「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その2)
(本日のお話 2653字/読了時間3分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、大学院の4日間の集中講義
「ケースで学ぶリーダーシップ」の最終日。
贅沢な学びの時間で、実に幸せな4日間でした。
関わっていただいた仲間、
アシスタントの皆様も含め、改めて感謝。
こちらの気付きについては、
また後日ご共有させていただければと思います。
*
さて、本日のお話です。
昨日、
「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(前編)
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3931815/
とテーマでお伝えいたしました。
本日も続けてまいりたいと思います。
ちなみに、書いてみたら
前編と後編で全く終わらいことが
判明いたしましたので(汗)、
「その2」としてお届けさせてください。
(書く前に気づけよ…と
自分で思いました、反省)
気を取り直して、早速まいりましょう!
タイトルは、
【「リーダーシップを開発する」ための6つの実践方法(その2)】
それでは、どうぞ。
■いやはや「論文」というのは、
・小難しそう
・面白くなさそう
と思っていましたが、
じっくり読み解いていくと
結構面白いものです。
今回ご紹介している、
ペンシルバニア州立大学の
デイビッド・V・デイの論文、
『LEADERSHIP DEVELOPMENT:A REVIEW IN CONTEXT』
(リーダーシップ開発:文脈の中での見直し)
も大学院で紹介をされましたが、
へー、ほー、なるほどー、と
気付きを与えてくれます。
ということで、
昨日の続きでございます。
■まず、上記の論文では、
「リーダーシップを開発する
一般的な、でも有望な実践方法があるんだよ」
ということで、
以下の6つを紹介しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【リーダーシップを開発する有望な実践方法】
1)360度フィードバック
2)コーチング
3)メンタリング
4)ネットワーキング
5)仕事の割り当て(ジョブアサイメント)
6)アクション・ラーニング
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昨日は、
1)360度フィードバック
2)コーチング
をご説明しました。
本日は
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3)メンタリング
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
について解説していきたいと思います。
■メンタリング。
組織にも「メンター制度」、
などありますが、
まさにあれです。
「メンタリング」とは、
”指導・相談役を担う社員が
新入社員や後輩をサポートする制度のこと”
とされています。
その特徴は、
・概要:アドバイス/開発的な関係性(多くの場合上位者)
・効果:より幅広い理解、教訓をな学ぶ、失敗を避ける
・強み:強い個人的なつながり
とのこと。
■さて、このメンタリング。
しばしば「コーチングとどう違うの?」等、
混乱されるところがありますが、
こんな風に説明されています。
まず、
”ほとんどの正式なメンタリングプログラムでは、
ジュニアマネジャーと直属の上司以外の
上級幹部とのペアが組まれている”
(McCauley & Douglas, 1998)
という仕組みの違いです。
メンタリングは「上位者と組む」のが
前提になっています。
*
また「コーチングとのスキルの違い」もあります。
優秀なメンターが持つ
メンタリングのスキルは
以下の5つであるとわかりました。
・傾聴力とコミュニケーションスキル
・相手を読み解く能力
・誠実さと信頼性
・忍耐力
・組織や業界に関する知識
とのこと。
(Allen & Poteet, 1999)
コーチングスキルに含まれる、
・傾聴力・コミュニケーション。
・相手を読み解く能力
・信頼性
などもありますが、
・組織・業界に関する知識
・アドバイス
などはコーチングには特徴的ではありません。
そうすると、
「メンタリングはコーチングより、
より広いアプローチ」
(メンタリングの中にコーチングが含まれる)
と言えそうです。
■ここで、
メンタリングの特徴である、
「上位者とペアを組む」ことのメリットについて
考えてみたいと思います。
上位者と組むことで、
果たしてどのようなメリットがあるのでしょう?
、、、
論文では、以下のように
説明されていました。
『上級管理職のメンバーを観察し、交流する機会は、
”組織に対する、より洗練された戦略的な視点”
(すなわち一種の対人能力)を育むことに役立つ』
とのこと。
「上位の人が、組織の問題を
どのように捉えているのか?」
を知ることで、
”これまでの自分が
見えていなかった視点が手に入る”
わけです。
同じ出来事を、
上位の人がどう捉えているのか。
、、、それをリアルに知ると、
違った景色を見るメガネが手に入ります。
視点の変化
↓
違う選択肢・行動
↓
違った結果
このように、
視点の変化は結果にまで影響し、
連鎖していくと言えそうです。
■ちなみに、私の例で恐縮ですが、
20代の営業時代、
「社長と営業同行」に来てもらった
もらったことがありました。
新規の社長との
アポイントだったのですが、
社長はそのオフィスの
エントランスにつくなり、
オフィスのエントランスの植物を
おもむろに注視し、
「ホコリが付いているかいないかで
その企業の規律や文化が透けて見えるんだよ」
という”視点を共有”してくれました。
(=掃除を細かくしているような会社かどうか、なども
その組織文化の一面を表している)
それを聞いて20代の私は、
「新規訪問のときも、
そういう視点で見ているんだ・・・」
と目からウロコな気持ちがして、
それから営業において新規訪問の際に、
空間情報から色々なことを類推しよう、
という視点をもつようになったことを
覚えています。
組織内の話とは違いますが、これも、
”洗練された戦略的な視点”
をもたらしてくれた
一つの例かもしれません。
■おそらく、もっと直接的には、
・組織内の力関係
(あの人には先に根回ししたほうがいい)
・組織内の暗黙のルール
(公式ではないが守らないといけないルール)
などなど
社内の対人スキルにおけることが
主たるものになるのかもしれません。
いずれにせよ上位の方と交流することで
様々な視点が手に入る、
ということですね。
■その他にもわかったことは、
・フォーマルなメンタリングより、
インフォーマルなメンタリングの方が、
よりポジティブな効果が得られる
(Chao, Walz, & Gardner, 1992; Ragins & Cotton, 1999)
とか、
・メンタリングによるグループ関係が、
キャリアの成果にプラスの効果をもたらす
(Dansky, 1996)
こともわかっています。
公式な「メンター制度」だけでなく
”おせっかいお兄さん・お姉さんのような人に、
自主的に教え・教えられる関係づくり”
がより機能する、ということですし、
メンタリング制度を活用することで
個人のキャリアにも良い影響がある。
実に素晴らしいことです。
■ということで、引き続き
明日も続けていきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
他の人の書いたものを読んで、自己を向上させよ。
他の人が苦労して得たものをそれで容易に得ることができる。
ソクラテス(古代ギリシャの哲学者/BC469-399)
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