メールマガジン バックナンバー

3208号 2022年12月3日

良きコーチングの成果につながる4つの指標 ー論文『管理職のコーチング:経験的文献のレビューと今後の実践の指針となるモデルの開発』(後半)より

(本日のお話 1998字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は1件のコーチング。

また残りは半休として、
大学院の論文を進めておりました。

唸りながら、手を動かしております。
今日も午後から研修ですので
それまでちょっとずつ進めたいと思います。



さて、本日のお話です。

昨日はコーチングに関する論文から
「コーチングの4つバリエーション」というテーマで
お伝えさせていただきました。

本日はそのお話の後半について
引き続き皆様にご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは、

【良きコーチングの成果につながる4つの指標
ー論文『管理職のコーチング:経験的文献のレビューと今後の実践の指針となるモデルの開発』(後半)より】

それでは、どうぞ。

■さて今日のお話は昨日の続きですが、

昨日のメルマガのお話を
復習がてらお伝えいたしますと、

・コーチングって色々ありすぎるよね(定義も種類も)

・なので、これまでのコーチング研究を整理してみよう
(特に管理者コーチングを整理しよう)

・先行研究や文献を整理してみたら

1)「コーチングの4つのバリエーション」があって
(コーチング/エグゼクティブコーチング/ビジネスコーチング/ライフコーチング)
2)「管理者コーチングの4つのバリエーション」
(階層型コーチング/ピアコーチング/チームコーチング/組織横断型コーチング)

があることがわかったよ

、、、というお話でした。
(ものすごくざっくりですが)

※詳しくはこちら↓↓
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4360876/

■そして論文の後半では、

「 良きコーチングの成果につながる4つの指標 」

について述べられています。



曰く

”これまでの主要な文献を調査し、
管理者コーチングの効果につながる
4つの重要な変数をまとめた”

とのこと。

うん、実に気になりますね。

ということで早速見てまいりましょう。
以下内容についてまとめです。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【 良きコーチングの成果につながる4つの指標 (Characteristics of good coaching outcomes)】

<(1)学習スタイル(Learning styles)>
・コーチング導入における環境や戦略など「前提条件」に関わるもの
(環境/戦略/文化/人材開発)

<(2)共有された価値観(Shared Values)>
・「コーチングを促進する要因」に関わるもの
(信頼/互恵関係/補完的な経験/時間/スキル/ボランタリー)

<(3)行動(Behaviors)>
・コーチングの限界や制約として指摘されている「阻害要因」に関わるもの
(競争/コミットメントの欠如/時間の不足/クローン/強制/管理職のサポートとトレーニングの欠如)

<(4)パーソナリティ(Personality)>
・効果的な「コーチングの潜在的な成果」に関わるもの
(マネジメントの向上/職務満足度とコミットメント向上/コミュニケーションの改善
ストレスの低下/チームワーク向上/パフォーマンス向上)

※Beattie, Rona S., Sewon Kim, Marcia S. Hagen, Toby M. Egan, Andrea D. Ellinger, and Robert G. Hamlin. 2014.
“Managerial Coaching: A Review of the Empirical Literature and Development of a Model to Guide Future Practice.”
Advances in Developing Human Resources 16 (2): 184–201.

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■ふむ、なるほど。

シンプルはあるものの、
一つ一つ見てみると、納得です。

個人的に、

「コーチング成果に影響を与える
必要な要素が網羅的にまとめられている」

という感覚を持ちました。

■確かに言われてみたらそうなのです。

いくら「コーチングをやるよ!」といっても、

例えば
「前提条件」
(1,学習スタイル)として

・職場の”環境”が整っていない(会議室がない等含め)
・コーチングやるような”文化”ではない
・経営・人材開発から全体の”戦略”もない

では定着するはずもありません。

あるいは、
「コーチングの阻害要因」
(3,行動)として

・コミットメントがない(”強制”的にやらせる)
・競争的な環境で、相手への支援が自分のマイナスになる
・”管理職のサポートがない、トレーニングがされていない”

などであれば、それもネガティブな要因となるでしょう。



逆に、「コーチングを促進するもの」
(2、共有された価値観)として

・社員間の”信頼”が十分に醸成されている
・コーチングの”スキル”の教育もなされている
・そのための”時間”も捻出の方針が決まっている

などあれば、良いコーチングと効果に
繋がりやすくなる、と言えそうです。

■つい

「コーチングの成果を目指す」

などというと、

・コーチングのスキルトレーニング
・コーチングの実践回数
・管理職の能力、信頼

等に目が行きがちかもしれませんが、

1つの成果には、様々な要素が
有機的に繋がり合っているものです。

■組織でコーチングを
本当に成果につなげようと思うなら

環境や戦略も整え
スキルや時間も確保し
コミットメントを高める文脈を用意し、

その上で実施をする必要がある、

ということですね。

当たり前のようですが、幅広く、
ゆえに何をどうしたらよいか
混乱もしそうです。

そんなときに、本論文でご紹介の、

【 良きコーチングの成果につながる4つの指標 】

のような観点は、
きっと参考になるのではなかろうか、

そのように思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

目をさましているものには、
なにか虻(あぶ)のようなもの(刺激)が必要だ。

ソクラテス
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