「論文メルマガ」と「自己省察メルマガ」の効果の比較(解除率を含めて)
(本日のお話 3056字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
さて、本日のお話です。
昨日で「ジョブ・クラフティング」についてのお話が
一区切りいたしました。
最近は、
・診断型組織開発
・アンラーニング
・ジョブ・クラフティング
と先行研究や理論系のメルマガについて
多く発信をさせていただいておりました。
、、、がそんな中で、
ふと思うことがありました。
それは、
”「論文まとめメルマガ」を書くことと、
「自己省察的メルマガ」を書くことで得られることの違い”
についてです。
ちょいとマニアックな気づきではありますが、
そこからの示唆としてもぜひお伝えしたいな、
と思うことがありましたので、
今日はそのお話についての学びを、
皆さまにご共有させていただければと思います。
それでは参りましょう。
タイトルは、
【「論文メルマガ」と「自己省察メルマガ」の効果の比較(解除率を含めて)】
それでは、どうぞ。
■私は現在、
立教大学大学院 経営学専攻
リーダーシップ開発コース(LDC)
https://ldc.rikkyo.ac.jp/
なるところで、
社会人大学院の1年生として
学びの機会を頂いております。
*
そして、先日1年生の後期が終わったのですが、
2年生になり、研究をすすめる上で
先生からこのようなお言葉を頂きました。
「自分が研究するテーマで
関連する論文を50本くらいは読むべし」
、、、とのこと。
ぶっちゃけ重たいです(汗)
■正直、論文なんて、
大学院に入るまでほぼ(というか全く)読んできていませんでした。
ゆえに、書かれている内容はもとより、
その独特の用語や情報が濃縮された一文一文は、
私にとって未だ大変重たく、消化に時間がかかります。
しかしながら、「論文」というのは、
触れてみると結構面白いのです。
その言葉通り”論”がしっかりしており、
わかっていることとわかっていないことを
明瞭に分けて伝えてくれていて、
一般の書籍では得られない知識の深さを
与えてくれていると感じております。
■そんな濃厚な論文を、
自分なりに解釈して皆さまに
「学びのおすそ分け」をさせていただくと、
学びが深まる感じがするのです。
ゆえに、最近もそんなふうに
お伝えさせていただいてきました。
例えば、バックナンバーでいうと、
『「ジョブ・クラフティング行動」を測定する尺度 ~4つの因子と21の質問~』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4094173/
などがそうです。
言ってしまえば、
”他者がまとめてくれた知識を
自分で再度まとめなおす”
ということで、
自分自身で言葉にしてみると、
不明瞭だったところが明確になり理解が深まるとともに、
外部記憶装置としてバックナンバーに記録されますので、
「学び」としては大変に有効です。
こういったものを
『論文まとめメルマガ』
とします。
■一方、こういった「論文まとめメルマガ」に対して、
日々の起こった経験を振り返り、気持ちや教訓を言語化する
『自己省察的メルマガ』
があります。
例えば、バックナンバーで言えば
『組織開発は「痛み」を伴うプロセスである ~合宿を振り返り思うこと~』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4072700/
などがそう。
■大体、私(紀藤)のメルマガは
そのパターンに分かれるのですが、
書いていて、
・それぞれのパターンのメルマガの特徴
・それぞれのパターンのメルマガを書く効果
・そして解除率(!)
