人から見れば、
”明らかに裏向きの私(紀藤)が透けて見える”
ものです。

■ここでお伝えしたいことは、

人は「役割」

「課長」の役割
「父親」の役割

という社会的レッテルで表すことが
できるものに加えて、

「表向き・裏向きの自分」というように、

・前向きな側面
・悲観的な側面
・過去の痛みを抱えた側面

など、いくつもの側面を
持っているということになります。

これは、皆口に出さないだけで、
あることは感じているものです。

■そして、
「面白いな」と思うのが、

それらの色んな役割や色んな側面、
すなわち、

『「”色んな自分”を語り合うこと」で
関係性を深めることができる』

ことです。

「人にはいろんな側面がある」
と言えばそれだけです。

「それを聞いたからどうなるの?」
で終わる人もいるでしょう。

ただ、表面ではなく、
深い部分を見せあうと、

「この人のことがわかる」
(=仲間である)

という感情が芽生えるものです。

そして、感情は意志や行動にも、
当然影響を与えるものです。

ということで、
「色んな自分を語り合う」ことで、

・仕事で話しやすくなった、
・相談しやすくなった、

ことも起こる。

ゆえに

「深い対話は、やっぱり大事だなあ」

と思ったのでした。

■と、いうことで、まとめると

・人は色々な役割がある

・仕事上の役割もあれば、
プライベートの役割もある

・前向きな自分、後向きな自分、
ビビリな自分など、様々な顔の自分もいる

・多様な自分は、皆持っている。
しかし普段は「便利な表向きの役割を演じて」いるもの。

・ただし、様々な自分を見せ合うことで、
「この人にもそんな側面があったのか」という
気づきが生まれ、理解・共感、仲間意識が生まれる

・日常の行動にも影響があり
相談しやすくなる、話しやすくなる、等の
行動変容も生まれるであろう。

というお話でした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

海よりも広いものがある。それは空だ。
空よりも広いものがある。それは人の心だ。

ヴィクトル・ユーゴー(フランスの詩人・小説家/1802-1885)

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