若手社員のパーソナリティとは ~22名のインタビュー調査からわかったこと~
(本日のお話 2324文字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は大学院関連のインタビュー。
その他1件のアポイント。
また夜は、コーチング仲間との勉強会でした。
前向きに人生を動かしている方のお話は、
大変刺激になります。
私も楽しみつつ、頑張ろう、と思います!
*
さて、本日のお話です。
4月といえば、入社(入学)式。
新入社員が入社された会社も
たくさんいらっしゃることかと思います。
当事者からすれば、
新しい世界への旅立ちでもありますし、
受け入れる先輩から見ても、
リモートワークが常態化している中で、
どのように受け入れて、教育していくかということは、
一つ考えさせられるテーマなのかもしれません。
、、、ということで本日より
『活躍する若手社員をどう育てるか:研究データからみる職場学習の未来』
山内祐平(著、編集)(慶應義塾大学出版会)
という専門書を参考に
「活躍する若手の特徴」について
考えていきたいと思います。
読み終えましたが、
”研究”を軸にしており、
非常に学び多き書でございました。
それでは早速参りましょう!
タイトルは
【若手社員のパーソナリティとは ~22名のインタビュー調査からわかったこと~】
それでは、どうぞ。
■若手を表現するために、
様々な言葉が創出されます。
ちなみに、2022年度入社の
新入社員は
『新感覚の二刀流タイプ』
だそうです。
昨年2021年は、
「仲間が恋しいソロキャンプタイプ」である
とのことで、全体の傾向として興味深いな、
と感じます。
参考:https://www.e-sanro.net/freshers/?page_id=809
■言うまでもなく、
人は時代、環境の違いで考え方も
大きく違ってきますので、
何かの言葉を与えて、
若手を理解しようとする試みは、
役に立つもの。
そんな中で、上記で紹介の書籍より
『若手のパーソナリティの研究』
が紹介されており、
その内容が興味深いものでした。
■研究の目的としては、
”「若手社員のパーソナリティ」に着目することで
若手社員がどのような人物なのかを理解し、
若手社員がどのようなことにやる気を出し、
どのようなことに躓きやすいかを理解する”
ために行われました。
研究の方法としては
日本国内の大手民間企業6社の
若手社員本人・上司・人事担当合計22名に
インタビューを行い、その言葉から
”「若手社員のパーソナリティの特徴」
を抽出する”
ということを行った、とのこと。
*
つまり、若手に対して
「最近の若手は素直で真面目だ」とか
「ちょっと挑戦する意欲に欠けている」とか
「学ぼうとする意欲が高いよね」とか、
様々な言葉で若手の特徴を
本人も周りも語ることがあります。
その言葉をインタビューから抽出し
・若手社員を表す言葉には
どのような言葉があるのか、
・活躍する若手には
どのような特徴があるのか
を調べてみようではないか、
という研究でございます。
■ちなみに、「パーソナリティ」とは
”人格、個性、性格”
などと日本語では訳されて来ましたが、
”個人の傾向性を示す、
一貫して永続的な意味を持つ特性表現(青木,1971)”
という定義がされております。
時間が経っても簡単には変わらない、
その人の特性である、ということであり、
若手社員のそんなパーソナリティに
着目しよう、というのが面白い観点です。
■研究の方法と結果をお伝えすると、
1)インタビューの総文字数30万文字を記録。
2)そこからパーソナリティ特性表現を抽出し
合計249個が抽出した
3)それらをパーソナリティ既存尺度の中で
有名な「ビック5」を基準に分類した
というステップで研究を進めました。
結果、わかったことがありました。
■まず1つ目は、
”「ビッグ5」の既存尺度で、
若手のパーソナリティは概ね説明できることがわかった”
とのこと。
※ビック5とは・・・
・Extraversion:外向性
・Agreeableness:協調性
・Conscientiousness:誠実性
・Neuroticism:神経症的傾向
・Openness:開放性
そして次にわかったことは、
”ビック5に含まれない
若手社員独自の新規項目のまとまりが
12項目みつかった”
とのこと。
つまり、
「若手社員ならではの特性」
とも考えてもよいかもしれません。
それが、以下の12項目でした。
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<若手社員ならではの特性>
・他者への経験への開放性(他者から盗む、行き詰まったら聞く)
・自分の成長(成長したい)
・内省性(自分に不足しているものを感じる)
・自己犠牲(自分を犠牲にしすぎない)
・自尊心(変なプライドがない)
・役割を果たしたい(役割を果たす、会社に貢献したい)
・チャンスに敏感(チャンスを掴み取る)
・チーム性(みんなで頑張る、周囲を巻き込む)
・専門指向性(専門性を延ばしたい)
・事業が好きな(売上を上げるのが楽しい)
・仕事を楽しめる(楽しんで仕事できる)
・使命感(仕事への想いが強い、仕事に使命感がある)
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とのこと。
そしてこれらの言葉が、
若手社員を理解するための
キーワードになるのではないか、
とも思えます。
■なんとなく
「最近の若者は・・・」
とひとくくりにして語ると
それらを理解したような気に
なるのかもしれません。
しかし、より客観的に
今回の研究で見られたように
・インタビューを通じて分析する
・既存の尺度も活用しながら、
どのような言葉が特徴的なのかを調べる
ことによって得られることが
あるのではないか、と思います。
個々人の主観と言葉による
「レッテルばり」から
客観的なデータを通じた上での
「若手の特徴の言語化」をすることで
育成する上での
共通言語を得ることもできるかもしれませんし、
そのような観点から、
活躍できる若手と、そうではない人の
特徴を捉えることもできるかもしれません。
■、、、ということで、
ぜひご興味がある方は
本書を読んでみてくださいね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
師をしのがないとは、つまらぬ弟子だ。
レオナルド・ダ・ヴィンチ(イタリアの芸術家/1452-1519)
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