ライフ・キャリア・レインボーとは何か ー役割×時間軸でキャリアを考えるー
(本日のお話 2754字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は3件のアポイント。
また研修プログラムの準備など。
*
さて、本日のお話です。
今日は「キャリア」についてのお話を引き続き。
有名なキャリア発達理論で
『ライフ・キャリア・レインボー』
という考え方がありますが、
このお話を紹介させていただきつつ、
学びと気づきをご共有させていただければと思います。
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは
【ライフ・キャリア・レインボーとは何か ー役割×時間軸でキャリアを考えるー】
それでは、どうぞ。
■何事にも「基礎」のごとき、
考えがあります。
そして、その基礎を土台として
様々な考え方や研究が広がっています。
ボクシングで言えば、
ジャブ、ストレートが基本で
そこからフックやアッパーや
コンビネーションが生まれた、
みたいなイメージです。
(あっているかわかりませんが
おそらくそんな感じかと・・・)
■そして、
「キャリア」についても同じです。
キャリア発達の考え方を発展させて、
打ち立てた色々な人がおり、
その中でも特に有名な
”建国の父”的な人も存在しています。
その一人が、スーパー(1910-1994)です。
スーパーは
”キャリア発達は、
自己概念を実現するプロセス”
と考えました。
つまり、キャリアとは
・自分で思う自分(=主観的自己)
・他の人から見える自分(=客観的自己)
を自らの中で統合して、
それが人により肯定的なものであれ
否定的なものであれ、
”自分はこんな人である(=自己概念)”
という考えを形作っていく道のりが、
キャリアである、、、
と話かと思います。
(私の解釈が入っております)
■そして、その
「キャリア発達の道のり」も
誰もが通る5つのステップがある
と考えました。
それが「職業的発達理論」と呼ばれ、
キャリアを『時間軸(ライフステージ)』で捉えたものになります。
以下の内容となります。
(ここから)
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「職業的発達理論(1974)」Super,D&E
1、成長段階(児童期~青年前期)
:自分がどういう人間であるかということを知る。
働くことの意味についての理解を深める
2,探索段階(青年前期~成人前期)
:職業についての希望を形作り、実践していく。
3,確立段階(成人前期~40歳代中期)
:30歳頃まで/職業への方向づけを確定し、その職業に就く
40歳代中期まで/経験を積み、その地位を確立する
4,維持段階(40代中期~退職まで)
:達成した地位やその有利性を保持する
5,下降段階(65歳以上)
:諸活動の減退と退職。
※参考:木村周(2018))『キャリアコンサルティング理論と実際』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
もちろん、様々な動きがあり、
60歳になっても探索を続ける人もいますし、
そういったことが健康寿命も伸びた
現在のキャリアの考えにもなっているかと思います。
ゆえに、上記はあくまでも
「時間軸(ライフステージ)」の大きな流れ
として考えるとよいのでしょう。
■また、スーパーは
「時間軸(ライフステージ)」だけではなく、
『役割(ライフロール)』
という視点でも捉えました。
役割とは以下のようなものとなります。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◯子供:
親に育てられている。面倒を見てもらっている。
あるいは子供として親の面倒を見ている。
◯学生:
学校に通って学習をしている。
義務教育やそれに続く専門教育、高等教育も含む。
学校だけでなく、技術やスキル、語学力を獲得するために教育/研修施設に通ったり、
通信教育を受けるというのも含める。
◯余暇人:
自分の興味や関心を満たす時間、期間。
一人で趣味やレジャーを楽しんだり、サークルやバンドなどで
仲間と過ごしたりしている。
◯市民:
地域や社会から要請されている役割を担っている。
周りから割り当てられることもあるだろうし、
自発的に地域活動や社会活動などに参加するものも含む。
◯労働者:
会社などで仕事をする。
あるいは仕事を得るための活動をしている。
◯家庭人:
配偶者とともに、あるいは単身で家庭を築き、それを維持する活動。
親として子供を育てること。住居を維持することも含む。
※上記以外にも、その他のさまざまな役割を
スーパーは改変、提示しましたが上記が代表的なものになります
※引用:小野田博之(2015)『自分のキャリアを自分で考えるためのワークブック』.日本能率協会マネジメントセンター
P48
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(ここまで)
■そして、上記の
『時間軸』×『役割』の2つの次元を捉えて、
それを視覚的に表したものが
【ライフ・キャリア・レインボー】
というものになります。
ここではメルマガなので
ご提示することはできませんが、
調べていただくと画像が出てくるかと思います。
スーパーいわく、
・変化のたびに、成長→探索→確立→維持→下降の
小さなサイクル(ミニサイクル)が発生する
・大きな生涯の一連のライフステージ(マキシサイクル)と合わさって
らせん状にキャリアが発達していく
・それぞれの段階における役割を果たし、
満足できる場合はそれでよいが、そうでない場合は、
バランスや役割を見直すとよい
と言っています。
■こうした
「時間軸」×「役割」
で現在、あるいは
今後の事を考えてみると、
確かに、自分が今集中していること、
あるいは今後集中しそうなことを
見通すきっかけになるなあ、
とユーザーとして感じました。
■一方、時代が変わるにつれて
これまでの一般的な「時間軸」に対応する「役割」も
少しずつ変わってきているのでしょう。
これまでの
”40歳くらいまでに頑張って
ぐぐっと今の地位を確立する、
その後は維持する”
というのは比較的
一般的だったかと思います。
しかしながら健康寿命が伸びると、
自分の時間をどう使うのかというのもそうですし
(余暇人だけだと手に余る、という考えもあります)
90歳、100歳まで生きたときの
生計をどうするかというのもあります。
(労働者をもう少し長くする必要がある)
ゆえに、
「40歳中期頃までに確立して維持」
というだけではなく、
・これまで積み上げたものを原資にしつつ、
少し観点を替えて取り組んだり、
(例:管理職経験を元に、社内の教育者になる)
・あるいは自分の関心があった
全く別のことを学んでその道について新たに確立する
(例:趣味のカメラを展開して、仕事にする)
という人もいたりしますし、
実際に見聞きしたりもしますし、
今後もそういったケースが
ますます増えてくるのだろう、
とも感じます。
■いずれにせよ、
キャリア発達のこの基礎的な考え方
「時間軸」×「役割」
とは、自分のキャリアを考える
非常によい2つの次元だなあ、
と改めて考えさせれると思い、
ご共有させていただいた次第です。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
物事を始めるチャンスを、私は逃さない。
たとえマスタードの種のように小さな始まりでも、
芽を出し、根を張ることがいくらでもある。
フローレンス・ナイチンゲール(イギリスの看護教育学者)
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