良きコーチングの成果につながる4つの指標 ー論文『管理職のコーチング:経験的文献のレビューと今後の実践の指針となるモデルの開発』(後半)より
(本日のお話 1998字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は1件のコーチング。
また残りは半休として、
大学院の論文を進めておりました。
唸りながら、手を動かしております。
今日も午後から研修ですので
それまでちょっとずつ進めたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
昨日はコーチングに関する論文から
「コーチングの4つバリエーション」というテーマで
お伝えさせていただきました。
本日はそのお話の後半について
引き続き皆様にご共有させていただければと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは、
【良きコーチングの成果につながる4つの指標
ー論文『管理職のコーチング:経験的文献のレビューと今後の実践の指針となるモデルの開発』(後半)より】
それでは、どうぞ。
■さて今日のお話は昨日の続きですが、
昨日のメルマガのお話を
復習がてらお伝えいたしますと、
・コーチングって色々ありすぎるよね(定義も種類も)
・なので、これまでのコーチング研究を整理してみよう
(特に管理者コーチングを整理しよう)
・先行研究や文献を整理してみたら
1)「コーチングの4つのバリエーション」があって
(コーチング/エグゼクティブコーチング/ビジネスコーチング/ライフコーチング)
2)「管理者コーチングの4つのバリエーション」
(階層型コーチング/ピアコーチング/チームコーチング/組織横断型コーチング)
があることがわかったよ
、、、というお話でした。
(ものすごくざっくりですが)
※詳しくはこちら↓↓
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4360876/
■そして論文の後半では、
「 良きコーチングの成果につながる4つの指標 」
について述べられています。
*
曰く
”これまでの主要な文献を調査し、
管理者コーチングの効果につながる
4つの重要な変数をまとめた”
とのこと。
うん、実に気になりますね。
ということで早速見てまいりましょう。
以下内容についてまとめです。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【 良きコーチングの成果につながる4つの指標 (Characteristics of good coaching outcomes)】
<(1)学習スタイル(Learning styles)>
・コーチング導入における環境や戦略など「前提条件」に関わるもの
(環境/戦略/文化/人材開発)
<(2)共有された価値観(Shared Values)>
・「コーチングを促進する要因」に関わるもの
(信頼/互恵関係/補完的な経験/時間/スキル/ボランタリー)
<(3)行動(Behaviors)>
・コーチングの限界や制約として指摘されている「阻害要因」に関わるもの
(競争/コミットメントの欠如/時間の不足/クローン/強制/管理職のサポートとトレーニングの欠如)
<(4)パーソナリティ(Personality)>
・効果的な「コーチングの潜在的な成果」に関わるもの
(マネジメントの向上/職務満足度とコミットメント向上/コミュニケーションの改善
ストレスの低下/チームワーク向上/パフォーマンス向上)
※Beattie, Rona S., Sewon Kim, Marcia S. Hagen, Toby M. Egan, Andrea D. Ellinger, and Robert G. Hamlin. 2014.
“Managerial Coaching: A Review of the Empirical Literature and Development of a Model to Guide Future Practice.”
Advances in Developing Human Resources 16 (2): 184–201.
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■ふむ、なるほど。
シンプルはあるものの、
一つ一つ見てみると、納得です。
個人的に、
「コーチング成果に影響を与える
必要な要素が網羅的にまとめられている」
という感覚を持ちました。
■確かに言われてみたらそうなのです。
いくら「コーチングをやるよ!」といっても、
例えば
「前提条件」
(1,学習スタイル)として
・職場の”環境”が整っていない(会議室がない等含め)
・コーチングやるような”文化”ではない
・経営・人材開発から全体の”戦略”もない
では定着するはずもありません。
あるいは、
「コーチングの阻害要因」
(3,行動)として
・コミットメントがない(”強制”的にやらせる)
・競争的な環境で、相手への支援が自分のマイナスになる
・”管理職のサポートがない、トレーニングがされていない”
などであれば、それもネガティブな要因となるでしょう。
*
逆に、「コーチングを促進するもの」
(2、共有された価値観)として
・社員間の”信頼”が十分に醸成されている
・コーチングの”スキル”の教育もなされている
・そのための”時間”も捻出の方針が決まっている
などあれば、良いコーチングと効果に
繋がりやすくなる、と言えそうです。
■つい
「コーチングの成果を目指す」
などというと、
・コーチングのスキルトレーニング
・コーチングの実践回数
・管理職の能力、信頼
等に目が行きがちかもしれませんが、
1つの成果には、様々な要素が
有機的に繋がり合っているものです。
■組織でコーチングを
本当に成果につなげようと思うなら
環境や戦略も整え
スキルや時間も確保し
コミットメントを高める文脈を用意し、
その上で実施をする必要がある、
ということですね。
当たり前のようですが、幅広く、
ゆえに何をどうしたらよいか
混乱もしそうです。
そんなときに、本論文でご紹介の、
【 良きコーチングの成果につながる4つの指標 】
のような観点は、
きっと参考になるのではなかろうか、
そのように思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
目をさましているものには、
なにか虻(あぶ)のようなもの(刺激)が必要だ。
ソクラテス
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