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『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』

今週の一冊『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』

2887号 2022年1月16日

(本日のお話 1789字/読了時間2分半)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、終日大学院の授業で
久しぶりの対面での開催。

仲間たちと会って話ができたことで
大変刺激をもらった時間でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』

松尾睦(著)


=========================

です。

これまでのメルマガでも、
この本からの学びを共有させて
いただいておりました。

あらためて本日は「今週の一冊」として
この本の魅力をご紹介したいと思います。

※これまでの関連バックナンバー
↓↓
『アンラーニング(学びほぐし)を進める、目標の持ち方・振り返り方』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4079594/

『アンラーニング(学習棄却)の全体像 ~きっかけ・阻害要因・結果としての影響~』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4078307/

『大人はアンラーニング(学習棄却)で変容する』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4069139/

■本の帯に

”キャリアに伸び悩むなら、成長し続けたいなら
「捨てる学習」(アンラーニング)が必要となる”

と書かれております。

まさに、この本のテーマは
ド直球に、

”アンラーニング”
(Un:否定、Learning学び)
(捨てる学習=学習棄却)

言葉を変えて伝えると

「学びほぐし」

でございます。

■そして、この本は
「アンラーニング」について、

この分野の第一人者である、
北海道大学大学院教授の松尾睦先生が、

豊富な理論と先行研究を元に書かれた
大変説得力のある一冊です。

ちなみに、この本の魅力は
「私はこう思います」という
一人の経験則ではないところです。

理論・研究を元にした、

・アンラーニングの理論
・統計的な調査
・アンラーニングの効果

加えて、実際にヒアリングした

・具体的な事例

そして最後に、
理論と研究を元にした

・導かれるアンラーニングを促進する方法

を網羅的にまとめている
ビジネス書と学術書の間の本であることです。

著者の松尾先生が
「読みやすい研究書」を目指した、
と冒頭に書かれていますが、まさに、です。

ビジネスパーソンにとっても
勉強中の大学院生にとっても実益のある本である、
と感じております。

■ちなみに「アンラーニング」は
(繰り返しになりますが)
人や組織にとって、最近注目されている
一つのテーマとされています。

ちょっとデフォルメして
あえて平易に表現すると、

”環境に適応できないベテラン社員がどう変わるか”

の解決の糸口になるのが、
「アンラーニング」であるからです。

■私も仕事柄、しばしば、

「昔のやり方」に固執して、
やり方を変えることができない方

に相当する人のお話を、
直接聞くことがあります。



例えば、少し前に、
ある営業会社の課長クラスの方10数人に、
社内でのコーチングの浸透の
お手伝いをさせていただく機会がありました。

目的は

「課長クラスが
部下に1on1を行う支援をする」

という内容。

すでにその会社で
実施されているコーチング研修が
浸透できているのかの確認、
ならびに個別のフォロー、

という支援内容でした。

■そのときに

その課長さんたちの話を聞きながら
2つのパターンがあると感じていました



まず1パターン目は、
リモートワークになった中で、

”今までのやり方を捨てて
新しいやり方にアップデートしている課長”

です。

まだ課長としての経験も長くなく、
若手の方が多い印象でした。

ZOOMや電話などを駆使して、
「1on1」をリモート環境下で実施し、
部下の成長支援を行っており

・対面で会って成長支援をする

・必要に応じてオンラインや
チャットなどで支援する

等、これまでのやり方に加えて、
別のやり方を身につけていました。

そして、そのような方は
「コーチング」という手法も
比較的取り入れていました。

すなわち「アンラーニングできている」層です。

■もう一方のパターンは、

”今までのやり方にこだわり
新しいやり方を試せない(試そうとしない)”

という方です。

傾向として、課長になって10数年とか、
20年以上、という方が多かった印象です。

その方からのコメントで多かったのが、
(習ったコーチング、やれていますか?
という問いに関して)

「やはり、表情や微妙なしぐさを見て、
どんな事を考えているのか読み解くのが大事。

それには直接会って話をしないと、
部下と深い話についてはできない」

「だから、1ヶ月に1度、
ランチなど挟みながら会えるときに
話しているからそれでよい」

「ゆえに、定期的なコーチングは
(指示されたような頻度では)やっていない」

というコメントが聞かれました。

そんな話を聴く中で、
もどかしさを感じるとともに、

「アンラーニング」

の必要性を感じていました。

■環境が変わっていく中で、

「昔は上手くいったやり方」
「固定化・固執化したやり方」

にこだわりすぎていると
成果を出すこともできなくなります。

それらのやり方を
手放すことを覚えなければ

”昔はヒーローだったが
今は鳴かず飛ばず”

という切ない状況に
ハマってしまうことがあるし、

だからこそ、この
「アンラーニング」という考えを、
働く我々が知っておくことは、

「社会人としての必須科目」

と言えるのではなかろうか、
とすら思ったのでした。

■、、、と、本の紹介から
話がそれてしまいましたが、

そんな大切な
「アンラーニング」について
詳細が書かれているのが(繰り返しになりますが)
こちらの本です。

以下目次項目について、

関連論文、統計データ、調査方法等
説明されているため、

この本だけではなく、
そこから派生して論文を読み進めることで、
「アンラーニング」と関連する知識を深く学べるかと思います。

以下、内容ご紹介です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

人や組織は、過去の成功経験に固執すると環境に適応できなくなる。
身につけた自分の型を問い直し、解体し、組み替える、
「捨てる学習」(アンラーニング)について事例を基に解説!

【目次】
第1部 アンラーニングの概観
第1章 アンラーニングとは何か
第2章 アンラーニングの全体像
第2部 アンラーニングをうながす個人要因
第3章 アンラーニングをうながす学習志向と内省
第4章 アンラーニングをうながす自己変革スキル
第3部 アンラーニングをうながす状況要因
第5章 上司行動とアンラーニング
第6章 昇進とアンラーニング
終章 仕事のアンラーニング・プロセス

※Amazon本のレビューより

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この本を読むだけでなく
関連する研究・論文を読み進めることで
数珠つなぎのように学びが深まりそうだな、

と感じております。

私もじっくり熱いお茶を飲むように
噛み締めつつ、掘り下げつつ
何度も読みたいと思います。

ご興味がある方は、ぜひ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』

松尾睦(著)

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