「1on1」にも型がある?! ー共感型1on1と指導型1on1ー
(本日のお話 2234字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件の打ち合わせ。
また1件のコーチングの実施でした。
*
さて、本日のお話です。
昨日は「1on1ミーティング」について、
その定義や目的などをご紹介させていただきました。
1on1はまだまだ新しい考え方で、
論文はあまり見つかっていないのですが
その中で以下の論文で
「1on1」といくつかのパターンについて、
言葉にされていました。
その分け方わかりやすいな、と思いましたので、
本日はそのお話について、
皆様に学びをご共有させていただければと思います。
それでは参りましょう!
タイトルは
【「1on1」にも型がある?! ー共感型1on1と指導型1on1ー】
それでは、どうぞ。
■1on1ミーティング。
その「定義」は、
”定期的に上司と部下との間で行う1対1の対話のこと”
とされており、
導入される大きな「目的」としては、
”人材育成を効果的に行うこと”
とある書籍では表現されていました。
よりその目的を細かく見ると、
こんな風に表現される書籍もありました。
1,部下との「信頼関係を構築」する
2,部下の「経験学習を促進」する
3,「ホウレンソウの機会」とする
4,「フィードバック」とそこからの学びを得る
5,部下の「モチベーション」を高める
6, 意志決定に必要な「組織の情報を得る」
、、、とのこと。
実に、色々な目的があるのですね。
■確かに、
上司と部下の対話には
広範囲の意味や目的が含まれるのは、
言うまでもなさそうです。
ただ、基本は
共通の目標に向かっての
業務的なやりとりが中心になるので、
業務ミーティング、週次の定例報告会、
トラブルや問題があった際の相談などが
最も多い内容になるかと思われます。
■ただ、そこには
「成長」「学習の支援」を目的にした内容は
中心的なテーマではありません。
かつては飲み会等の席でお酒を肴に、
「ぶっちゃけどう?」とか
「これからどうしたいとかある?」という
忙しい今から離れて、
話題の時間軸を
過去や未来に変えて語り合ってみたり、
テーブルの下にある普段は語られていない本音を
聞くこともできましたが
基本、残業もNGになってきているし、
ハラスメントなどで突っ込みづらいし、
何より今忙しいし、、、ということで
”わざわざ成長や学習等について話す”
という機会はなかなか訪れてくれません。
■そうして意味で、
「1on1ミーティング」は、そうした、
”確かに重要なのだけど、
緊急ではない様々なこと”
(部下の成長、学習、モチベーション等)
をカバーするための施策であり、
それを大事にしたいという宣言でもある、
とも思います。
■さて、そんな「1on1ミーティング」。
”様々な目的がある”
ということで、
・信頼構築
・モチベーションアップや
・組織の情報を得たり、
・フィードバックを伝える
などなどジュークボックスのように
色々な目的が包含されていますが、
その目的に応じた「1on1の型」を
ある論文で取り上げていました。
一つの切り分け方としてわかりやすいな、
と思いましたので、以下ご紹介させていただきます。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【1on1の型 ー共感型1on1と指導型1on1ー】
<(1)共感型1on1>
◯目的:
上司・部下(先輩・後輩)の上下関係ではなく、
”ビジネスパーソンとして同じ立場で会話し、
相手の話に対する共感力を養い、仕事の協力関係を築くこと”を目的とする
◯実施方法:
1、話し手、聞き手、観察者に分かれる
2、話し手の好きなテーマで15分会話
3、聞き手は笑顔であいずち・質問をしながら共感する
4,終了後、良かった点を中心にフィードバックする
◯効果:
・心理的安全性の確保
・信頼関係の構築
・越境力
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
<(2)指導型1on1>
◯目的:
指導型1on1ミーティングは、目標や進捗管理が目的ではなく
あくまでも部下個人を中心としたミーティングである。
◯実施方法:
・週1~隔週毎に15〜30分程度行い、
部下の業務体験や課題悩み、将来キャリアを上司と共有する。
上司は以下3つの観点でフィードバックし、部下の成長を促す。
1,コーチング:話し相手のコミュニケーションタイプを見分け、
タイプに応じて関わり本人が答えを見つけるためのサポートをする。
2、ティーチング:知識やスキルを教えてサポートする。
3,フィードバック:問題点を客観的に見て、良かった 点や改善策を伝える。
◯効果:
・部下の成長
・上司部下の相互理解による信頼関係の構築
・部下のモチベーション向上
※杉原秀保(2021)
"ニューノーマル時代のチームビルディングに関する提言
-1on1による心理的安全性確保と組織生産性について-"
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
■後半の「指導型1on1」と
名付けられているものが
『ヤフーの1on1』(著/本間浩輔)
の中での定義と
同じになっています。
全社の「共感型1on1」を、
・心理的安全性
・信頼関係の構築
・越境(≒自分の知らないことを知る)
ことを目的としていることを
「共感型1on1」と名前を与えることで
明確にされた点に意味があるように
私は感じました。
実際に実施された方の感想は、
・わずか15分の1on1でしたが、
2人で飲みに行くのと同じぐらいの効果があると思います。
・普段仕事で接する機会の少なかった方との1on1 で、
趣味やプライベートの一面を知ることができ、お互いの距離が縮まった。
・仕事に対する経験談や価値観に加え、
ご自身の悩みも聞くことができて参考になった。
などがあったようです。
■もちろん1on1の目的は、
それだけではありませんが、
「今やろうとしている1on1は
何を目的とするのか」
について、
名前を与えて
分類分けをすることで
行おうとしている1on1の立ち位置が
明確になるようにも思います。
人生いろいろ。
仕事もいろいろ。
やりかたもいろいろですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
1つのことが万人に当てはまりはしない。
めいめい自分にふさわしい流儀を求めよ。
ゲーテ
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