今週の一冊『SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える』
(本日のお話 2743字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は茨城の妻の実家にて
親戚一同との団らんでした。
人が多いと、にぎやかでよいですね。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『SIMPLE RULES
「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える』
ドナルド・サル (著), キャスリーン・アイゼンハート (著), 戸塚 隆将 (監修)
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です。
■大学院でお正月は
「人材開発・組織開発・経営に
関わる本を10冊読むこと」
と言われておりましたが、
年末年始に本棚を整理していて
手にとってパラパラめくっていたら
思った以上に良書でつい読んでしまった一冊。
著者は
・ドナルド・サル
(マサチューセッツ工科大学スローン校の上級講師
ハーバード大学、ロンドンビジネススクール元教授)
・キャスリーン・アイゼンハート
(スタンフォード大学工学部教授/専門:戦略学)
など、経営に関して専門家であり
内容についても具体的な事例が豊富です。
読みやすい一方、
実用的な一冊だと感じた本でした。
ということで、本日はご紹介させていただきます。
■さて、そんな
「シンプル・ルール」
と題されたこの本、
一体どのようなことが書いてあるのでしょうか?
結論からすると、
”個人でも、組織でも、
シンプルなルールを設けることが
成果につながる武器になる”
というお話です。
(何のひねりもないようですが、、、)
ただ、読み進めるとなるほどな、と
説得力を感じさせられます。
■例えば、
有名な”シンプル・ルール”が
活用されている事例として、
「トリアージ」
(フランス後で”選別”の意)
と呼ばれる
”緊急時や戦時下において
治療の優先順位を決めるルール”
があります。
*
2004年、キャンプマレスで
自爆テロが発生したとき、
第六七野戦病院のスタッフは、
「3つのルール」に従って
負傷者を振り分けました。
ーーーーーーーーー
<トリアージの3つのルール>
1、指示に従えるか
2、脈拍数が毎分120未満か
3、呼吸数が毎分10以上30未満か
ーーーーーーーーー
そして、
トリアージ・タグ(識別表)を
4色に分けて、以下のように治療順位を決めました。
赤ー最優先治療群
黄ー待機的治療群
緑ー軽症群
黒ー死亡群
そしてこのルールにより、
負傷者の生存率が大きく向上しました。
そしてこの考え方は、
・2009年の新型インフルエンザの世界的大流行
・2013年のボストン・マラソン爆弾テロ事件
の際にも、トリアージ作業が行われ、
多くの命が助かりました。
■また
ビジネスの現場でも
「シンプル・ルール」は適用されています。
今有名な企業の成功裏にも
シンプル・ルールがあった、とのこと。
例えば、
・アマゾン「商品のカテゴリーを増やす」
・エアビーアンドビー「宿の提供者を気にかける」
(どの年でサービスを開始するか決定する際)
ことをルールとして
徹底してきたそうです。
■他には、自然界のルールとして
・蝶が繁殖する際のシンプル・ルール
・バッタが移動する際のシンプル・ルール
・鳥が隊列を組んで移動する際のシンプル・ルール
など、わかりやすい
シンプル・ルールが存在している、
という事例も数々。
■繰り返しになりますが、
”個人でも、組織でも、
シンプルなルールを設けることが
成果につながる武器になる”
というお話が満載です。
■そして、以下の
「シンプル・ルールの4つの特徴」
が提案されています。
内容は以下の通り。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
<シンプルなルールの4つの特徴>
1)ルールの数が少ない
2)使う人に合わせてカスタマイズできる
3)具体的である
4)柔軟性がある
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
これに従ったルールを
私たちが持つことは武器になる
というわけですね。
■そして
このシンプル・ルールを
個別にカスタマイズするために、
具体的にどうすればよいか?
ということで、
更に下位概念が説明されます。
例えば、
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
<決断するためのルール>
・境界線ルール(イエスorノーを決めるルール)
・優先順位ルール(少ない資源で優先順位を決めるルール)
・停止ルール(いつやめるか、引きどきを決めるルール)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とか、
決断をした上で、
「どのように進めるか」という
更に下位概念としてのルール作りの方法として
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<物事をうまく進めるためのルール設定>
・ハウツー・ルール(”どのように?どうしたら?”を設定する)
・コーディネーション・ルール(集団行動をとるために設定する)
・タイミング・ルール(”いつ?”を設定する)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
が紹介されていたり。
■さらには、具体的に実践として
”「シンプル・ルール」を作成し
活かすためのステップ”として、
以下のように説明されます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<シンプル・ルールの作り方>
1)「利益の針」をはっきりさせる
・例えば会社において、もっとも重要視しており、
かつ、長期間にわたって利益をもたらしているものはなにか、を考える。
シンプルなルールはその分野にフィットするものでなければならない。
(例:イケアなら大きな倉庫型の販売形態)
2)ボトルネック(障壁)を見つける
・人材不足、資金不足、在庫不足など、どの企業にも
必ずボトルネックは必ずある。
シンプル・ルールを作る際には、その中の焦点をあてること。
3)ルールを強化する
・ルール作りは、トップダウン方式は禁物である。
実際にそれを運用する人が4~8人くらいで
話し合って決めるとよい
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
などなど。
■その他にも、
具体的事例が紹介されています。
※経済価値を創造するルールを
作るポイントー「WWHの法則」ー、
1、何を売るか(WHAT)
2、誰をターゲットにするか(WHO)
3、どのように届けるか(HOW)
というルールを紹介していますし、
上記を、恋愛、結婚、生き方など
その他のルールに落とし込むための方法もあります。
■改めて、まとめてみると
・自分が得たい成果を得るために、
様々な観点(利益・障害)から検討し、
・自分が活用できそうなルールを決め
(いつ、どのように、どう巻き込んで)
・順序立てて整理をすることで
”成果に直結する
実用性の高いシンプルなルール”
が見えてくる。
ゆえに、実践、継続ができて
成果にもつなげることも可能になるのだな、
と思いました。
■なんとなく決めるのではなく、
「シンプルだからこそ、
練り上げられたルールを作る」
ことの大切さを、
改めて感じさせられた一冊です。
おそらく、読んだら
自分なりにルールを作ってこそ、
このルールは活きそうですので、
もしご興味がある方はぜひ
「2022年のマイ・シンプル・ルール」づくりに
活用してみてはいかがでしょうか。
ということでご興味がある方は、ぜひ。
※余談ですが、ランニングが趣味で
100キロ走るためのシンプル・ルールは
1,筋肉痛が起こるまで走り込む(スピードor距離)
2,トレーニング後はたんぱく質を十分にとる(豆乳+プロテイン)
3,超回復が起こっている時にトレーニングを行う
でした。
これに従って半年間練習すると、
とてもよいペースでレベルアップします。
はい、余談でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人気のないルールは、決して長続きしない。
ルキウス・アンナエウス・セネカ
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