「組織開発」の実践者が学ぶべきものは”倫理”だった!?
(本日のお話 1913字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は6件のアポイント。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
大学院の授業にて
「組織開発の倫理」
について学びましたが、
考えさせられるものでした。
今日は人事の方向けの話ですが
この「組織開発の倫理」について、
学びと気づきを皆さまに
ご共有させていただければと思います。
それではまいりましょう。
タイトルは、
【「組織開発」の実践者が学ぶべきものは”倫理”だった!?】
それでは、どうぞ。
■「組織開発」とは、何か?
どうやらこの
「組織開発」なる言葉自体が、
曖昧模糊としているようです…
定義を調べて見ると、
ベックハード、フレンチ&ベルいわく、
”27通りの組織開発の定義の中に、
60もの変数が存在している”
とのこと。
定義すら、
めちゃくちゃ曖昧(汗)
(そりゃわからないですよね)
■ただ膨大な定義の中に
4つの共通項があることもわかりました。
それが以下の4つです。
<組織開発の4つの共通項>
1,計画的な変革であるということ
2,行動科学の知識を用いること
3,組織の中で起こるプロセスを対象にすること
4,組織が適応し、革新する力を高めること。
とのこと。
つまり、
・何となくじゃなく(計画的で科学の力を使っていて)、
・一過性のものではなくプロセス(過程)が大事で、
・結果、組織自身の力を高まるという状態
を組織開発と呼ぶ、ということかと。
■もうちょっと噛み砕いて言うと、
『組織開発=
組織をWORKさせるための意図的な働きかけ』
ともいえます。
・人を集めてもてんでバラバラで、チームの成果が出せない場合に
・あの手この手を使って
・組織を(成果を出せるように)workさせる意図的な働きかけであり
・そのことでメンバーにやり取りが生じ
・チームの共通の目標に動き始める手助けをすること
※引用:中原淳、中村和彦(2018)『組織開発の探求』(ダイヤモンド社)と
こんな表現で捉えると、
組織開発のイメージが付きやすくなるかと。
■そして、そのための手法として
・アプリシエイティブ・インクワイアリー
・フューチャー・サーチ
・ホールシステム・アプローチ
・OST
、、、みたいな、
下を噛みそうな横文字な手法がある、
となります。
■もっというと
『組織開発=
組織をWORKさせるための意図的な働きかけ』
ですから、そういう意味では
・会社の運動会
・シリアスな会議の後の懇親会
・読書勉強会
なども「組織開発」である
とも言えるのかもしれません。
■さて、そんな「組織開発」。
実はそれらに携わる
組織開発実践者にとって
極めて重要なものが「倫理」、
と言われます。
世界的な組織開発の教科書のごとき書籍
『Organization Development』
においても、その冒頭は
「組織開発の倫理」について
書かれています。
■では、一体
どんな倫理なのでしょうか?
これについて
Anderson(2017)の定義より、
以下見てみたいと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<組織開発の6つの倫理>
1)参加すること
(自分たちの未来に参加・関与すること)
2)チーム(職場)を重視すること
(組織変革は職場から始まる)
3)発達・学習を信じること
(最も重要な価値観)
4)人間を「全人格」で見ること
(職業でみない/相互尊重/違いを認める)
5)対話を重んじること
6)真摯さ、オープンさ、信頼を重んじること
Anderson(2017)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
、、、とのこと。
■さて、いかがでしょうか。
流し読みすると、
「あー、そうね」で終わりそうですが、
一つ一つ見てみると、
実に重みがあります。
■例えば、
「発達・学習を信じる」
こと。
組織開発実践者、
つまり組織をWORKさせようと働きかける人は、
目の前の人・組織の可能性を
徹底的に信じることが倫理である。
また、
「人間を全人格でみる」
こと。
社長だから、若手だからといって
ラベルで見るのではなく、
一人の人間の意見としてきちんと受け止めること。
これも持つべき倫理。
あるいは、
「真摯さ、オープンさ、信頼を重んじる」
組織開発実践者が
信頼に足るべき人物として
誠実でオープンでいること。
■一つひとつの定義を
噛み締めてみると、
組織開発実践者とは、
『人間として
成熟をしていこうとする意志』
がなければ、
組織開発には携われない、
と言っても過言ではない、
とすら思います。
■技法も大事です。
しかし、その根底にある
「倫理」はそれ以上に大事。
「組織開発」とは、
ベトナム戦争のPTSD患者に向けた
集団精神療法から発達してきたという歴史を、
持っています。
ゆえに、「人の心」と関わるのが、
組織開発とも言える。
すると、それらに携わるときは、
こちらもその繊細さ、そして危険性を
十二分に理解し進めること。
■”それっぽいこと”が増えている今だからこそ、
根底に立ち戻って
大切な事を忘れないようにしたい、
そのように私自身、
感じた次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
現実とは、あなたの外側にあるだけでなく、
あなたの内側にもあるのです。
ドロシー・ロー・ノルト(米国の家庭教育コンサルタント/1924-2005)
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