指導者の心得
(今日のお話 1752文字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、お休みを頂いて、
おばあさん(98歳)のお見舞いに山口へ日帰りの旅。
心と体の健康って大事。
しみじみ思う次第です。
■本日のお話です。
「奇跡のレッスン」というNHKのある番組から。
テニスのトッププロを多数育ててきた、
スペイン人の超一流コーチが語る、
「子供の可能性を伸ばすコツ」について、
共有したいと思います。
■番組では、ある横浜の、
ジュニアのテニスクラブが舞台です。
普段から、
「常に全力でやれ!」
「主体性が足りない」
と叫ぶちょっと厳しめのコーチと、
8~12歳の子供たちが主人公。
そこへ、1週間の特別レッスンとして、
ダビットというスペイン人のコーチが招かれます。
彼のレッスンは非常に個性的でした。
「楽しくなければ意味がない」
「終わりが楽しれば全て良し」
「子供の背中を押す」
今まで、厳しく指導することで、
忍耐力を付けるように育てられてきた方法とは、
全く異なるものでした。
■その中で、コーチと生徒の間の、
印象的なやりとりがありました。
こんなものやりとりです。
(コーチ)
「この試合、君の目標と戦略は何だい?」
「ポイントをとるための、君のこだわりは何か?」
「もし、もう一度のこのゲームをするとしたら、
何に気を付けたいと思うかい?」
そして子供たちも答えます。
(生徒)
「メンタルにムラがあるから、
平常心を保ってプレイをしたい」
「リスクを恐れずに、攻めたいと思います」
「ミスに気を付けた上で、余裕が出たときに、
チャンスボールを狙いにいきたい」
ちなみに、
ですが、この答えをしている生徒、というのは
8歳~12歳です。
一般には、
「まだまだ”教えてやらなきゃ”いけない」
と思われている小さな子供。
だから、
「ああしなさい、こうしなさい」
という指示・管理の下、やらせることが普通だった。
しかし、コーチはこう言います。
『子供は、自分で目標を持って、自分で考えて行動できる。
だから、あれやれ、これやれではなく、
一人のテニスプレーヤーとして接することが大切だと思っている』
と。
そして、レッスンが進むにしたがって、
子供たちは目標を語り、
最終日にはコーチが来る前に、
自主的に練習をする姿が見られるようになりました。
・・・
■このドキュメンタリーを見て
子供達の可能性と成長に、
深く感銘を受けたのもそうですが、
それ以上に印象に残ったシーンがありました。
それは、このスクールの、
普段から教えているコーチが言った言葉。
『私自身が「楽しんでレッスンをする」ということを
もっと学ばなければいけないかもしれない・・・』
直接言っていたわけではないですが、
そこには、「指導者としてのあり方」を自らに問う、
そんな様子を感じたのです。
子供は白いキャンパスようだ、と言われることがあります。
だから関わる大人によって、どちらにも転びます。
結果ばかり常に問うコーチであれば、
プロセスよりも結果を気にする子供になるし、
逆に、
結果以上に、
「試合を楽しめたか」「決めた目標はできたか」
を問うコーチであれば、プロセスを大切にする子供になる。
また、
「子供は自主性がないから」
といって逐一監視、指示をしていれば、
子供は指示を待つ傾向になるし、
逆に、
「自分で目標を決め、行動できる」
と子供を一人のプレーヤーとして認め、任せれば、
自立し、歩める存在になっていく。
そして、この一連の話を見て、
<指導する側のあり方の大切さ>
を深く考えさせられたのです。
■そして、このことは、
テニスだけでなく、家庭やビジネスでも
同じことが言えるのかもしれません。
雛鳥が親鳥を見て育つように、
「下」は「上」を見て育つ。
そして、放つメッセージによって、
「自分が一人で決めていける」と思うこともあれば、
「指示をしてもらわないとできない」と思うようになるのも、
”上次第”
ではないか、そのようにも思ったのです。
もちろん、指示・管理が大切な時期もあることは前提。
ですが、教える側が、生徒(新人、子供など)に対して、
【信頼し、”一人の自立した存在”として接しているか】
どうかは、
「本人の主体性」を育み、人を育てる上で、
とても大事なことではないか、
と思った次第です。
本日は、「指導者側の心得」についてのお話でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。