今週の一冊『燃える闘魂』
(本日のお話 2451字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は終日研修の実施。
また11キロのランニングでした。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は
========================
『燃える闘魂』
稲盛和夫(著)
========================
です。
■先日、お亡くなられになられた、
日本を代表する経営者である稲盛和夫氏。
そのニュースが流れたときの
多くの方のコメントから、
実に多くのものを残されたのだな、
と、私は感じておりました。
残されたものは
事業だけではなく哲学。
それが日本の人々
そして世界にも影響を与えたと
思っております。
■そんな稲盛氏が
2013年に書き下ろされた著書が、
この『燃える闘魂』です。
著書の中では、
「負けてたまるか」
「何がなんでもやり抜く」
という”熱意”について
中心に据えて語られています。
稲盛氏が語られた経営哲学で
以下の12か条が語られていますが、
その中の8番目の項目が「燃える闘魂」です。
(※以下、参考)
<稲盛経営12か条>
1. 事業の目的、意義を明確にする
2. 具体的な目標を立てる
3. 強烈な願望を心に抱く
4. 誰にも負けない努力をする
5. 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
6. 値決めは経営
7. 経営は強い意志で決まる
8. 燃える闘魂
9. 勇気をもって事に当たる
10. 常に創造的な仕事をする
11. 思いやりの心で誠実に
12. 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
■稲盛氏は一貫して
「心の在りようの違い」が
結果を変える、と語ります。
別の著書『生き方』で、
”人生・仕事の結果=「考え方 ✕ 熱意 ✕ 能力」”
と稲盛氏は語りました。
※参考バックナンバー↓↓
今週の一冊『生き方』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/10729/
この本でのポイントは、
考え方は、プラスとマイナスがあり、
プラスに使えば自分にも周りにも良い結果をもたらすが、
それがマイナスの方向(詐欺とか)に使うと、
熱意と能力があっても、望ましい結果にはならない、
というところが
強調されているように感じましたが、
今回ご紹介している『燃える闘魂』では
その字の雰囲気からもわかる通り、
”「熱意」がいかに重要か”
を触れています。
曰く
”燃える闘魂経営には
いかなる格闘技にもまさる
激しい闘争心が必要”
と強い言葉で語られています。
■その背景として
・稲盛氏の生きてこられた背景、
・日本の未来に対しての愛情と期待
があるように私は感じました。
元々優しい「和」の心と、
高い品質を生み出す「ものづくり」の技術を持つ日本人が
欧米の近代文明が迫る中、
日本の自主自立の必要性が問われる中
明治維新を迎えて欧米の文化を取り入れ、
アジアの小国であった日本が
1905年、日露戦争でロシアに対して勝利を納めた
上昇の40年間。
そして、そこから富国強兵の道の中、
覇道を追い求め、1945年に敗戦を迎えた
下降の40年間。
*
そして、敗戦後、
日本全体で立ち上がり、
製造業を中心に奇跡の復活をとげ、
GDP世界2位に躍り出た
上昇の40年間。
その後、プラザ合意から
円高方向へ変動し、バブル崩壊にいたり、
そして「失われた20年間」として
経済成長がないまま過ぎた
下降の40年間。
■そのように近代日本は
「80年の周期」で
上昇と下降を繰り返しているのでは、
と稲盛氏は述べ、
そしてプラザ合意から40年後が
「2025年」にあたる、
そのときのために、
残したい心意気を問うているように思いました。
■もちろん、
今の時代は、戦後とは違い、
多くの人が豊かになりました。
「燃える闘魂」といっても、
残業が少ない方がいい、
仕事とプライベートを完全にわけたい
という考え方とは、
そぐわない面もあるのかもしれません。
、、、しかし、
人が自分自身の可能性を追求し、
その先に大事にしたいことを見つけ、
その大小がありこそすれ
自分が残したいことに焦点を当たられたとき、
そこには「圧倒的な熱意」が存在しており、
全身全霊で戦う姿があるのだと思います。
■もちろん、
「熱意が大事」
という言葉のみで、
そこに対する報酬、
未来の可能性がなくして、
ただただ働きまくる、というのでは
相手を操作しようとする言葉と
受け取られる危険性もあるかと思います。
実際に、戦後の
当時の日本社会ががんばれたのも、
その空気感ももちろんあったと思いますが、
”会社の成長が自分たちの
報酬に返ってくるという確信”
という合理的な心理、
労働に対する公正感があったからこそ
身を粉にして働くことができた、
という側面もあったと思われます。
■こうした仕組みの話も
もちろん同時に考える必要があります。
これからの日本の未来を考える上でも、
まだまだ出来ることはあるのだろう、
と思います。
贅沢をしたいとか楽して利益を高めたいという
「足るを知る」を忘れた資本主義の暴走ではなく、
人として正しい心を持ちつつ
あるいは過去の遺産だけではなく
未来に対して明るく思えたとしたら、
それは誇れることなのだろう、とも思います。
■本物の経営者であるがゆえに、読んでいて
「はい、まだまだです。スミマセン」
という気持ちになってしまうところも
正直ありましたが、
自分の中で本当は納得していないのに
全身全霊で目標に取り組むことへの躊躇、失敗への恐れから、
「まあ、こんなものでしょ」と言い聞かせようとするのは、
どこか寂しい気もします。
あらためて、
「熱意を持ってやり遂げようとする」
という姿勢の大切さを
考えさせられる一冊でございました。
以下、本書よりご紹介です。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本人よ
格闘技にもまさる
激しい闘争心で
ライバルに挑め。
「負けてたまるか」──。
日本には激しい闘争心が必要だ。
日航再建の真実、そして日本再生シナリオとは。
ミリオンセラー『生き方』の著者、待望の書き下ろし新刊!
<目次>
第1章 日本の盛衰
第2章 「燃える闘魂」の経営
第3章 世のため人のため
第4章 徳をもってあたる
第5章 心を変える―日本航空の再建
第6章 日本再生
※Amazon本のレビューより
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
==========================
<今週の一冊>
『燃える闘魂』
稲盛和夫(著)
==========================