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『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』

今週の一冊『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』

2880号 2022年1月9日

(本日のお話 2335字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は終日大学院の授業でした。
その後、10キロのランニング。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はオススメの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

これまでのメルマガでも、
何度も引用させていただき、
ご紹介してまいりました。

…が、ふと思えば
「今週の一冊」のコーナーで、
ご紹介していなかった!

と思いまして、
今日は改めてご紹介させていただきたい、
と思った次第です。

それでは参りましょう!

今週の一冊は、

=======================

『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』

安斎 勇樹 (著), 塩瀬 隆之 (著)


=======================

です。

それでは、どうぞ。

■人事関連で

「これは必読!」

と思うシリーズがあります。

ミーハーですが、

「日本の人事部 HRアワード」

にて評価された本は
大体良書である、と感じます。

例えば、

HRアワード2019 書籍部門最優秀賞
『組織開発の探究――理論に学び、実践に活かす』
中原 淳 (著), 中村 和彦 (著)

HRアワード2020 書籍部門最優秀賞
『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論』
宇田川 元一(著)

など過去2年の著書も、
ものすごく名作。

その他にも
優秀賞として受賞された本は、

著者の知見が凝縮されており、
新しい視点とスキルを
こんなにも教えてくれるのか!

と感動すら覚えてしまいます。

■至極当然の話ですが、

著書とは

”その人の知識と経験を凝縮させ、
結晶化させた宝石のごときもの”

です。

特に、人事関連の書籍については、
「私はこう思う」だけではなく

その道の第一人者であり
「理論を携えた研究者」
であることも多いです。

その「理論」に加えて
「実践」を混ぜつつ言葉にし、

一般の人にもわかるように
食べやすいようにラッピングされ、
まとめ上げられています。

ゆえに、これはもう
贅沢以外のなにものでもないな、

(とやや興奮気味に)
思っております。

■…と

前置きが長くなりましたが、
今回ご紹介させていただく

『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』

は、そんな

日本の人事部 HRアワード2021
書籍部門 最優秀賞

を受賞した作品です。

その評価には理由があり、

「こんなことまで
教えてくれるのか!」

とやはり感動させられました。

■その内容ですが、
以下のように紹介されています。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◯著書の紹介

課題解決のためのチームの話し合いにおいて
「良いアイデアが生まれない」「チームの一体感がない」と感じるとき、
それはチームで向き合っている「問い」がうまくデザインされていないからだ。

そもそも何を解決すべきなのか、
「本当に解くべき課題」を正しく設定できなければ、
根本的に解決の方向性がずれてしまい、
関係者に「創造的な対話」は生まれない。

本書は、企業の商品開発・組織変革・人材育成などの
複雑な課題解決の現場において、

問題の本質を見抜き、
解くべき課題を正しく設定し、
関係者を巻き込み、

課題解決のプロセスをデザインするための
思考法・スキルについて体系化。

人とチームのポテンシャルを引き出し、
組織や事業の創造性、イノベーションを促すための必読書。

※Amazon本の紹介より

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■ここでサラリと、

・問題の本質を見抜き、
解くべき課題を正しく設定し、

・関係者を巻き込み、

・課題解決のプロセスをデザインするための
思考法・スキルについて体系化

といっていますが、
これが凄いことだと思うわけです。

■というのも、

それらの思考法・スキルは
経験に依存する「暗黙知」だから。

私自身、企業に研修をさせて
頂く機会がありますが

そのときに悩むのがまさに

”「問い」の立て方”

です。

そして「問いの立て方」については
特に言語化された本もありませんでした。

(あるのかもしれませんが、
私は知りませんでした)

■例えば、

リーダーシップについて
研修の参加者に考えてもらいたいとき。

不通に

「リーダーシップって、
どんなものでしょうか?」

と問うたとして、

それは大人なので、
考えてはくれるものです。

しかし投げかけた「問い」によって
その思考の回転量も深さも、
まるで違ってくるのです。

投げられた問いが、

・自分事だと感じさせられるもので、

・程よい難易度、ひねりがあるもので、

・「考えたい!」という衝動が起こるもの

であれば

同じ30分のディスカッションでも
まるで密度が変わってきます。

■ではそのような

”衝動を沸き起こらせる「問い」”

をどのように立てればよいのか?

ここが実に難しい。

それが先述したように

やはり「暗黙知」であり、
多くの人が使える「形式知」には
されておらず

ゆえに、なんとなく
”研修っぽい問い”を投げている

という人事の方、
マネジャーの方などは
結構多くいるのであろう、、、

と思うわけです。

■それらの内容を、

そんな中、

「PART1:問いのデザインの全体像」

「PART2:課題のデザイン」

「PART3:プロセスのデザイン」

と大きく3つのステップにわけて、
非常に論理的かつ明快に切り分けて
教えてくれる良書です。

勝手な想像ですが、著者の方が、
東京大学の工学部のご出身ということもあり

論理性、信頼性、再現性に優れた
まとめられ方をしている、

と私は感じました。

…ということで、

・人材開発・組織開発に携わる方
・人とチームのポテンシャルを引き出したい方
・事業づくりに携わっている方

などで、まだ読まれていない方には
是非お勧めしたい一冊でございます。

※これまでの『問いのデザイン』を参考に
書かせていただいたメルマガでございます。
↓↓

「問い」の7つの基本性質
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4066226/

「新年の目標」を考えるための3つのポイント
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4067913/

問題を捉える5つの思考法
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4068323/

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<今週の一冊>

『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』

安斎 勇樹 (著), 塩瀬 隆之 (著)

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