アンラーニングの核となる4つのポイント(まとめ)
(本日のお話 2385字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は終日若手向けの研修の実施の
2日目でした。
その後は大学院の打ち合わせなど。
*
さて、本日のお話です。
先日よりお伝えしております
「アンラーニング」。
今日も引き続き、
松尾睦先生の著書『仕事のアンラーニング』より
学びを共有させていただければと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは
【アンラーニングの核となる4つのポイント(まとめ)】
それではどうぞ。
■大人は「自己模倣」をしがちです。
要は、”自分の得意技に逃げる”という状態。
経験を積んだ人であればあるほど
・業務の処理の仕方、営業の仕方
・IT機器の使い方、スケジュールの立て方
・部下指導の仕方、情報の集め方、、、
などなど
”自分で上手く言っていると
感じているやり方”
がある程度あるものです。
「自己模倣」とは、
そんな過去の自分のやり方を模倣して
行動をし続けることを意味します。
■しばしば研修で
「自分の勝ちパターンを
見つけましょう」
とその大切さを
語らせていただきますが、
一見矛盾するようでいて
上記の「自己模倣」の罠と
「自分の勝ちパターン」はより上位のレベルで
統合する必要がある、と感じています。
成熟していない考えだと、
たとえ周囲の役に立てていない、
あるいは効果的な成果が出ていないのに
「自分の勝ちパターンを使うんだ」
と自らの考えに
固執してしまうこともあります。
しかし
「勝ちパターンは勝ちパターンで自覚しつつ
今の自分をアップデートし続ける」
という、自分を認めつつ、
一部否定をして脱皮するという二重構造こそ、
自分が長期的に活躍し続けて、
必要とされる人材であり続けるために
とても重要なことなのであろう、
と思います。
■そして、
「自分の勝ちパターンを大事にしつつ、とらわれない」
「自己模倣を打ち砕く」
という考え方が、まさに
『アンラーニング(学びほぐし)』
の理論です。
自分が持つ効果的でない知識やスキルを棄却し
効果的な知識やスキルと入れ替える。
そんなアンラーニングについて
いくつかのポイントがある、と
これまでお伝えしてきました。
改めてですが、
「アンラーニングの核となる4つのポイント」を
以下、まとめとして記載いたします。
(ここから)
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【アンラーニングの核となる4つのポイント まとめ】
<1,きっかけを探す>
アンラーニングの多くは、
外的刺激によってもたらされます。
そしてどのようにもたらされるかと言うと、
・昇進・異動などの状況変化 70%
・上司を始めとする他者の行動 20%
・研修・読書 10%
という割合になりました。
新たな情報から、これまでの自分のやり方に、
矛盾や葛藤が生じたときに、
「今のやり方を変えねば・・・!」となり
アンラーニングが進んでいきます。
よって、研修でも他者行動でも、
環境変化でも、”きっかけを探す”ことが
重要になります。
<2,原動力を持つ>
アンラーニングを促すものは、
『学習志向』です。
すなわち、成長を重視する考え方、
新しい知識やスキルを獲得することを求める目標志向です。
学習志向がもたらすメリットを理解すること、
そして学習目標を立てることで、
アンラーニングを促進する原動力が生まれます。
<3,リフレクションをする>
アンラーニングは、
自分の中の当たり前となっている「型」や「スタイル」が
本当に正しいのだろうか?と問うことから始まります。
それを『批判的内省』(深い内省)と呼びます。
ただし、その批判的内省はなかなかに
難しいものでもあります。
では、どうすればよいか?
そのためには日々の業務を振り返るなどの
日頃の『内省』を行うことが、
『批判的内省』にも繋がることがわかりました。
よって、日記をつける、メモをする、
定期的に1on1などで軌跡を振り返る、等で
内省の習慣を着けることがアンラーニングを促します。
<4,『自己変革スキル』の手法を活用する>
アンラーニングを具体的に進めるために
『自己変革スキル』の活用が役に立ちます。
自己変革スキルとは、
・変革の準備:自分の中で変えることを見極める
・計画性:自分を変える計画を立てる
・資源の活用:他者からの支援を求める
・意図的行動:成長の機会を見逃さない
のことで、
これらの手法を活用することで
アンラーニングの阻害要因となっている
技術・スキルのなさ、心理的抵抗感、職場の理解不足に
対処できる可能性が高まると考えられます。
※参考:松尾睦(2021)『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』
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(ここまで)
繰り返しとなりますが、
アンラーニングの4つのポイントは、
・「きっかけ」
・「学習志向」
・「リフレクション」(内省→批判的内省)
・「自己変革スキル」
です。
■これらを抑えつつ
職場内でもアンラーニングを
適切に進めることができると
・「働きがい」を感じ
・「他者との信頼関係が構築」され
・「業績が向上」する
という企業にとっても
望ましい結果に繋がっていく、
となります。
■、、、と
アンラーニングについて
おまとめしてみました。
そして改めてみると
何だか当たり前の様な考えにも、
見えなくもありません。
しかしながら、
”研究と調査によって
改めて導き出された理論”
という観点であるというのが
今回の一番強調したいところです。
誰かが熱く語った一人称の語りでは、
多様な価値観・考え方のひとを
ときに動かせないこともあります。
しかし、今回ご紹介のような
研究された「知」のバックボーンがあることで、
より多くの人に、説得力を持って
その大切さを届けることができるようになると感じます。
■変わり続ける必要があると
皆、頭ではわかりつつも、
どこか抵抗感を感じているのが
大人達の本音なのかも知れません。
だからこそ、こうした
「アンラーニングの核となるポイント」
を理論も踏まえて抑えておくことが
改めて大事なのであろう、と思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
知識は、われわれが天に飛翔する翼である。
ウィリアム・シェイクスピア(イギリスの劇作家/1564-1616)
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