カウンセリングにおける5つのアプローチとは? ーキャリアにおけるカウンセリングの理論(後編/包括的・折衷的アプローチ)ー
(本日のお話 2156字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は研修プログラム開発、企画など。
また夜からは人事の皆様が集まる
「人事の会」なる懇親会への参加でした。
(お会いさせていただきました皆様
ありがとうございました)
*
さて、本日のお話です。
本日も昨日に引き続き
キャリアのお話を続けたいと思います。
昨日はカウンセリングにおける
5つのアプローチのうち、
・行動的アプローチ
・感情的アプローチ
・認知的アプローチ
をご紹介いたしました。
※昨日のお話はこちら↓↓
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4409599/
本日は続く
「包括的・折衷的アプローチ」なるものを
ご紹介させていただければと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは
【カウンセリングにおける5つのアプローチとは?
ーキャリアにおけるカウンセリングの理論(後編1)ー】
それでは、どうぞ。
■昨日のお話は
カウンセリングの技法も
色々なアプローチがあり、
「感情」を焦点を当てるか、
「行動」に焦点を与えるか、
「思考」に焦点を当てるか
という違いがあるようです、
という内容でした。
■ただ、どれも
それぞれいいところがあるわけです。
ゆえに、どれか一つの理論
アプローチだけを重視するのではなく、
それぞれの良いところを取り入れて、
”包括的・折衷的”に行うカウセリングが、
「(4)包括的・折衷的アプローチ」
なのです。
なんだか、良いとこどりで、
いい感じに思えます。
■さて、この
包括的・折衷的アプローチの中で、
『マイクロカウンセリング』
という技法があります。
これが
”対話を通じた様々な技法の中で
共通しているスキルが整理されている”
ため、
非常に参考になるな、
と感じさせられました。
、、、と、いうことで、
以下、詳細をまとめてみたいと思います。
(ここから)
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『マイクロカウンセリング』とは何か?
<概要>
・”マイクロ”とは小分けにしたという意味である。
・カウンセリング心理学者のアイビイ(1933~)は
多くの面接スタイルに共通のコミュニケーションの形(技法)があることに気づき、
この技法を系統的に配列した。
・これを”カウンセリングの訓練プログラム”として「マイクロカウンセリング」とした。
**
<マイクロカウンセリングの技法>
・「1)基本的かかわり技法」
「2)積極技法」
「3)技法の統合」の3つに大別される。
1)「基本的かかわり技法」
:クライアントへの影響力は弱いが、
クライアントとのリレーションを作る上で重要な技法である
・かかわり行動(視線の位置、身体言語、言語追跡、声の質)
・クライアント観察技法/開かれた質問/閉ざされた質問
はげまし/いいかえ/要約
感情の反映/意味の反映(クライアントにとって意味を見出す技法)
2)「積極技法」
:より能動的な働きかけを行い、課題解決を促す技法である。
以下の技法を用いた後は、クライアントを観察し、結果を吟味することが重要とされる。
・指示/論理的帰結/解釈
自己開示
助言/情報提供/説明/教示
フィードバック/カウンセラー発言の要約
※なお、積極技法の前後に以下の技法がある。
・「焦点のあてかた」(クライアントの会話の流れを方向づける)
・「対決」(クライアントの行動の矛盾や不一致を捉えて、心の葛藤の再検討を促す)
3)技法の統合
:技法の連鎖、構造化を通じて問題の解決を支援する
・「基本的かかわり技法」「焦点のあてかた」「積極技法」「対決」を習得することで
面接の技法を連続的に”構造化すること”を学ぶことができる。
・また、カウンセリングの構造化は、以下の5つのステップで行われる。
1 ラポール、2 問題の定義、3 目標の設定
4 選択肢の探究・不一致との対決 5 日常生活への一般化
**
<対人関係に影響を与える技法の連続表>
※上ほどクライアントへの影響力が「強い」
・対決
・指示
・論理的帰結
・解釈
・フィードバック
・自己開示
・情報・教示・助言
・焦点のあてかた(中間3技法)
・閉ざされた質問( ”)
・開かれた質問( ”)
・意味の反映
・感情の反映
・いいかえ
・はげまし、くり返し
※下ほどクライアントへの影響力が「弱い」
※引用元:浅野浩美(2022).『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』.労務行政 p.102-105
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(ここまで)
■なるほど、、、。
確かにこのように技法を
・「マイクロ(小分け)」にする
・どの順番で行うべきか「順序立てる」
・「影響力の順番で整理」する
ことで、
対話の中で自分が、
どの技法を行っているのかが、
あるいは行っていないかが客観視できます。
また、何を苦手としているのかも
明確に理解できるようになることが
イメージできます。
ゆえに、マイクロカウンセリングは
”カウンセリングの訓練プログラム”
なのですね。
分けることは、わかること、
などといいますが、
とても有用な考えだと感じました。
■その他に、包括的折衷的アプローチは
『ヘルピング技法』
『コーヒーカップ・モデル』
『システマチック・アプローチ』
『発達的カウセリング』
などがあり、
軸としているものが違っていますが
大きくは共通したものがあるように思います。
■そして、最後に
「(5)社会構成主義的アプローチ」
ですが、
こちらは長くなりましたので
明日に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
何もまねしたくないなんて言っている人間は、
何も作れない。
サルバドール・ダリ
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