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2805号 2021年10月26日

家族の幸福度を「データ・アナリティクス」の視点で考えた

(本日のお話 2605字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

最近、大学院で

「データ・アナリティクス演習」

なる授業があります。

統計分析という
数学的な授業です。


高校のとき
数3・Cについていけなくなり、
文系の大学を受けた私(紀藤)にとっては

極めてハードルが高く、
劣等生っぷりを発揮しつつ
なんとか授業に参加をしている今日この頃。



しかし先日、
妻と「家族の幸福度」について
話をしている中で

データ・アナリティクス演習にて
習った概念が、日常でも役に立つのだ…

と、ハッとさせられる
機会がありました。


今日は、極めて個人的な
家庭内の話ではありますが、

そのお話についての気付きを、
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは、参りましょう。


タイトルは



【家族の幸福度を「データ・アナリティクス」の視点で考えた】



それでは、どうぞ。



■別々の人間が、
「共に生活をする」となると、

殆どの場合、
すれ違いが起こるものです。

結婚なんて、最たる例です。

それまで当たり前として
気にもしていなかった、

・味噌汁の具材が多いか少ないか
・洗濯物の干し方
・片付け方

みたいなことも
ちょっとしたすれ違いが気になって
ストレスになることも。



■そして、我が家(紀藤家)も

同じような”すれ違い”が
例のもれずございます。


結婚して、10年以上
共に過ごしているので、

”ズレ”はさほど
大きなものではありませんが、

お互いの生活で大事にしたいところは、
未だ微妙に違ってきているもの。



■そしてその一つが

「片付けの仕方」

でした。


特に私は、飲食店出身で、

「定位置・定管理」

を徹底的に教育されてきました。

ゆえに、

・片付ける頻度・質

については、どうしても
気になってしまうクチです。

対して、妻はやや大雑把。


よって、

大体、定期的に訪れるズレと、
伴うちょっとした小競り合いは

「片付け方」

に起因することが、
結構あったのでした。



■そんな中、先日ふと
(いつものごとく)こんな風に
妻に言ったのでした。


「もっと物を整理して
 ほしいんだけどなあ。。。」
 

…と。

(心が小さくてスミマセン)


しかし、
身内だからでしょうか、

あるいは過去の諸々の
やり取りを思い出してでしょうか。


私の言葉の節々にある
”トゲ”みたいなものを、
敏感に感じ取られたようで、

明らかに納得をしていません。



■しかし、今回は
ちょっと違いました。


「片付けること」が

”家庭の幸福度に、
 どのような影響を与えるのか”

を少し別の視点で話し合うことに
結果的になりました。



■きっかけは、

私(紀藤)が違う切り口で話しをした
ひとことでした。


私「片付けがキレイにできていると、
  自分ががゴキゲンでいられるんだよね」
 

という、個人の感情の吐露です。



…すると、妻は
それを受け取ってくれたようで、
こう返してくれました。


妻「やすさん(紀藤)がゴキゲンなのは、
 私のゴキゲンにもつながっているんだよね。
 結構、影響されやすいから…」  
  
  
そして、続けます。


妻「ちなみに、私がゴキゲンだと
  子供もゴキゲンになるんだよね」
  
…と。



■我ながら、
真面目な会話をしているなあ、

とも思いつつ、

対話の中で私と妻の間で
”共通の理解”が生まれたようでした。

それが、

  
『”片付け”は、家族全体の幸福度に
 影響を与えている因子である』
 

という理解でした。



■言ってしまえば

”妻はあまり気にしないので、
 片付けてもそうでなくとも
 妻本人の幸福度はさほど高まらない”
 
のです。
 
しかし、

・「片付け」なされる
 ↓
・「紀藤のゴキゲン度」が高まる
 ↓ 
・「妻のゴキゲン度」が高まる
 ↓
・「子供のゴキゲン度」が高まる

というように、


『「片付けること」が
 「紀藤のゴキゲン度」を媒介して、
 「妻のゴキゲン度」を高める』


という、実感知を伴った
一つの仮説が生まれわけです。



■ここで、

データ・アナリティクスの授業で、
学んだことを思い出しました。


仮説構築の際に使う


【媒介】


という言葉です。

媒介とは公式として表すと


『媒介: A→B→C』


とう関係のことです。


上記で言えば

A:片付けること

B:紀藤のゴキゲン(を高める)

C:妻のゴキゲン(を高める)

と、

「片付け」が
「紀藤のゴキゲン」を”媒介”して
「妻のゴキゲン」に影響していることが

仮説として設定されました。



■これを

人材開発や組織開発の事例で当てはめると、
こんな使い方になります。


”「上司・同僚のサポート」が
 「自己効力感」を”媒介”して、
 若手社員の「ワークエンゲージメント」に正の影響を与える”

 
ここでは、

A:上司・同僚のサポート

B:若手の自己効力感(が高まる)
↓ 
C:若手のワークエンゲージメント(が高まる)

と説明できます。


つまり、直接ではないが
間接的に

・上司や同僚のサポートが
 若手のエンゲージメントを高める
 
という影響がある、ということ。



■そしてそして、
もうちょっと続けさせていただきたいのですが、

もう一つ仮説構築において

【調整】

という言葉もあります。

この言葉を公式にすると


『調整: A↑ B⇔C↑  or A↓ B⇔C↓』


となります。




また例題として、
先の紀藤家で考えてみます。

そうすると、

”「紀藤のゴキゲン度」が
 「妻と子供の関係性」に正の影響を与える”
 
というイメージになります。

これは、

A:紀藤のゴキゲン度(が高まると↑)

B⇔C 妻と子供の関係性(も高まる↑)

ということになります。

(多分、そういうこと…のはず)



■さて、紀藤家の事情を、

(若干強引に)
”データ・アナリティクス演習の
「仮説構築の考え方」”

に当てはめてしまいましたが、

上記のように、

直接的ではないにせよ
影響を与え合っていること、

日常生活でもあると思うのです。



■一つの行動が、

「媒介」したり
「調整」したりして

結果に影響を与える、
という因果関係を頭に置いたら、


「A→B」という直接的な考えだけでなく、
(片付けする →そっちのほうが気持ちいいじゃん、ではなく)

「A→B→C」という全体としての影響を考えて
(片付け→紀藤ゴキゲン→妻ゴキゲン、皆ハッピー)

行動ができるようになる(かも)
しれません。



直接的ではなく、
ある因子が影響を与え合っていると
理解することで、

・家族関係において
・職場の人間関係において
・職務上の行動において

これまでと違った行動を
選択できるようになるかもしれない、

…それを

”「片付け」が「紀藤のゴキゲン」を媒介して
 「妻のゴキゲン」を高める”
 
という視点、

すなわち、

「紀藤のゴキゲン」→「妻のゴキゲン」

という因果関係を語り合うことで
新たな選択肢が見つかったように思った、

というお話。



■実際に、

”「紀藤のゴキゲン」→「妻のゴキゲン」”
(そして妻→子供のゴキゲン)

という因果があるかどうかは、
今後の実証研究によりますが

見えていない水面下のつながりを語ること、

「家族の幸福度」を高める上でも、
大事なことだよなあ…

と思った月曜の夜でした。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

男と女ーこうも違った、しかし複雑な二人の人間が、
互いによく理解し愛し合うためには、
一生を費やしてもまだ長すぎはしない。

オーギュスト・コント(フランスの社会学者/1798-1857)

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