高業績チームの「ポジティブな関わりの比率」から学ぶこと ~ロサダの研究より~
(本日のお話 2019文字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は3件のアポイント。
夕方からは16キロのランニングと、
その後、大学院の勉強会など。
*
さて、本日のお話です。
先日よりお届けしております、
「組織におけるストレングス・ベースの
リーダーシップ・コーチング」
『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations
An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development』
について、本日もお届けしたいと思います。
本日の内容は
「第9章 ストレングス・ベースのアプローチによるチーム開発(中編)」
です。
チームに対して、強みにフォーカスをした
アプローチを用いるにはどのようにしたらよいのか、
その考え方やツールをご紹介しているこの章。
興味深いデータも揃っております。
早速みてまいりましょう!
タイトルは
【高業績チームの「ポジティブな関わりの比率」から学ぶこと ~ロサダの研究より~】
それでは、どうぞ。
■「チーム」によって、
成果に大きな違いがある。
このことはスポーツの競技でも、
実際の職場内を見てみても、
どこそこに見受けられますね。
■チームを構成する要素は、
その代表的なものが
”メンバー”
であり、
そのメンバーが、
SSSクラスに最強の能力を持った
スター選手ばかりだとしたら、
当然チーム内容のリソースは
高まっていきます。
■、、、しかし、興味深いのは
「強い選手ばかり集めたチームが
必ずしも勝つわけではない」
ということ。
こういった事例は、
枚挙に暇がありません。
(野球とかサッカーとか
その他スポーツ競技でもよくありますよね)
■その理由は
「グループ・プロセス」
にあるといえます。
グループ・プロセスとは、例えば、
・コミュニケーション
・暗黙の前提
・雰囲気や文化
・関係性
、、、などなどです。
目に見えないけれど、
確かに存在している、アレです。
■では、
「グループ・プロセス」の観点から、
高業績のチームを見てみると、
どのような特徴があるのでしょうか?
このことについて、
興味深い実験があるのです。
大手情報処理企業の、
60のビジネスユニットに対して行われた研究です。
(Losada and Heaphy,2004)
そしてそのことから、
『高業績チームは、
ポジティブな関わりが多い』
などの特徴がわかったのでした。
以下、簡単に実験の詳細を
お伝えさせていただきます。
(ここから)
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<業績ごとのチームの「ポジティブ比率」の研究>
(Losada and Heaphy,2004)
○{目的}
・高業績チームは、どれくらい積極性比率が高いのか?
(つまりポジティブな関わりが多いか)を調査する
○{対象}
・大手情報処理企業の上級60ビジネスユニット
○{実験の方法}
・収益性、顧客評価、360°データなどの客観的な成果指標に基づいて、
業績・中業績・低業績に分けられた
・高業績チーム15チーム、中業績チーム26チーム、低業績チーム19チームが
「チーム内の会話の質」について評価された
・肯定的コメントor否定的コメント」どちらが多いか
「自分or外部」、どちらに話題が行くか、
会話のトーンは「質問的or擁護的か」という3つの観点で調査した
○{結果}
・高業績チームは、中業績・低業績のチームよりも
1)「自分 or 外部」の言及のバランス」が取れていた
2)「自己擁護 or 質問」の言及のバランスが取れていた
3)「ポジティブなコミュニケーション」がより多く見られた
ことがわかった、といいます。
※詳細の結果は以下の通り
*「自分-外部」比率について
高業績チーム 1:1 中業績チーム 3:2 低業績チーム30:1
*「自己擁護-質問」比率について
高業績チーム 1:1 中業績チーム 3:2 低業績チーム 20:1
*「ポジティブ-ネガティブ」比率について
高業績チーム 5:1 中業績チーム 2:1 低業績チーム 1:3
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(ここまで)
■さて、いかがでしょうか。
これ、実に興味深いなあ、
そしてなんだか明るい話だな、
とひとり、興奮してしまいました。
特に、
”「ポジティブ-ネガティブ」比率について
高業績チーム 5:1 中業績チーム 2:1 低業績チーム 1:3”
という部分などはそう。
■今回の調査において、
高業績のチームはポジ:ネガ=5:1
の割合であったというのは、
ついできないことに目が行ってしまい、
欠点追求、是正、否定型で
時に萎縮してしまうこともありうる状況に
新しい考え方(ポジティブな関わり)という、
一つの風を吹き込んでくれるようにも
思ったのです。
■どうしても人は
”できないこと”
に目が向いてしまうことはあるし、
人の弱さゆえか、時にマウントをとる
(相手を下げることで有意に立つ)
ということもありえます。
しかし、一つの調査データから
このような結果が見えると、
少し捉え方を変えることも
可能になるのでは、
と思ったのでした。
■ちなみに、もっと最近の研究では
「ポジ:ネガの比率=3:1」
が最も成果が高まる、と
言われております。
相手の強みを認める。
良いところを承認する。
そんなコミュニケーションを、もっと増やす。
そんなポジティブな視点に軸足を起きつつ、
チームを効果的にしようと思うことで、
更に成果を高めるチームに近づくことが
できるのかもしれませんね。
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
感謝しているのにそれを伝えないのは、
プレゼントを包んだのにそれを渡さないことと同じである。
ウィリアム・アーサー・ウォード(イギリスの哲学者/1921-1994)
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