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3326号 2023年4月2日

今週の一冊『だから僕たちは、組織を変えていける ――やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』

(本日のお話 2053字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

4月に入り、東京では
桜が美しく咲いております。

土曜日は、家族で公園に行きましたが
たくさんの家族連れがいました。

保育園の同じクラスの子供がいたのですが
タイミングを逸して話しかけられず。
(オフのときは人見知り、、、汗)

妻と共に「話しかけられなかったね」と
その後、淡々とビールを飲んでおりました。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はお勧めの本をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は

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『だから僕たちは、組織を変えていける ――やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』

斉藤徹 (著)


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です。

■4月は新しい出会いや始まりの時期。

新しいことを始めるのに
ぴったりの時期ですね。

そして組織でも、
社員の卒業、異動、
あるいは新入社員が入るなど、
変化が起こるタイミングでもあります。

その中で

「組織を変える」

というテーマで

多くの評価を集めている本が、
今回ご紹介させて頂く一冊です。

■本書では、

「世の中は変わっているのに、
組織のあり方(マネジメントの仕方)は
以前と変わっていない」

このことを強調し、

変わっていく社会とは
いかなるものであるのか、

そのために私たちは
何を/どのように変えていく必要があるのか

について、

組織行動論の知見を
ふんだんに引用しながら述べています。

■本書の特徴について
私の所感をお伝えさせていただくと、

「アカデミックな話と
実務の話がわかりやすく融合しているところが
素晴らしい」

と思いました。

ビジネス書の中には、

著者の持論を中心に展開がなされることが
しばしばあります。

それが悪いわけではなく、
そうした話はリアルな体験で面白い一方、
状況が人によって違うため
汎用的なものではない、

ということがあります。

■そこで
今回ご紹介の著書の場合、

”組織行動の理論と研究”

をふんだんに引用しつつも、

その理論の正しさに縛られることなく、
寓話や比喩などを含めて、

論理と感情のどちらにも
訴えかけるようなストーリーを
構成をしている、

と私は感じました。

■そしてそれを可能にしたのは

著者の方の経歴、

ベンチャーの世界で
経営者として活躍されてきた実務家としての側面と、

ビジネス・ブレークスルー大学で
経営学の教授として活躍している
アカデミックな知識人としての側面の、
双方があるからこそなのかもしれません。

そこに加えて、
感情を刺激するタイトル、

『だから、僕たちは組織を変えていける』

という言葉でまとめられ、
心を掴まれた感覚がします。

■著書のストーリーとしては
大まかに以下のように進みます。

まず著書の中の
中心的なメッセージは、

「統制ではなく、
自走をする組織を目指そう」

ということです。

一人ひとりが持つ可能性を
もっと発揮できるはず、

そうしたスタンスが見えます。

そして、
自走するための第一歩として

「関係の質/心理的安全性の重要性」

について述べます。

ここでは注目されている
心理的安全性の理論などが紹介されます。



そして、次に

「チームで目指すべき方向性の重要性」

が語られます。

ここでは目標を持つことの意義、
仕事の意味付けなどの理論なども紹介され、
”目的を持つこと”の大切さが語られます。

更には、
一人ひとりの好奇心が刺激されることとして

「モチベーションの理論」

が紹介されます。

キーワードとして自律性、自己効力感
お互いの関係性なども語られます。

■そして、最後の結びが、

『影響の輪』

というお話で締められていきます。

これは『7つの習慣』の
「第一の習慣 主体的である」で
語られている概念。

要は、

”自分が変えられることに集中せよ”

という話です。

よく耳にするのが、

”経営が/制度が/社会が
変わらないと変わらないよね”

という言葉です。

確かにそれは一つの
事実かもしれません。

経営・リーダー層の影響は大きく、
制度的なものも構造的に影響は強いです。

■しかしながら、

じゃあ何もしないのかか?
何をしても意味がないのか?

というとそういうわけではないはず。

一人ひとりが今立っている場所から

半径5メートルから
変えられること、できることはあるのでは?

