今週の一冊『運動脳』
(本日のお話 2854字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は大学院の仲間と
神奈川県の足柄峠にて23キロの峠走。
またその後、
曽我梅林の「梅まつり」を観に行きました。
梅にまつわる歴やお話も含め、
実に勉強になりました。
(Hさん、皆さん、ありがとうございました!)
またこのお話は改めて。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナーです。
今週の一冊は
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『運動脳』
アンデシュ・ハンセン (著), 御舩 由美子 (翻訳) /サンマーク出版
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です。
■つくづく、
「運動」には不思議な力がある
と感じます。
私ごとですが、冒頭にて
”昨日峠走をしました”
などとお伝えいたしましたが
やはりしっかり走ると
翌日、筋肉痛は残るものの
それ以上に
・気持ちの爽快感、
・身体を鍛えたという自己効力感、
・頭が冴えわたる独特の感覚
が得られると感じるのです。
根拠はないけど、間違いなく、
心身に良いことが起こっているんだろう、、、
そう思えてなりません。
そして、私以外にも
そのような人がいるから
ランニングやウォーキングをする人も
増えているのでは、と思っております。
■しかし、ただそのような
「n=1」の、
私のみの感想であれば
あまり説得力はありません。
「あなたの感想ですよね?」
と一蹴されて
おしまいかもしれません。
■、、、しかし、
今回ご紹介の書籍『運動脳』では、
運動が脳に与える
様々なプラスの影響について
これまでの先行研究を元にして
科学的に語られているのが特徴です。
これまで行われてきた
運動が脳に与える影響について
30の論文を調べたまとめによれば、
「25論文が運動の脳に与える
ポジティブな影響を証明していた」
とのことで、
それらのデータも含めて
これでもかと運動のメリットを語ります。
科学的データなんていうと、
俄然、説得力が増してくる気がします。
■では、具体的に
どのような
「脳へのプラスの影響」
があるのでしょうか?
本書のポイントについて
このような話が語られていました。
以下、引用いたします。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○運動は、「うつ病や不安障害」を減らす
・運動が認知機能に作用することを立証する論文が
次から次へと発表されている。
運動は不安障害やうつ病のリスクを減らすだけではなく、
それらを治療する手段として、
抗うつ剤やセラピーに匹敵する効果がある。
*
○運動は、「脳の領域の連携」を強固にする
・機能的に優れた脳とは、
細胞がたくさんある脳でも、細胞同士がたくさんつながっている脳でもなく、
各領域(前頭葉や頭頂葉)がしっかりと連携している脳である。
身体を活発に動かせば、その連携を強化できる。(P.33)
*
○運動は、「子どもの脳」に近づける
・脳の可塑性(=変形・適応すること)の研究において、
身体を活発に動かすことほど脳を変えられる、
つまり神経回路に変化を与えられるものはないことがわかっている。
運動を習慣にしていれば、
あなたの脳は「子どもの脳」に近くなっていく。
*
○運動は、「ストレスに対する耐性」を高める
・ストレス反応を緩和して、興奮やパニック発作を防ぐのが「海馬」である。
イライラすると発生するストレス物質「コルチゾール」は海馬を縮小させる。
定期的に運動を続けていると、運動以外のことが原因のストレスを抱えているときでも、
コルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていく。
ストレスに対する反応は、
身体が運動によって鍛えられるにしたがって徐々に抑えられていく。
*
○運動は、「前頭葉を物理的に成長」させる
・「扁桃体」は、”闘争か逃走か”と脳を厳戒態勢にし、不安にさせる。
「前頭葉」は、気持ちが穏やかになり、ストレスを減らす。
定期的に運動をすれば、前頭葉と扁桃体の連携が強化されていく。
そして前頭葉は物理的に成長までする。
*
○運動は、「集中力」を高める
・運動をすると、側坐核でドーパミンが放出される。
ドーパミンは、ポジティブな気分になり
その行動を繰り返したくなるものである。
なぜ運動をするとドーパミンが放出されるかといえば、
私達の祖先が、狩猟や住処を探すときに
走っていたためだと考えられている。
*
○運動は、「脳細胞を保護するBDNF」を増やす
・脳の天然肥料と呼ばれるBDNFという物質がある。
脳の損傷を最小限に抑え、
脳の細胞間のつながりを強化し学習や記憶の力を高め、
かつ、脳の可塑性を促して細胞の老化を遅らせる働きをしている。
・BDNFを増やせる自然な方法がある。
それはー運動である!
運動ほど効果的なものはないといっていい。
*
○運動で、「海馬の細胞数」が増える。
・記憶を司る海馬の細胞数が
運動によって増える
他
※アンデシュ・ハンセン (2022)『運動脳』を引用の上、編集して記載
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■これでも十分ですが、
まだまだ他にも書かれていました
例えば、
・「性格」への影響
・「子供の教育」への影響
・「血圧・血糖値」への影響
・「体内の炎症」への影響
・「暗記力」への影響
などなど。
ただ、もう十分かと思いますので、
このあたりにしておきます。
■いずれにせよどの話も、
サプリメントより
抗うつ剤より、
“「運動」こそが効果をもたらす!”
と一貫して、
研究やデータを元に語り続けます。
そして引用元の論文も、
紹介されています。
■毎回の語り口として
「研究から”うつ病に効果”をもたらすものがわかった。
、、、 そう、『運動』である」
とか、
「研究から”脳の海馬”を大きくするものがわかった。
、、、そう、『運動』である」
と、
水戸黄門の印籠ばりに、
もうわかってるでしょ的な雰囲気を
匂わせながら伝える様子は、
「もういいよ、わかったよ
運動すればいいんでしょ!」
という諦めすら感じさせられます。
読みながら、運動の習慣を
日々の中により組み込みたくなってしまいました。
■では、ちなみに、
「具体的に、
どんな運動をすればよいか?」
なのですが、結論
めちゃくちゃシンプルです。
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<脳のための最高のコンディションを保つ運動とは>
(1)ランニングを週3回
(2)1回あたり45分以上
※重要なポイントは「心拍数を増やす」こと。
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だそう。
これだけです。
ちなみに、
・創造性を高めたければ、負荷の軽い運動
(心拍が上がらない程度のランニング)
・記憶力を高めたければ、筋トレなどが有効
(ただし、脳の機能全般には有酸素運動がよい)
・負荷の大き過ぎる激しい運動は、短期的に創造性を下げる。
しかし、長期的にはBDNFの生成量が大幅に増える。
(きついトレーニングは習慣にできれば心強い)
との補足もありました。
■ということで、ご興味がある方は
読んで頂けるときっと
運動を自分の生活の中に
組み込みたくなるかと思います。
運動したいなあ、と思う方の
背中を押してくれる一冊だと感じた次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『運動脳』
アンデシュ・ハンセン (著), 御舩 由美子 (翻訳) /サンマーク出版
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