「キャリアにおける意思決定」の理論(左脳編)
(本日のお話 2703字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
また1件のコーチング(受けるほう)でした。
論文が終わって、
何かずっと残っていた心の重りが、
少しだけ軽くなった気がしています。
まだやり残した後悔という
重りの余韻が残っていますが、、、汗
とはいえ、
ここからようやく2023年の始まり。
お仕事も始動していきたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
終わりは始まりでもあり、
3月5日にキャリアコンサルタントの試験があります。
ゆえに、関連する教科書を、
ゆるゆると開いては閉じております。
色々疲れたので、
本当はやりたくないのですが
(じゃあなんで申し込んだんだ、という話ですがw)
勢いで申し込んでしまったので、
やらざるを得ません。
スクールはいかず
完全独学でやっていくので、
本当に”ただの勢い”です。
とりあえず、やれるところまで
頑張ってみたいと思います。
*
さて、そんな中で、本日は
キャリアについて学んだことを一つ、
皆様にご紹介させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【「キャリアにおける意思決定」の理論(左脳編)】
それでは、どうぞ。
■就職、転職。
あるいは独立・起業。
、、、
そんな風に皆様も
「キャリアにおける意思決定」
をこれまでの歩みの中で
ご経験されてきたのでは、
と思います。
人生は「意思決定」の連続ですからね。
■そんな「意思決定」について
ジェラット(Hary B. Gelatt)という
キャリアの研究者がいます。
1960年代から、
今日に至るまでキャリアにおける意思決定の
研究をしてきました。
面白いのが、
半世紀以上研究する中で時代も変わり、
研究テーマが前後半でガラリと変わることです。
彼の業績は
・前半(1960年代)=
”左脳”を使った意思決定についての教育
・後半(1980年代後半から)=
”右脳”を使った意思決定についての教育
と、
論理的に意思決定を行っていく(左脳)、
から
不確実性が高い世の中で
直感的に決めていく(右脳)、
へ焦点が変わっていきます。
(まさに、時代ですね)
■いずれにせよ、
その前後半で示された
「キャリアにおける意思決定」における枠組みは
今日の私達にも、
役に立つ影響をもたらしてくれている、
と言えます。
■ということで、
彼の言う「意思決定」とは何かを
早速見ていきたいと思います。
まず、経済学・数学における
「意思決定(decision-making)」研究の結果では
以下の5つのステップが仮定されています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<意思決定の5つのステップ>
1,目標をはっきりと定義する
2,情報を集める
3,情報の関連性を分析する
4,可能な選択肢を分析する
5,それぞれの選択肢の結果を評価する
※渡辺三枝子(編著). (2018).『新版 キャリアの心理学[第2版] キャリア支援への発達的アプローチ』. ナカニシヤ出版 p.113
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
、、、なるほど。
言われてみれば、
たしかにそうですね。
私たちは意思決定をするときに
上記のような考えに基づいて行っている
というのは肌感覚としてわかります。
■そしてこれをジェラットは
彼の前半の理論として
以下の4つ枠組みで紹介しています。
ちょっと情報が多いですので、
サラリとお読みいただければと思います。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ジェラットの前期理論(Gelatt, 1962)>
(1)予測システムと価値システム
人は、以下の3つのステージで
意思決定を行うとされている。
○ステージ1:
・個人は「予測システム」において
選択肢それぞれがもたらす結果の起こりうる可能性を判断する。
○ステージ2:
・その後「価値システム」において、
各選択肢の結果の好ましさを判断する。
○ステージ3:
・この2つのシステムから、「決定基準」ができあがる
*
(2)ジェラットの前期理論1 主観的可能性
・ステージ2「価値システム」において人間が陥りやすい”誤り”がある。
・それは「主観的可能性が採用されやすい」ということである。
・人は思い込みで、自分には無理だ、と考えていた選択肢を避けてしまうことがある。
しかし、それらの主観的な思い込みに気づくと、可能性や選択肢が広がることがある。
*
(3)探索的決定と最終的決定
・「最終的決定」は、キャリアを確定する際の決定のこと。
「探索的決定」は、それまでに行う種々の決定のことである。
・探索的決定から、最終的な決定まで
どのようにスムーズに行えるのか、そのためにどう援助できるかが
ポイントになるとジェラットは考えた。
*
(4)ジェラットの前期理論2 連続的意思決定システム
・人が「意思決定を行う際のガイダンス」として、
以下のような内容を提唱した。
・1,情報収集を行わせる
2,意思決定の時期を捉えさせる
3,人が陥りやすい誤りに注意させる
(正確に選択肢の可能性を評価できない/ありえる選択肢を網羅できない/見えているものしか認識できない)
4,眼前の決定が目標を促進させることを理解させる
5,連続的意思決定のプロセスを理解させる
(全選択肢に気づく/十分な情報を得る/情報の関連性と信頼性を検討する/価値システムから、結果を評価する)
6,実行ガイダンスを評価する
※渡辺三枝子(編著). (2018).『新版 キャリアの心理学[第2版] キャリア支援への発達的アプローチ』. ナカニシヤ出版 p.113~118
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■文字数が多く恐縮ですが、
一つずつ見てみると
そうだよなあ、と思います。
特に
「人が陥りやすい誤り」
なんてまさにそう。
人は自分のことは見えず、
また思い込みにも囚われやすい。
頭の中で、
「選択肢を色々広げて
それから決定したほうが良さそう」
と思っていても、結局
偏った判断をしてしまうのですよね。。。
(それで何度痛い思いをしたことか汗)
■もちろん、
選択肢を並べずに行った判断が
直感的に正しいこともありますが、
このように
1,選択肢を並べる
2,検討する
3,決定する
ことができたとしたら、
その納得度は更に高まりそう、
とも言えるかもしれません。
そういった意味で、上記で記した
「連続的意思決定のプロセス」などは
他者が誰かのキャリアの相談を受ける上で
有用である支援の枠組みとも言えそうです。
■、、、と、
理屈としてはそうかもしれません。
「じゃあ本当に
選択肢を並べられるのか?」
「こんなに世の中変わってるのに
それで意思決定、できるの?」
というと、
キャリアについては
なかなかそうもいかなさそう、
という感覚もします。
そこで興味深いことに、
ジェラットは1980年代の終わりには
その方向性をガラリと変えます。
それが「右脳」優位の考え方なのです。
このお話は長くなりましたので
明日に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
==========================
<本日の名言>
人間というものは、
わが身のことになれば己を甘やかし、
たやすく騙されてしまう。
マキャヴェッリ
==========================