そして、それらの行動が
波紋のように影響を与えて、
変化につながっていくのでは、

そうしたメッセージを投げかけられます。

■ただ、行動をするにも、
組織が変わるためには、

「どういう方向に変わっていけば効果的なのか」という
”補助線”のごときもの

が必要です。

そこに、
様々な研究者達が積み上げてきた
多くの研究や理論があるのです。

それらの知識や考え方は
今の時代によりふさわしい
”補助線”になりえます。

ただ、
そうした知識が一般に共有されていないのが
一つの課題であり、

それらを
皆が共通認識として持てるとしたら

人の集合である組織も
少しずつ形を変えていける、

そのようにも思います。

そして本書も、その一助になる
素晴らしき一冊だと思います。

■以下、著書のご紹介です。

(ここから)
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読者が選ぶビジネス書グランプリ2023 マネジメント部門 第1位、総合第3位!
発売1年で10万部突破!! 企業講演依頼は200件超!!! チームづくりの新・必読書!

Amazon書籍総合ランキング最高4位!(2022/2/23)
リーダーシップ分野、プロジェクトマネジメント分野ともに1位!(2022/2/23)



・なぜ「厳しい職場」ほどミスが多いのか?
・なぜ、数字を追うことで反対に結果から遠ざかるのか?
・どうすればチームのモチベーションを高められるのか?
・保守的な組織で新しいチャレンジをするには、どうすればいいのか?

働くことに「希望」を見出すためにできることが、ここにある!
世界のさまざまな理論によって解き明かされる、
「たったひとりから組織を変えていく」ための超実践的メソッド

「経営に『心』を取り入れるための必読書だ。」
ー大前研一(ビジネス・ブレークスルー大学学長)

「組織はひとりでは変えられない。そう思っている人にこそ読んでもらいたい、希望の書だ。」
ー佐藤尚之(さとなお)

変わり続ける社会では、前例踏襲の管理型組織では対応していけない。
組織に自律性をとりもどし、変化から学ぶ「学習する組織」を目指そう。
そのために僕たちは、結果よりも「関係性」と向き合わなくてはならない。

この本は、現状に違和感を持ち、組織やチームを変えたいと思う人に向けて、
これからの時代にふさわしい組織になるための変革メソッドを紹介します。

管理職やリーダーはもちろんのこと、現場の一社員であっても、
チームをリードして「組織を変えていく」ための知見と技術をお伝えします。

【目次】

第1章 時代は変わった。組織はどうか? ?僕たちの違和感は、どこから来るのだろう
01 世界の姿は、一定ではない
02 世紀が変わり、常識も変わった
03 僕たちは、幸せ視点を求めている

第2章 これからの組織は、「統制」から「自走」へ ?僕たちが目指す、理想の組織とリーダー
01 21世紀のマネジメントは「数字」から「人」へ
02 僕たちが目指したい、3つの組織モデル
03 あるオーケストラに学ぶ、理想の組織
04 僕たちは、組織を導くリーダーになる

第3章 強がりの仮面を外そう ?安全な対話で、関係の質を変える
01 21世紀は、対話の時代である
02 プロジェクト・アリストテレス
03 「心理的安全性」がチームを変えていく
04 心理的に安全な場をつくるために
05 心理的安全性を創り出すリーダー像
06 心理的安全性の落とし穴
07 僕たちは、安全に対話できる場をつくる

第4章 チームを動かす、北極星を見つけよう ?意味の共有で、思考の質を変える
01 すべてはWhyからはじまる
02 社会にとっての「仕事の意味」を考えよう
03 自分にとっての「仕事の意味」を考えよう
04 意味の共有の落とし穴
05 僕たちは、仕事を楽しむことからはじめる

第5章 アメとムチを捨て、好奇心を解き放とう ?内発的な動機づけで、行動の質を変える
01 人のやる気はどこから生まれるのか
02 一枚目のカード「自律性」をとりもどそう
03 二枚目のカード「有能性」を満たそう
04 三枚目のカード「関係性」を育もう
05 動機づけの落とし穴
06 僕たちは、やる気に満ちたチームをつくる

第6章 たった一人から、影響の輪は広がる ?だから僕たちは、組織を変えていける
01 僕たちは、新しい組織を目指そう
02 僕たちは、影響の輪を広げていこう
03 さあ、冒険をはじめよう

※Amazon本の紹介より
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(ここまで)

人と組織について
ご興味がある方にお勧めです。

大学院で勉強した内容の
復習にもなったと感じました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『だから僕たちは、組織を変えていける ――やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』

斉藤徹 (著)

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