ポジティブさは「向日効果」を作り出す ~ポジティブ組織研究より~
(本日のお話 2217字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日の祝日は、
ポジティブ心理学についての読書と、
子供と公園へ散歩などでした。
*
さて、本日のお話です。
最近「ストレングス・ベースのコーチング」についての
書籍を読みふけっております。
『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations:
An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development (English Edition) 』
(著:ダグ・マッキー)
この本が非常に素晴らしく、
エビデンスベースで強みの活用を語ってくれています。
またこの本の内容は追って皆さまにも
ご紹介させていただければと思います。
*
ちなみに、ストレングス・ベースの考え方は
「ポジティブ心理学」から端を発するのですが、
そのミシガン大学の
「ポジティブ組織研究協会(Center for Positive Organizational Scholarship)」
のハンドブックの中で紹介されている
「ポジティブさがなぜ大切なのか?」
というお話が、
シンプルだけど大切なことだな、
と感じることがありました。
本日はそのお話について
皆さまにご共有させていただければと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは、
【ポジティブさは「向日効果」を作り出す ~ポジティブ組織研究より~】
それでは、どうぞ。
■「ポジティブ」であること。
明るい雰囲気がする人。
前向きな人、元気な人、
一緒にいて、気持ちが良い人。
こういった方が
その場にもたらす効果は
なんとなく感じられている方も、
少なくないのでは…と思います。
■同じ事象でも、
ポジティブなことに焦点を当てるのと
ネガティブなことに焦点を当てるのでは、
事象の解釈の仕方も変わってきます。
そして物事をどう解釈するかは
自分の感情にも影響があり、
それはひいては幸福度
(今風に言うとウェルビーイング)にも
影響を与えていく、とも思われます。
■そして、先述のミシガン大学の
「ポジティブ組織研究協会」
(Center for Positive Organizational Scholarship)
は、
・ポジティブ組織研究(POS)は幸福論に基づき、
人は人として最高の状態を目指しているという前提に立っている。
・組織の中での高潔さを研究するということは、
個人の他者への支援行動、強み、感謝(恩返し)、知恵、許し、希望、
勇気などに焦点を当てる
等々、
組織理論の中で、
これまで光が当てられてこなかった領域について、
焦点を当てようということで設立されました。
そこから、
・ポジティブ心理学
・ポジティブ組織研究(POS)
・ポジティブ組織行動(POB)
など領域が広がってきたそうです。
■「ポジティブって大事だよね」
とただ言っているだけだと
頭がお花畑なだけだよね、なんて
ツッコミが入るかも知れませんが、
”ポジティブさの研究”
においては
「対立、貧困、搾取、失業、戦争といった
ネガティブな現象に埋め込まれている
ポジティブなプロセス、成果、解釈に
焦点を当てようとしている」
ということは、
その価値を認識する上で、
大切なことなのでは、と感じます。
■ちなみに、この
「ポジティブさ」がもたらす効果として、
『向日効果』
なるものが紹介されていました。
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・ポジティブさに焦点を当てることで、「向日効果」が作り出される。
向日効果とは、全ての生物がポジティブなエネルギーに向かい、
ネガティブなエネルギーからは遠ざかる傾向があることを指している。
・ポジティブなエネルギーとは、普段太陽の光から感じられるものであるが、
人間間の親切さにおいても感じられる。
・人間も、ポジティブさに向かう自然な傾向があると考えることができる。
・幸せと安寧を生じるので、ポジティブさは尊いのである。
参考:『Positive Organizational Scholarship: Foundations of a New Discipline
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とのこと。
■確かに、これ、
自分にも当てはまるな、と感じます。
例えば、誰かと接する時に、
「いやいや自分なんて」
「大したことないんっすよ」
と謙遜するように言ったとします。
もちろん、人だから
そう思うこともあるでしょう。
実際に、私もあります。
(特に大学院に入り、
世界が広がってからは更にその傾向あり汗)
ただ、その
「ネガティブな部分に焦点を当てても、
周りにとって(そして自分にとっても)
あまり良い影響がない」
ことがある、と(私は)思うのです。
■この話で思い出すのが、
大学院のチームプロジェクトが
1年間に2回あったのですが、
その際に2回とも、周りのメンバーからの
”伸びしろ”のフィードバックとして
こんな言葉を頂きました。
「誰かのことを褒めている時に
自分なんて…みたいなオーラがするのが
やす(私のこと)はもったいないと思った」
「データ分析苦手です、というときに、
”そこまで自分のことを下げなくても”と思う
言い方をされていたと感じました」
などなど。
(ちなみに妻からも
「やすさん(私)は、人のことを褒める時に
常に比較している雰囲気を感じる」
とよくフィードバックを受けます汗)
つまり「自分」に対しても、
ネガティブな姿勢でいるとそれが伝わるし、
それは必ずしも望ましい影響を生まない、
と感じたというお話。
■、、、つまり、
「他者」に対してはもちろん、
「自分」に対しても、
ネガティブな部分ではなく、
ポジティブな部分にフォーカスした方が、
人間間においては人と人をつなぎ
幸せや安寧を生み出す「向日効果」を生み出す、
という意味で大事なんだろうな、
と思ったのでした。
■色々と抑圧、葛藤を感じたとて、
その中のポジティブな側面に
光を当てようとすること。
この姿勢は学習可能だと思いますし、
そうすることで得られることも
多いように感じます。
、、、ということで、
私も自分自身意識して、
ポジティブ研究の学びをより活用したいな、
と感じている次第です。
ポジティブさ、大事ですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
世の中に実に美しいものがたくさんあることを思うと、
自分は死ねなかった。だから君も、死ぬには美しすぎるものが
人生には多々ある、ということを発見するようにしなさい。
ヘルマン・ヘッセ(ドイツの文学者/1877-1962)
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