今週の一冊『チ。―地球の運動について―』
(本日のお話 1591文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は箱根の外輪山(通称:ガイリーン)にて
約50キロのトレイルランニング。
仲間に誘われて、気軽に参加してみましたが
完全になめておりました。
準備はとても大事だな、と思った土曜日でした。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は
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『チ。―地球の運動について―』
魚豊(著)
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です。
■来ました。
実にアツい。アツすぎる漫画です。
ちなみに、アツいといっても
ただの熱血系の話ではなく
人間の”知性”を感じる作品なのです。
ただ、”夢に燃えて突き進む”などではなく
「命に変えてでも
貫きたい信念があるか」
それを問われているように感じる作品。
そうした人たちの生き様を感じさせられるとともに、
今私たちが生きている世界も、
先人たちの「知」と「血」で
創り上げられてきた、、、
そんなことを想像させられました。
■ちなみに、この作品、
どんな話かというと、
15世紀のヨーロッパが舞台になっています。
当時、天動説が信じられており、
地動説は教会から異端思想とされていました。
また、異端思想の持ち主は、
拷問、火あぶりと処刑をされている時代。
容赦なく、痛々しい描写で登場人物が
拷問、処刑されていきます。。。
ただその中で、真理の片鱗に触れた
何人かの人々は、そのタイトル「チ。」にもあるように
地球の運動について(地)
人間の「知」を信じ、探究し、
そのために、自らの「血」を捧げ、
命をも投げ出すことをいとわない人々が
世代を超えて織りなす物語が描かれていきます。
■時代を超えて、人々の数奇な運命が交わる
綿密に構成された作品の構成は、
一部暴力的な描写と対比的に
非常に繊細で計算されていて、
純粋に感動させられます。
同時に、その作品の構成だけではなく、
登場人物それぞれのの
「命を変えても貫きたい思い」
に触れることで
自分自身の”生きる”とはなにか?
という信念を、
大げさなようですが、
少しだけ問われたようにも思いました。
■生き物として、
”これからも安心して
生きていきたい”
という根源的な欲求を理解しつつも、
本当にそれでよいのか?と
どこか自分の中からつぶやいている声、
それはきっと、人だからこそ持つ、
探究心、好奇心、勇気、などが
内側から声を上げるからなのだと思います。
そういった意味でも、
「自分の信念を貫き
生きるとはどういうことか?」
を考えさせられる気もしましたし、
「自分たちは先人が築いた
歴史の上に歩んでいる」
という人類が始まって
バトンが渡されて続けてきた歴史にも、
改めて気付かされるように思いました。
■そんなことを考えさせられる、
実に素晴らしい作品です。
奥行きがあり、色々なメッセージが含まれているので、
きっと読んだ方にとって、それぞれ必要なテーマを
考えさせられるようにも思います。
、、、ということで
以下、本のご紹介です。
(ここから)
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動かせ 歴史を 心を 運命を ――星を。
舞台は15世紀のヨーロッパ。
異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。
主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、
当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。
合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、
合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。
しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、
異端思想ド真ン中の「ある真理」だった――
命を捨てても曲げられない信念があるか?
世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか?
アツい人間を描かせたら敵ナシの『ひゃくえむ。』
魚豊が描く、歴史上最もアツい人々の物語!!
ページを捲るたび血が沸き立つのを感じるはず。
面白い漫画を読む喜びに打ち震えろ!!
※Amazon本の紹介より
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(ここまで)
そして読み返すと、
また新たな発見があります。
ご興味がある方は読んでみてください。
損はしない一冊かと。
大変、お勧めでございます。
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<今週の一冊>
『チ。―地球の運動について―』
魚豊(著)
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