に違いがある、と感じております。
■まず
「それぞれのパターンのメルマガの特徴」ですが
『論文まとめ系メルマガ』
の特徴は、
・論理的であるため、
誰かの感情を揺さぶることがない。
・基本、比較的有益と思われる「情報」を
お伝えしているため多少のメリットはある
・論理性>情緒性
となり、割と”人畜無害”のようです。
基本的にマイナスの要素はあまりないようす。
ゆえに、(ぶっちゃけですが)
「メルマガ解除となることは少ない」のです。
■一方、
『自己省察系メルマガ』
の場合。
こちらのメルマガの特徴は
・情緒的。個人的な体験を、自己開示するので
賛否両論ある。時に反発もある(かもしれない)
・基本、自分の体験であるため、メリットではない可能性もある
(そんなのしらんがな、と思われる可能性もあり)
・情緒性>論理性
となり、賛否両論が生まれやすく、
時にマイナスになることも多いようす。
ゆえに、ぶっちゃけ(&残念ながら)
「私はこう思います」という自己省察系メルマガは、
メルマガ解除に繋がることが多かったりします。
そして、今日のこのメルマガも、
分類分けとしては後者(!)になり、
ゆえに、若干ビクつきながら送ることになります。
(ぶっちゃけ慣れましたが、それでもちょっと切ない・・・)
■次に、
それぞれのメルマガを書く「効果効能」を考えてみると、
また違った感覚があります。
結論からすると、
『論文まとめ系メルマガ』
は、あくまでも
「本や研修からの学びのまとめ」であり、
まとめている側からすると、
「自分へのインパクトは”やや小さい”」
と感じます。
正直な話、一週間もすれば
書いたことは忘れてしまいます。
ただ、バックナンバーを開くと、
「ああ、そういえば書いたな」と思い出します。
良くも悪くも、そのレベルなのです。
メルマガに知識を書いたとて、
自分のものになったとは言えません。
■一方、
『自己省察的メルマガ』
は、
「自分の経験を言語化・タグ付けする」
のが主な目的・内容になります。
他者にとってはもしかすると通用せず、
違うんじゃないか、と反発を覚えられる可能性もありますが、
書いている側とすると
「自分へのインパクトは”大きい”」
と感じるのです。
ああ、あの経験はそういう意味だったのか!
と、その時の体験を言葉にできた、と感じると
自分の中の納得度もインパクトも大きい、と感じます。
■、、、と
私のメルマガを通じた
ちょっと(かなり)マニアックな学びの共有でしたが、
ここから思い出すお話と示唆があります。
それは、
『70:20:10の法則』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/4861/
と呼ばれる話です。
その内容は、
「効果的な人材育成」とは、
・「70%」は質の高い、困難な実務からの学び(=経験、体験から学ぶ)
・「20%」は他者(上司、同僚、メンターなど)との接触からの学び(=人から学ぶ)
・「10%」は本や研修からの学び
となるように設計することが重要とされる、
というお話。
■つまり、この話と
私の話を対応させて考えると、
”「経験からの学び」は
「本や研修からの学び」より大きい”
ということ。
メルマガを書くにしても、
「経験を言葉にするインパクト」のほうが
「本(論文)や研修を言葉にするインパクト」よりも、
自分にとっての効果・効能がある、
も言えるのでは、、、と思ったのです。
だから「やっぱり経験の振り返り」って
大事なんだよなあ、、、としみじみ思うのです。
■もちろん、本や論文等の
「知識で学んだことの言語化(アウトプット)」は
めちゃくちゃ大事です。
書いても忘れるくらいですから、
インプットのみだったら(少なくとも自分なら)
綺麗サッパリ忘れる自信があります。
でも、それと同様、否それ以上に
「経験で学んだことの言語化」は
自分にとって使い勝手の良い、
”結晶化された持論”になるわけであり、
有用性も高く、更に大事なのだろう、、、
と思います。
■日記・日誌・ブログ・メルマガ、、、
それが何であれ、
こういった学びを言語化することは大切です。
その中でも、経験のまとめ、知識のまとめ、
まとめるものの違いがあります。
経験のまとめは、自分しかわからず、もしかすると
他者に共感してもらえないこともあるかもしれない。
しかし、
「自分の成長」を考えるのであれば、
自分の言葉で自分の体験を言語化するという習慣を
大切にすることも重要なのだろうな、
と改めて思ったのでした。
ということで、
【「論文メルマガ」と「自己省察メルマガ」の効果の比較(解除率を含めて)】
という自己省察的メルマガを
ご紹介させていただいた次第。
長文、最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
学べば学ぶほど、
自分が何も知らなかったことに気づく。
気づけば気づくほど、また学びたくなる。
アルベルト・アインシュタイン
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