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3085号 2022年8月2日

研究でわかった!「幸せが続く12の行動習慣」

(本日のお話 2525字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は8件の個別コーチング。
また夜からは論文を読もうとチャレンジし、
すぐに力尽きました、、、(汗)



さて、本日のお話です。

現在、コーチングについて学んでいると、
様々な理論がつながってきて面白いなあ、
と感じる今日このごろ。

その中で、

『コーチング心理学概論』
(西垣悦代・堀正・原口佳典/編著)


という本と出会ったのですが、

コーチングのことが
学術的に網羅的にまとめられており、
学びになり、理論として説得力を得られる本です。

(コーチの方など、コーチングを生業にしている方には
ぜひお勧めの一冊です)

その中で、

「第9章 医療におけるコーチングの応用」

というお話が紹介されており、

その活用方法が、医療だけでなく
「私たちの幸福度」を高めるためにも役に立つ考え方だな、

と思うものでした。

、、、ということで、

本日はそのお話について
皆さまにご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【研究でわかった!「幸せが続く12の行動習慣」】

それではどうぞ。

■コーチングと医療。

この組み合わせは、かつて
あまり注目されてこなかったようです。

、、、というのも、医療というと”病い”。
つまり、ネガティブな出来事を対象にします。

一方コーチングは、こう定義されます。
オーストラリア心理学会いわく

「コーチング心理学は、
ポジティブ心理学の応用分野であり
確立した心理学研究法に基づき、それを発展させたもの」
(Palmer&Whybow,2011)

とのこと。

コーチング=”ポジティブ心理学の応用分野”。

ゆえに文脈の違いから、
コーチングの医療へ活用は
あまり重要視されてきませんでした。

■しかし、近年になってから、

このポジティブ心理学の
医療への応用の動きが注目されはじめたそうです。

例えば、

・患者満足度を高める取り組みとして
(医師との対話が実は極めて重要)

・医療スタッフに対するコーチング
(離職、燃え尽き、過重労働などへの取り組みとして)

・患者に対する医療の一環として

様々な研究が進み始めたそうです。

■その中で、色々な手法が活用されるようになりました。

たとえば

◯認知行動コーチング
(=ものの捉え方を変えて、新しい感情・思考・行動を想起してもらう)

◯ナラティブ・コーチング
(=患者にとって新しい物語を創作する)

◯ソリューション・フォーカスト・コーチング
(=原因の追求をせずに解決を構築していくセラピー)

などなど。

一言でコーチング、といっても
クライアントの状況や、目指したい結果ごとに、
様々な手法が研究されてきています。

■さて、

医療においては「病いを治療する」
という目先の目標がありますが、

病を治療すればそれで終了なのか、といえば
少し疑問も残るかもしれない。

それが、ポジティブ心理学の視点が
投げかけているテーマである

「幸せ」

というキーワードです。


治療することはもちろん大事。

ただ、最後にクライアント(患者)を
どこに導いていきたいか、と考えたときに、
その成果変数を「幸せ」とおいたらどうか。

そんな問いから、ポジティブ心理学の
医療への活用が考えられ始めています。

■そんな中、『幸せ』について、
非常に興味深い研究があります。

リュボミアスキーは、
幸せに関わる要因を科学的アプローチにより実証的に研究し、
感謝の気持ちを表す、人を許す、楽観的になる等、

『幸せがずっと続く12の行動習慣』
(Lyuborirsky,2007)

を実証研究により明らかにしました。
以下がその12項目となります。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<幸せがずっと続く12の行動習慣と各手法>

1,感謝の気持を表す
2,楽観的になる
3,考えすぎない、他人と比較しない
4,親切にする
5,人間関係を育てる
6,ストレスや悩みへの対抗策を寝る
7,人を許す
8,熱中できる活動を増やす
9,人生の喜びを深く味わう
10,目標達成に全力を尽くす
11,内面的なものを大事にする
12,身体を大切にする瞑想と運動

(Lyuborirsky,2007)
(西垣悦代,2015『コーチング心理学概論』.ナカニシヤ出版 P202)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

■さて、ご覧になられていかがでしょうか。

、、、私はこれをみて
とても納得してしまいました。

おそらく、人によっても
1~12の項目の中で優先度、
あるいは課題も違ってくるとも思います。

ただ、私は自分を振り返ってみて

「12、身体を大切にする瞑想と運動」

を実行していると、

だいたいスッキリして気持ちがリセットできる、
そして幸せだなあ、と単純に思ったりします。

すなわち幸福度の及第点は獲得できる、
手っ取り早い行動習慣が「運動」です。



一方、「これができれば更に幸せ!」なのは

「10、目標達成に全力を尽くす」

です。

先送りにせず、今やろうと思っていること
やるべきことに全身全霊で取り組む。

これができていると、自分で自分が好きになれる。
「幸せ」のためにとても大事なことだな、と感じます。

■きっと、皆さまにおいても
上記に関わる12の行動習慣の中で、

・出来ていること
・出来ていないこと
・特に大事にしたいこと

などあるのでは、と思います。

そして、
上記を達成するために支援となる手法が、
上記でご紹介したコーチング手法であり

それぞれ、
「幸せがずっと続く12の行動習慣」の
以下の項目に影響を与える、と書籍で提唱しています。

(以下、それぞれ行動習慣と手法を紐づけます)

**

◯認知行動コーチング
(ものの捉え方を変えて、新しい感情・思考・行動を想起してもらう)
↓↓
<影響を与える項目>
3,考えすぎない、他人と比較しない
7,人を許す

◯ナラティブ・コーチング
(患者にとって新しい物語を創作する)
↓↓
<影響を与える項目>
1,感謝の気持を表す
2,楽観的になる
4,親切にする
7,人を許す
9,人生の喜びを深く味わう
11,内面的なものを大事にする
12,身体を大切にする瞑想と運動

◯ソリューション・フォーカスト・コーチング
(原因の追求をせずに解決を構築していくセラピー)
↓↓
<影響を与える項目>
5,人間関係を育てる
8,熱中できる活動を増やす
10,目標達成に全力を尽くす

**

とのこと。

■ここでは各手法の細かい説明は
割愛させていただきますが、

それぞれの幸せになる行動習慣に
影響を与えうる手法が提案されているのも
心強い先人の知恵です。

■最後に、これらの話をまとめていて
こんな格言を思い出しました。

『幸福な家庭はどれも似たものだが、
不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである』
(トルストイ)

非常に深みのある名言ですが、

私の稚拙な解釈からすると、
捉えようによっては、

「不幸せの要素」は、実に様々。
それを定義するのは難しい。

一方

「幸せの要素」というのは、
似ているもの、とトルスロイがいうように、
研究結果のように、ある程度絞り込むことができるもの
(不幸せと比べて)

とも考えられるかもしれません。

■。。。とすると、
「幸せ」の各要素を見て、

自分の目指す状態、現在の状態
それらの差異を省みてみることで、

より幸福度が高い状態を目指すための
指標にもなりうるのだろう、

そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

自分をごまかして妥協するのは簡単だ。
でも成功したかったら、人より少しだけ厳しくなければ、
少しだけ余分に努力しなければ駄目だ。

トニー・グヴィン

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