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『ヤフーの1on1 ―部下を成長させるコミュニケーションの技法』

今週の一冊『ヤフーの1on1 ―部下を成長させるコミュニケーションの技法』

2803号 2021年10月24日

(本日のお話 2053字/読了時間2分半)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は大学院でした。

入学式以来の対面の授業で、
同期に会えて非常に嬉しい時間でした。

オンラインでしか会えていなかったからこそ
実際に会うことの希少さを感じた次第。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、オススメの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『ヤフーの1on1 ―部下を成長させるコミュニケーションの技法』
本間浩輔 (著)



=========================

です。



■1on1やコーチング。


「ウチの会社でもやってます」
「確かに大事ですよね」

という声も、少しずつ
拡がってきたように感じます。


そして、1on1に関連する書籍も、
実にたくさん出ていますね。


その考えが日本で
本格的に広がり始めたのが
2010年代になってからですが、

その一つの代名詞になっていたのが

「ヤフーの1on1の取り組み」

だったのではないかと思います。



■今回ご紹介の本は、
2017年に出版された本であり、

昨今の拡大してきた流れからすると、
少し前の情報のイメージかも知れません。


…とはいえ、
実際にヤフーが行ってきた

・「毎週1回30分の1on1」が
 どのように導入されたのか。

そしてその際に、

・現場の管理職がその取組みを
 最初どのように感じていたのか。

・その後、どのように効果を感じ
 現場に拡がっていったのか?

等について、
丁寧に描かれています。



■ゆえに、もし皆さまが
人事・管理職であられて

「部下と対話を通じて
 育成を進めていこう」
 
と考えているのであれば、

(1on1、コーチング等
 呼び方はそれぞれあるでしょうが)
 
それらの取り組みを進める上で
「鉄板の一冊」とも呼べるものが


今回ご紹介の一冊かと思っています。



■書籍の中で、

「マンガでわかる1on1のケース」

というのがあります。

そして、それもまたわかりやすく、
個人的におすすめです。


…というのも、

「話すこと」や「聞くこと」は、
誰もがやっている行為。


その話し方、聞き方によって
相手は様々な影響を受けるもので。

同じように「30分話す」ことをしても、

その関わり方によって
相手の反応は変わってくるものです。

たとえば

・深く考える
・萎縮する
・目標が明確になる
・自分から考えようとする
・受け身になる
・もう話すまいと心に決める

…などなど。


しかし、

「話し方、聞き方は
 結構、繊細なもの」

なのです。

ゆえに、

どんな聞き方がよいのか、
どんな話し方(伝え方)がよいのか、

については、
立ち止まって考えることもないし、

・間の取り方
・声のトーン
・相手への体の向き合い方
・質問の仕方

などが、
相手にどのような影響を与えるのか
もイメージがしづらい。



■それらを、マンガを媒介させて

・BADケースの1on1
・GOODケースの1on1

と伝えることで

「1on1って、効果もやり方も
 よくわからない…」

という方も、イメージが
つきやすい内容になっています。



■その他、

・実際に実施した社員のインタビュー

・1on1におけるトークスクリプト

・1on1におけるFAQ

など、

理論ではなく

実際に企業で拡げていかれた著者の
実践知の内容も多く書かれており、
有用な内容と感じます。



■特にFAQについては、

「確かによく聞かれる・・・」と
個人的に思わずつぶやいてしまいそうなものを、

明確に回答を示してくれることも
大変腹落ち感がありました。


※例えば、こんな内容です。

(以下、本文から抜粋、
 簡単にまとめなおしています。
 詳細は本書をご参照ください)
 

>Q、毎日、部下とコミュニケーションがとれていれば、
  1on1は不要ではないでしょうか?

 A,コミュニケーションの定義を何としているのか、が大事。
  ヤフーでは「自分の意図を相手が理解し、実際に行動する」としている。
  その場合、本当にできているのかを、今一度考えてみてはどうか。


>Q、年上のベテラン部下から、「1on1は不要」と言われていまいました。
  どうしたらよいでしょうか?
 
 A,1on1は誰にとっても有効な内省手段。年上部下にも必要である。
  ただ、部下が不要という背景には、「信頼関係ができていない」可能性もある。
  互いに苦手意識があるときは、頻度が少なくなりがち。
  しかし、短い言葉でもコミュニケーションの頻度を増やす必要がある。
  年上部下はストレスフルであるが、役割と割り切って1on1を活用してください。
  
 
>Q,新入社員など、知識や経験が少ない相手に対しても、
  コーチングは必要ですか。ティーチングだけで十分ですか。
 
 A,コーチングは必要。仕事に必要な知識と業務ルールは教える必要があるが
  新人であっても、考える力は持っている。
  考えるための材料が与えられた状態なら、コーチングは機能する。
   

などなど。

他にも、

Q,1on1に時間を奪われて自分の仕事が終わりません。

Q,何度か1on1を試みましたが、
 とても部下の役に立てているとは思えません。
 
などもあり、学びになりました。



■と、いうことで、

「1on1の基本の一冊」

として、

・人事で1on1(コーチング)を
 展開されている方、

・部下に1on1をやるものの
 イマイチその意義がわからない人
 
など、

1on1の定義や意義を理解するために
おすすめの一冊でございます。
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<今週の一冊>

『ヤフーの1on1 ―部下を成長させるコミュニケーションの技法』
本間浩輔 (著)


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