「なぜ今、人事にデータ・アナリティクスか」を考える
(本日のお話 2875字/読了時間3分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件の研修の実施立ち会い。
並びに夜は大学院の打ち合わせでした。
*
さて、本日のお話です。
大学院の授業にて
「データ・アナリティクス演習」
なるものがあります。
私、データとか分析、
客観性とかファクトという言葉は
大変苦手なのですが
考えれば考えるほど、
これからの人事は
「KKD(勘・経験・度胸)」
では通じなくなるだろう、
と再認識させられております。。。
そんな背景もあり、
本日もデータ・アナリティクスの大切さを
(120%の自戒を込めて、むしろほぼそれ)
皆様におすそ分けできればと思います。
それでは参りましょう。
タイトルは
【「なぜ今、人事にデータ・アナリティクスか」を考える】
それではどうぞ。
■世の中には
「大きな流れ」があるものですね。
もう今では何でもかんでも
”語尾に「DX」”
がついているとも感じるほど。
(いいすぎかもですが)
しかしあらゆるデバイスが
インターネットに繋がり
データが膨大に集まってきて、
かつデータも気軽に取れるようになれば
それを活用する人材が必要になるのは
当然の流れ、、、というのはまあ、
私でもなんとなく想像はできます。
データサイエンティストが
受容が高い仕事というのも、納得です。
■ちなみに、
「人事のデータ分析の活用」の
2016年と2019年の比較について
こんなデータがあります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<人事データ分析の活用に取り組み済/予定ありの企業割合>
◯回答企業全体
2016年 44%
↓
2019年 51%
◯従業員5000名以上の企業
2016年 64%
↓
2019年 85%
※出所:PwCピープルアナリティクスサーベイ2019調査結果
日本企業236社対象
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とのこと。
大企業では85%が、
全体でも半数以上が
「データ分析に取り組み済&予定あり」
なのですね。
■ちなみに、活用領域は
・従業員意識調査(従業員満足度/エンゲージメント調査など)
・キャリアプラン情報(希望職種、勤務地など)
・スキル情報(マネジメントスキル・専門スキルなど)
が、
「3年後に活用していたいデータ」
として挙げられています。
そして上記は2019年ですが
コロナ禍での影響やリモートワークの流れで
採用面接も、1on1もオンラインになって
データ分析の活用も、更に背中を押されたのでは、
とも感じます。
■…とこんな情報を見ていると、
「人事のデータ分析」の流れは
「大きな流れであり、必ず起こる未来」
であろう、というのは
想像に難くありません。
ある意味、これからの
「人事のデータ分析」とは
今のパソコンでの
エクセルの計算とか
パワポをまとめる技術くらい
身近なものになっていくのかもしれません。
「データ」自体が手軽に手に入り、
それらをまとめていこうという動きがあるからこそ、
データを活用することが
求められる頻度も高まるのだろう、
…と思ったのでした。
■これは、
ある側面から考えると、
「新しいこと覚えなきゃいけなくて、
面倒くさい・・・」
「データ活用とか大変そう、
しんどそう、難しそう(汗)」
というネガティブな捉え方もできます。
…しかし別の側面から、
ちょっと強引に考えると、
これは
人事領域にいる人にとって
そしてこれから
専門性を確立したい人にとっては
「大いなるチャンスである」
とも言えるの(かも)、
とも思ったのです。
一言でいうと
『まだ探求されていない領域で
専門性を高めるチャンス』
です。
■データ・アナリティクスの授業で
こんな話が紹介されていました。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<定量化は、人事の専門性を確立させるための「武器」になる>
定量化とは、力を持つ部外者が
専門性に対して疑いを向けた時に、
その適応として生じる。
政治的圧力さえなければ客観性が保てるのではなく、
政治的圧力があるからこそ、客観性がつくられる。
アカウンタビリティ(説明責任)によって
客観性が弱体化されるのではなく、
アカウンタビリティによって客観性が作られるのである。
引用:セオドア・M・ポーター『TRUST IN NUMBERS(邦題:数値と客観性)』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とのこと。
■そうなのです。
これ、本当にそうだな、と思うのです。
非常によく聞く例が
人事の方が経営層から
「この研修の成果ってどう測るの?」
と聞かれたり
「今回の研修テーマを◯◯にした根拠は?
何を成果指標にしているの?」
と問われるという話です。
まさに
”力を持つ部外者”(経営層)が
”専門性”(人事)に対して、疑いを向けた時
その適応として定量化(データ)を揃える
ことに繋がる流れ。
本当に多くの組織で起こっています。
■ただ、5年前は、
「とはいっても、そんなデータないし
まとまってもないし、調べようもないし」
で済まされていたのが、
ここ2~3年位で一気に、
「いや、それ調べようと思えば
調べられるんじゃね?」
「データ分析をして、
誰もが納得できるようにまとめねば」
という空気になってきたように
私は感じております。
■それは自分がたまたま
そういった情報に触れている、
という可能性もありますが、
とはいっても明らかに、
・Googleフォームとかサーベイモンキーとか
簡単かつ無料で調査できる手法ができた
とか、
・パルスサーベイなども安価に手間がかからず
提供するベンダーも増えてきた
という動きは顕著になってきました。
■、、、とした時に、
まさに今が分かれ目、
と言えそうです。
人事として
「データ・アナリティクスの観点を
持っているかどうか」
があるかないかは、
これからの大きな波に乗れるかどうかを分ける
大変大事なことなのでは、、、
と思ったのでございました。
■そして話が飛ぶようですが
改めてドラッカーの
この言葉を思い出します。
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多くの領域において卓越することはできない。
しかし成功するには、
多くの領域において並み以上でなければならない。
いくつかの領域において有能でなければならない。
一つの領域において卓越しなければならない。
出典:「創造する経営者」 P.F.ドラッカー
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ここで重点を置いているのは、
「1つの領域において卓越すること」
ではあります。
しかし、成功する、すなわち
より多くの成果を出そうとするならば
”多くの領域において並以上”
そして、
”いくつかの領域において有能”
と書かれていることも
着目すべき点なのでしょう。
■自分自身の
コアの専門性は高めつつも、
その周辺も高めること。
文系だから
理系だからではなく、
どちらも見ること。
経験や直感も、
数字や客観性も、
どちらも基本的なスタンスを身につけること。
本当に一芸で突き抜けているなら別ですが、
50人に1人が持つスキルを
5つ6つ持つことで、
差別化できることもあるはず。
今回の
データ・アナリティクスを学びながら、
自分自身苦手とはいえ、
”これからの並以上”を目指すのは
大事なことだろうな、
と考えた次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
自分が感じていることは正しくないかもしれない。
だから、常に自分をオープンにしておくんだ。
あらゆる情報や、たくさんの知識を受け入れられるように。
アイルトン・セナ(ブラジルのレースドライバー/1960-1994)
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