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2721号 2021年8月3日

「ピカソの雄牛」から学ぶ、相手に伝え、動かす技術

(本日のお話 1849字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は5件のアポイント。
その他研修企画など。



さて、本日のお話です。

「シンプルに伝えたほうが
相手に伝わる」

こと、ありますよね。

今日は”相手に伝える”ための
コミュニケーションのポイントとして、

とあるお話をご紹介させて
いただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【「ピカソの雄牛」から学ぶ、相手に伝え、動かす技術】

それでは、どうぞ。

■私(紀藤)のエピソードですが

20代の若かりし頃。
求人広告営業をした時の思い出があります。

それは

「営業シーンでの失敗」

のお話。



新宿3丁目の
とあるインターネット企業に

当時憧れだった大変クレバーな先輩と、
営業同行をしてもらったのです。

■自分も気合十分。

ゆえに、
準備してきた企画書を語りに語り、

「なかなかいいカンジじゃね?」
くらいの手応えを感じつつ、
アポを終了したのでした。

■そして、アポが終了した後、

その憧れの先輩から、
歩きながら、ふとフィードバックを
受けたのでした。

「紀藤は一生懸命だね」

と、一言。

そして続けます。

「、、、でもね

”言葉の数を減らし”たほうが
お客さんに刺さると思うよ」

とのこと。

■その時は、どういうことか
よくわかりませんでした。

「?」が浮かびました。

丁寧に、色々説明したほうが
お客さんにより伝わるんじゃないか

、、、と思っていたから。

そこで先輩に聞いてみると
曰く、こういう話でした。

・例えるならば、全部ジャブ。
強い右ストレートがない

・”あれもこれも伝えようとして
結局何が一番重要かわからない”状態。

・「要は何か?」が届いていない

とのこと。

、、、なるほど、
確かにそうかもしれない…

と至極納得したのでした。

■また、別の仕事でも、
同じようなことがありました。

(営業よりもっと前の話です)

新卒で入った飲食店にて、
アルバイトの皆に

「今日気をつけること」

を朝礼で語るのが、
社員の仕事でした。

そこでも、
あれやこれや一生懸命語りました。

すると、それを見ていた
敏腕スーパーバイザーの方が、
朝礼が終わったあとで、

「なあなあ、紀藤。」

「一生懸命語るのはいいんだけどさ。

伝える事が多すぎて、
結局何に気をつければいいかわかんないよ」

、、、と言われたのでした。

「気をつけるポイントは、
多くても3つだよ。

それ以上になると、
とてもじゃないけど覚えていられない」

なるほど、、、。

そう思った20代のお話でした。

■そして、時を経て、

大学院に通い始めたアラフォーの今。

奇しくも同じような話を、
大学院でも聞いています。

人材開発・組織開発を探究しているので
ここでは研修の企画や設計を
皆で喧々諤々行います。

そこで教授からこう聞くのです。

「皆さん、において、

”「何を伝えるか」も大事だが
「何を伝えないか」も大事” です」

「ここからは、
ワークショップで”伝えないこと”を
削ぎ落としていくステージです」

というお話を聞いたのでした。

■そして、その際に
例え話として、

『ピカソの雄牛』

という、ある絵についての
エピソードを紹介してもらったのですが、

その話が実に印象に残りました。



『ピカソの雄牛』とは、

”ピカソがリアルに、写実的に書いた「雄牛」。

そこから、少しずつ線を消していき、
どんどん抽象的にしていく。

線を減らし続け、抽象化していく。

何処まで減らせば「雄牛」とわかる
ぎりぎりのラインになるのか”

これを追求していった、
ピカソの実験的な作品です。

※気になる方は、
「ピカソ 雄牛」で調べてみてください。

■つまり、

『最も伝えたいことは何なのか?』

を徹底的に追求し、
その他のことを削ぎ落としていく。

このスタンスこそが、

「本当に伝えたいことを
相手に伝えるためのポイント」

ということ。

情報が多くなればなるほど、
相手には伝わらなくなる。

伝えれば伝える程、

情報の重要性は薄まり、
相手が受け取るものも少なくなる

、、、これは
皆さまも感じるところではないかと思います。

■ゆえに、

・研修・ワークショップ
・営業の顧客へのプレゼン
・会議での発表
・相手へのフィードバック
・上司への報告の際

、、、などなど、

これぞ!と伝えたいメッセージを敢えて絞り、

『「ピカソの雄牛」のごとく、
あえて情報を減らす』

ことで、相手の心に
残リ続ける確率も高まっていきます。

■もちろん、

全てのケースでそうしましょう、
というわけではありません。

(もちろん説明がたくさん必要、
求められている場面もありますので)

しかしながら、

「相手を動かしたい!」という時は、
敢えて絞ることは使えるコミュニケーション術

と言えるかと思います。

、、、と、ついつい喋りすぎる
自分への戒めも込めて。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

小利を見れば即ち大事ならず。

孔子(古代中国の思想家・儒教の創始者/BC551-479)

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