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2962号 2022年4月1日

「チーム開発」のための4ステップ ~ホーキンスの研究からの示唆~

(本日のお話 1919文字/読了時間2分半)

■おはようございます。紀藤です。

4月1日。新年度になりましたね。

18歳は、19歳も今年から成人とのことで、
環境の変化が多くあられる方も、
たくさんいらっしゃることかと思います。

今年も多くの変化がありそうですが、
楽しみながら走っていきたい、と思っております。



さて、本日のお話です。

先日よりお届けしております、

「組織におけるストレングス・ベースの
リーダーシップ・コーチング」

『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations
An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development』


について、本日もお届けしたいと思います。

本日の内容は

「第9章  ストレングス・ベースのアプローチによるチーム開発(前編)」

です。

チームに対して、強みにフォーカスをした
アプローチを用いるにはどのようにしたらよいのか、
その考え方やツールをご紹介しているこの章。

興味深いデータも揃っております。

早速みてまいりましょう!

タイトルは

【 「チーム開発」のための4ステップ ~ホーキンスの研究からの示唆~ 】

それでは、どうぞ。

■仕事によって違いはありますが、

皆さまの中でも、職場にて
チームとして働かれている方も
少なくないのではないかと思います。

そしてチーム開発の考え方も、
これまでたくさんの研究がなされてきたようです。

ちなみに、研究において
チームとチームのパフォーマンスに関する
130以上のモデルを調査したところ、

”チーム開発の3つの領域”

がある、とわかったそう。
(Salas,Cokke and Rosen,2008)

その3つとは、

1,ライフサイクル
(チームはどんな”ステージ”にいるか?どれくらい成熟しているか)

2,構成要素
(効果的に活動するための仕組み、”構造”は?)

3,リードのされ方
(リーダーシップはどのように発揮されているか?)

であるとのことです。

■ここで1つ1つ分解していくと、
非常に長いお話になってしまいますので(汗)
大まかに”チーム開発には3つの領域がある”と
ご理解いただければと思います。

要は、

・チームは、今どんな状態なのよ?(ライフサイクル、ステージ)

・チームが成果を出すために、どんな仕組みがあるの?(構成要素、構造)

・チームのリーダーシップはどんなふうに発揮されている?(1人orみんなで)

という3つの観点を理解していただくと、
チーム開発においてよい着眼点を持つことができそう、
とも言えるかと。

■そのチームの3つの領域の中で、
とくにリーダーシップ以外の部分の2つ、

チームの”ステージ”と”構造”の両方の観点を踏まえて、

「チーム開発のモデル」

をホーキンス(2011)という研究者ガ
作成をいたしました。

それが整理されていて、
うーん、わかりやすい!と思いましたので、
以下、ご紹介させていただければと思います。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【チーム開発のモデル】 (Hawkins,2011)

1)チームの「目的の明確化」

→誰がこのチームに依頼し、何を提供しなければならないのか
どんな提供価値をもたらすかを考える

2)成功のためのビジョンを形成する「目標」「役割」を明確にする

→まずは、”内部的”に明確にすること

3)チームの「カルチャーや人間関係のダイナミクス」に注意を払う

→カルチャーや人間関係がチームの目的をサポートするように工夫する

4)「外部から検証(フィードバック)を受ける」

→主要なステークホルダーを巻き込み、つながりを持つことで
実現に向けて順調に進んでいるという実感をさせる)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

■いかがでしょうか。

チーム開発の4つのステップ、とも言えそうな
このモデル。

1)チームの「目的」の明確化
2)さらに「目標」「役割」も明確化
3)チームの「カルチャーと人間関係」
4)外部から「フィードバック」を受ける

実にシンプルかつわかりやすいな、
と感じました。

■ただ見ているだけだと、

「ま、そうですよねー」

と流れていきそうですが、
これもまた、自チームに照らし合わせてみると
考えさせられると思うわけです。

何かのきっかけで
なんとなくチーム編成がされた。

一緒に歩いている。
コミュニケーションもとっている。

でも、なぜ何のために?という目的とか
それぞれの役割は?と考えると、
どんなカルチャーが望ましいのか?
など考えると、結構曖昧なことも多い、、、

そんなチームは
少なくないのではないか、

とも思うわけです。

■しかし、上記のような4つのステップを
1つのチェックポイントとして

自分たちの”チーム開発”について意識を払ってみると、
まだまだ成長の余地もある、と気付かれるかもしれません。



ホーキンスはこう言います。

”このモデルの中核にある考え方は、

「高い業績を上げているチームは
自分たちの成長に注意を払い、その有効性を高める機会を探している」
ということである”

、、、とのこと。

チームは形を持つだけではなく、
チームという生命体として成長をしていこう、という意志が
あるからこそ開発がされていく、

と述べていて、大切なことを
語ってくれているように思います。

■今日から新年度。

新しいチームとしてスタートした方も、
きっといらっしゃるのでは、と思います。

ぜひ上記の4つのステップで、
より良いチームづくりを考えてみると
得られることもあるかもしれませんね。

ご参考になれば幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

自分が自分自身に出会う、
彼女が彼女自身に出会う、
お互いが相手の中に自分自身を発見する。
それが運命的な出会いというものだ。

岡本太郎(芸術家/1911-1996)

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