メールマガジン バックナンバー

2871号 2021年12月31日

「無垢なる全能感」から「何も知らない無能感」へ

(本日のお話 1993字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

大晦日ですね。
(もう日付が変わってしまいましたけど)

私は朝からコーチング(受ける方)、
10キロのランニングの後、
茨城の妻の実家に移動でした。



さて、本日のお話です。

この時期あるあるのネタですが、
1年を振り返りつつ、

私の個人的に話となりますが、
1年のまとめ、そしてそこからの学びを、
皆さまにご共有させていただければと思います。

タイトルは、



【「無垢なる全能感」から「何も知らない無能感」へ】



それでは、どうぞ。



■皆さまは、2021年
どんな1年だったでしょうか。

順境だった人もいれば、
逆風に格闘された方もいるでしょう。

あっという間の1年だった、
という人もいれば 

すごく長い1年だった
という人もいたのではないかと思います。


いずれにせよ、

何はともあれ1年間頑張って
日々生ききったことが皆素晴らしい!

などと思っている大晦日の夜。



■私(紀藤)の話となりますが、

個人的な話で言えば、
変化が多い年でした。

・1月に第一子が生まれる
・4月に立教大学大学院に入学
・会社は4期目で仕事も色々増える

ということで、

役割に、

「父親」「学生」

が加わったこともあり、

なんだかよくわからないまま、
1年が矢のように過ぎていった

という感じです。



■ただ、振り返りを
このメルマガのテーマである

「人生にちょっと役立つ考え方」
という観点でまとめてみると、

キーワードは

【越境学習】

でした。


ちなみに「越境学習」とは

”自分自身の所属やキャリア、これまで
 慣れ親しんできた考え方などの"境界"を超えて、
 新しい機会に触れることで学び、
 
 自明で暗黙の前提となっていた
 価値観の変容があること”
 
という意味です。



■具体的に私の場合は
「大学院への入学」でした。

現在、運良く

「立教大学 大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース」
https://ldc.rikkyo.ac.jp/

なるところで、
学びの機会を頂いていますが、

その旅路は、
ちょっと大げさなようですが

「価値観の変容」
 
といって過言ではないと思います。



■そもそも私は

自分の能力(特に計算とか)には
あまり自信がないこともありません。

学業というのは、
どこか苦手でございます。


しかしながら、
「相性のよい学び」というのは
どうやらあるようで、


ちょうど1年前の年末、
「大学院受験プロジェクト」

と称して勉強会を実施し、

組織行動論とか、
学習理論とか
リーダーシップ理論などについて、

何人かの仲間の皆さまと
勉強を共にさせていただきました。



■不思議なものですが、

新しいことを学ぶと、

「全能感」

に浸ることができます。

例えば、上記で言うような

・越境学習、とか
・組織行動論、とか、
・ホーソン実験とか、
・変革型リーダーシップ、

などなど

なんだか専門的で
ちょっと賢そうな話を読み覚えると、

(自分、こんなこと
 勉強をしているんだぞ。ムフフ)

と、

調子に乗っているとは少し違うのですが
新しい領域を知り始めた面白さ
純粋な楽しさ、そして成長している感覚から

”無垢なる全能感”

のようなものを覚えます。



■しかし、

いざ大学院に入学すると、
話は違ってきます。


新しい環境に「越境」してみると、

「広大すぎる世界と
 それらの知識を当たり前として使いこなす
 先人達が幾人もいる」

ことに気付かされます。

研修のデザインも、
緻密に計算し、先行研究や
理論を背景に、

成果を出す人材開発・組織開発を
ずっとずっと深いレベルでやっている人がいる。

かつ、

同期の仲間も、
優秀で人柄もよく、

頭の回転も早く、
素晴らしく総合力が高い人達ばかり。
(少なくとも自分にはそう見える)



■それは、

勉強を始めた当初の

「無垢なる全能感」が、
「何も知らない無能感」に、

急激に変容していくという体験でした。


一人のときは

庭で自転車を乗り回して
得意げになっていた1年前の自分が、

入学後は

山間部にて時速60キロで走る
ロードレースをやっている
高校の自転車部に入った気分です。


それは、感情的には
気持ちがよいことばかりでは
なかったようにも思います。

(庭で遊んでいたほうが
 楽しかったといえば楽しかった)
 
 

■しかし、振り返り
一つ確信を持って言えることは、


”無垢なる全能感から
 何も知らない無能感への変容は
 必ずしもネガティブなことではない”


ということ。


それを一言で言うならば

「学習と成長」

であると思うのです。



■そもそも、

自分が知らない世界を知り、
高揚感を覚えることも、

それらを掘り下げることによる
膨大な世界との出会いで
立ちすくむ感を覚えることも、


”新しい学びへの
 第一歩の踏み出し”
 
そして

”越境学習による
 新しい環境との出会い”

そして、

”それらを通じた
 自分自身の価値観の変容”

がなければ、

体験することは
きっとなかったのであろう、

と思うからです。



■学びとは、甘い時間ばかりでは
ないのかもしれません。


しかし、
新しい環境に飛び込むこと、

『越境学習』

とは、自分に変容と
まだ見ぬ世界を見せてくれるきっかけを
くれるものです。


ということで、

新年も新しい環境に
飛び込み、学びを深めていきたい、

と思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<本日の名言>

勉強する事は自分の無知を
徐々に発見していく事である。

ウィリアム・C・デュラント(ゼネラルモーターズ創業者/1861-1947)

==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す