「思考の背骨」を作るには、グレートブックに向き合うこと
(本日のお話 1897字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は大学院の授業。
その他打ち合わせなどでした。
*
さて、本日のお話です。
今週、大学院の
人材開発・組織開発のテストがございます。
テストは手汗が出まくって
いつもヘロヘロになりますが、
なんとなく楽しいのが不思議です。
さて、最近は大学院の授業において
「人・組織づくりの原点にある
哲学的な思想」
を学ぶ機会がありました。
その授業において
色々と考えさせられることがございましたので、
今日はそのお話からの学びと気付きを
皆さまにご共有させていただければと思います。
それでは参りましょう!
タイトルは、
【思考の背骨を作るには、グレートブックに向き合うこと】
それでは、どうぞ。
■数年前、
「いつやるか?今でしょ!」
の林修先生がテレビに出ていました。
その際にこんなことを
言っていました。
「最近の人は本を読まなさすぎです。
もっというと最近の本は、
文字が大きくて1時間もあれば読める。
僕から言わせれば”離乳食”です!」
みたいなお話。
■ちなみに、実際、
「20~50代の社会人の1ヶ月の読書平均」は、
0冊:38%
1冊:21%
2冊:14%
3冊:9%
4冊:6%
5冊:5%
10冊:5%
20冊:2%
※マイナビフレッシャーズ 2015年調査より
https://gakumado.mynavi.jp/
だそうです。
1ヶ月に1冊も本を読まない人は
約4割。。。
林修先生が声を上げるのも
ある意味、もっともかも知れません。
■そして、それに関連したお話で、
先日の大学院で先生から
「難しいけれど、
重厚な本を読む大切さ」
について教わりました。
曰く、
「我々が実践家として
人と組織に関わる上では、
必ず様々な葛藤が起こってくる。
その中で、判断の軸になる
”背骨”を作りましょう」
と言われました。
そしてその文脈において、
諸々の思想家達の本を読むことになりました。
■例えば、
◯「経験」の重要性を問うた
アメリカの哲学者 ジョン・デューイ
◯我々の主観、”今ここの経験”の大切さを問うた
現象学のエトムント・フッサール
などなど。
今から100年以上も前の本を
皆で読み解き、発表しました。
その中には、普段生活していたら
絶対に手に取らないであろうタイトルもあります。
『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』
(E・フッサール)
『経験と教育』
(ジョン・デューイ)
などなど。
フッサールはもう、
「ちょっと何言ってるかわかんない」
とサンドイッチマンが
何度も脳内に登場しますし、
デューイも薄いのに、
なかなか進まず、気づくと寝ています。
私の解釈力が弱い可能性も
多々ありますが、
最強の睡眠導入剤に
なっておりました(汗)
■しかしながら、
このプロセスも
やっぱり大事なのかな、
とも思うのです。
藤本夕衣氏の
『古典を失った大学 近代製の危機と教養の行方』によると
・科学による真理探求よりも、
「少ないインプットで多くのアウトプット」を求めがち
・時代を超えた問いがある
「グレートブックス」を読むことが失われる
と警鐘を鳴らしています。
確かに、
・「てっとり早く」
・「効率的に」
・「成果に繋がる」
ということが
重視されすぎていて
”本質が何なのかを
自分の頭で考えなくなっている”
ことがあるのではないか、
これは実際に社会全体がそうなっているようにも
私自身、感じたのでした。
(私自身への強い自戒を込めて、
書きながらもそのように思っております、、、)
■確かに、
わかりやすいビジネス書は、
ストレスなく読めて、
かつ学んだ気がします。
しかし、
本当に自分の身になったな、と思う
本や学びとは、
脳に汗をかきながら
そこに「こういうことだろうか?」と
自分なりの解釈を書き込んだり、
あるいは他の人と意見を交わせて
知的格闘を行う過程により
自らに”染み込んでいく”と感じます。
■学んだことを、
ふわっと理解した気になるのは
簡単なものです。
最近の私のメルマガのように、
大学院で聞いた先生のいい話を
”自分で語った風”で
伝えることも、実に簡単なものです。
しかし
・「学びを自分の言葉で編み直す」
・「疑問を明確な言葉にする」
・「誰かに自分の解釈を付け加えて説明する」
などは時間もかかるし、
骨も折れるものです。
毎回はできないかもしれません。
でも、その骨が折れるプロセスの大切さを、
忙しい毎日でもどこか忘れないようにして、
意図して汗をかけるように
時に立ち止まること。
それはシャバで葛藤があった際も
ブレずにいられる
”思考の背骨”
を作るためにとても大切なことなのだろう、
そのように思います。
■そしてそのためには、
古典と言われる、
「グレートブック」
に腰を据えて向かい合うこと。
私もこの分野においては
本当にまだまだの初学者ですが、
少しずつ時間をつくって、
学びを積み上げて、
自分の言葉で語れるようになりたい、
そう思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人というものは、自分自身よりも高く、
優れた物差しや手本を見つめる心がない限り、
決して、自分を変えようなんて思いもしない。
トライオン・エドワーズ(米国の神学者/1809-1894)
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