診断型組織開発とは何か(その1) ~エントリーと契約~
(本日のお話 2237字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は終日、
南山大学、立教大学、玉川大学合同の
診断型組織開発を学ぶ合宿の参加でした。
その後、8キロのランニング。
*
実に色々と考えさせられる
学びの時間でしたので、
本日はその合宿からの学びと気づきを
ご共有させていただければと思います。
(少しマニアックな話ですので、ご了承ください)
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【診断型組織開発とは何か(その1) ~エントリーと契約編~】
それでは、どうぞ。
■ご存知の方にとっては今更ですが、
「組織開発」
と呼ばれる組織づくりの
取り組み手法があります。
ざっくり言えば、
「組織のプロセスに気づき、
良くしていくための取り組み」
です。
もう少し詳しくいうと
以下のような表現でも説明されています。
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<組織開発とは>
1)人を集めてもてんでバラバラで、チームの成果を出せない場合に、
2)あの手この手を使って
3)組織を「Work(成果出せるように)させる」意図的働きかけであり
4)そのことでメンバーにやり取りが生じ
5)チームの共通の目標に動き始める手助けをすること
※中原・中村(2018)『組織開発の探求』P36
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■ご覧頂いたとおり、
”あの手この手を使って働きかける”
ということで、
一つに絞れるものでもなく、
様々な手法を包含する言葉
(アンブレラワード=風呂敷のようなもの)
となっていますので、
その流れも中々に掴みどころがありません。
加えて、
氷山の上の部分に当たる、
”目に見える問題事象(=コンテント)”
を直接扱うのではなく、
氷山の水面下にある
・コミュニケーション、意思決定のされ方
目標の共有、役割分担、手順や進め方
リーダーシップ、暗黙の決まり事、
雰囲気や風土、関係性、メンバーの状態
などなど
”目に見えないが存在している
チームに隠された真因(プロセス)
部分に向き合う、というのが
組織開発の基本型になります。
ゆえに、組織開発とは、
実に分かりづらいのです。
■組織開発っていったって
何を、どんなプロセスで行えばよいのか?
”見える化→ガチ対話→未来づくり”
という大まかな型はあるとて、
具体的な手法として
どのような「正攻法」があるのか、、、
というのが人づくり組織づくりに
関わる人にとっても、
実に悩ましいテーマである
と思っております。
■そんな中、今回の合宿において、
その代表的な手法、
『診断型組織開発』
というプロセスを学んでおり、
その「基本の型」が、
人と組織に関わるあらゆる方、
お役に立つのではなかろうか、
と思ったのでした。
■ちなみに、
『診断型組織開発』とは
「データを収集し、分析し、
フィードバックをした上で
当事者(関係者)での対話がされる」
※中原・中村(2018)『組織開発の探求』P300
という手法となります。
そしてその流れが、
以下のようなプロセスとなっています。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<「診断型組織開発」の流れ>
1)エントリーと契約:
・クライアントのニーズを把握し、
進め方やお互いの役割を合意する。
2)データ収集:
・インタビュー、質問表、観察などで
プロセスに関するデータを収集する。
3)データ分析:
・データを整理する
(診断モデルに基づいて整理がなされる場合がある)
4)フィードバック:
・データをクライアントにフィードバックし、
対話を通じてプロセスについての気付きを促進する。
5)アクション計画:
・焦点づけられ、共有されたプロセスを変革するための
アクションを計画する
6)アクション実施:
・計画されたアクションを実行する
7)評価:
・合意された変革目的が
どれくらい達成できたかを評価する
8)終結:
・変革目的が達成された場合は集結する
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
■こう並べてみると、
少し複雑なようですが、
通常の人材育成や研修と、
組織開発で一番違うのは、
「クライアントとコンサルタントが
共に作り上げていくプロセス」
が組織開発であることです。
■ゆえに、
”何かしらのプログラムを
一方的に教えたり伝えていくもの”
ではないわけです。
、、、とした時に、
最初のポイントは、
「エントリーと契約」
において、
「組織開発提供者が
何か提供してくれるんでしょモード」
ではなく、
「共に目的を合意して、
そこに向けて共に歩む」
ことを、心理的に握っておくことが
重要となります。
■「目的を共に握る」となると、
クライアントにとって
「目的」の定義がしっくり来る必要があり
そのためには、
言葉もクライアント自身が語ったものであること
も大切となりますし、
・表現の重さ・軽さ、
・ポジティブ、ネガティブ、
・抽象度と具体度のバランス
などなど
微妙なニュアンスを
言葉として包み込む技術も必要となり、
これもまた難しさを感じるのでした。
、、、しかし、この最初の
「エントリーと契約」
が上手く言っていないと
結果的に”ほぼコケる”となってしまい、
非常に慎重かつ力を入れてやることが必要、
そんなお話を学んだのでした。
(この話は、本当に納得です。
私も痛い経験をいくつかいたしました)
■ということで、今回は
・組織開発とはなにか
・診断型組織開発の全体像
・エントリーと契約
のお話をご共有させていただきました。
また、
「”基本の型”を身につけること」
「何事も最初が肝心である」
そんなことを、ひしと感じた次第です。
※より深く知りたい方はこちらの書籍をどうぞ。
『組織開発の探求 理論に学び、実践に活かす』
(中原淳、中村和彦/著)
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
私は現実をしっかりと見据えた
理想主義者でありたい。
ロバート・ケネディ(米国の政治家/1925-1968)
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