「危なっかしさ」にも価値がある ー好奇心の実験よりー
(本日のお話 1456字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
その他、大学院の仲間とのミーティングなどでした。
*
さて、本日のお話です。
読んでいる本の中で
「好奇心の効果」
について興味深いお話がありました。
今日はこのお話について
皆様に学びと気づきのご共有を
させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【「危なっかしさ」にも価値がある ー好奇心の実験よりー】
それでは、どうぞ。
■物事に取り組む上で
「好奇心」
は大事な要素だと思われます。
新しい経験に対して、
やってみたい、挑戦してみたい、
そんな風に心が開かれている状態
(=好奇心)は、
人を活気づけ、
感情や思考を活性化させ、
目標を追求するエネルギーになります。
■その中で、
こんな実験があったそうです。
ハーバードの研究者エレン・ライガーは
”気持ちがオープンであることと好奇心が
不安にどのように影響を与えるか?”
について興味を持ち、
ある実験を行いました。
実験の内容は「人前でのスピーチ」です。
人前でのスピーチは、
緊張しますし、
不安を引き起こす行動の代表です。
*
このスピーチについて、
以下、3つのグループにわけて
違う条件を与えて指示しました。
1つ目のグループは
「ハイ・パフィーマンス」条件で、
”参加者たちにミスしてはいけない”と話しました。
2つ目のグループは、
「許容」条件で、
”ミスは避けられないもので仕方ない”と話しました。
3つ目のグループは、
「好奇心」条件で、
”わざとミスをするように言い、
うっかり起こるミスもそれに含めてよい”と話しました。
*
その結果、
3つ目のグループ(「好奇心」条件)の人たちは
・気が楽で不安も少なかった、と答え
・スピーチに対する徴収たちの評価が最も高かった
ことがわかりました。
※参考:ロバート(2016),『ポジティブ・コーチングの教科書』P113
T Kashdan ,(2009)"Curious? Discover the missing ingredient to a fulfilling life."
■この実験においては
「ミスも好奇心を持って楽しむ」
くらいのほうが、
肩の力も抜けて
本人の不安感という観点でも
パフォーマンスの観点でも、
良い結果になったのですね。
なかなか興味深い結果です。
■そして、
”なぜ人は完璧な演奏をCDで聞けるのに
バンドの生演奏を聞きたがるのか?”
について、
好奇心の研究の観点では
「人は生演奏の自然さや、
何が起こるかわからない面白さを求めて
聴きに行っている」
と述べている例もあります。
(Kashdan, 2009)
もちろん、それだけで
人はライブを観に行くわけではないと
思いますが、要は、
「失敗するかもしれないという危うさや
小さなミスがあったほうが
その人の本物らしさを感じられて面白い」
という要素もあるよね、
ということでしょう。
■先日も、私事ですが
ピアノの発表会に参加し、
それまた多くのミスを重ね、
聴いていて美しさがないとしても
見ている妻からは「ハラハラした」という
ドキドキ感を与えることができたようです。
そして、いつもレッスンをしてくれる先生も
きっとそういった感情の揺れを、
楽しんでくれたのではなかろうか、、、
と思うわけです。
それは、身内や近い友人など
自分が身近に感じる人にのみ発動する
「好奇心」の類なのかもしれませんが、
ある意味、
【「危なっかしさ」が持つ価値】
とも言えるのかもな、
そんなこと思った次第です。
■「多少ミスがあっても、
それも含めて、楽しもう!」
くらいのスタンスで
好奇心を持って臨むことで
思いのほか、良い結果になる
ということもあるのかもしれませんね。
本日は短めに。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
楽観主義者はドーナツを見、
悲観主義者はドーナツの穴を見る。
オスカー・ワイルド
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