妻が大学に入学しました
(本日のお話 3256字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は朝から15キロのランニング。
また2件のアポイント。
夜は大学院の授業のサポートでした。
人材開発・組織開発の学びの場に
新しい期の皆様と共にご一緒していますが、
皆さんの意見から視点の広がりと刺激を頂いています。
場の力って、本当に素晴らしいなと思った一日でした。
(3期生の皆様、ありがとうございました!)
*
さて、本日のお話です。
個人的な話ですが4月に入り、
私が大学院を卒業するタイミングで、
妻が大学に入学いたしました。
今日はそのお話と、
そこから思ったことについて
皆様にご共有させていただければと思います。
(かなり個人的な話ですが、
よろしければご笑覧くださいませ)
それではまいりましょう!
タイトルは
【妻が大学に入学しました】
それでは、どうぞ。
■ピンポーン。
郵便局からのインターホンの後、
妻が部屋に入ってきました。
「大学から
学生証が届いたよ」
一枚のピンク色の
学生証を見せながら
妻が高揚した気持ちを
なんとなく隠すような雰囲気を漂わせ言いました。
「へー、どう?
テンション上がった?」
と私が聞くと、
「ちょっとね」
と妻。
■「学生証」という響きは
それだけで可能性の広がりや
新しい始まり、期待を想像させてくれます。
そう、この4月から、
妻が通信制の大学で、
心理学を学ぶことになりました。
妻アラフォー。
子供は2歳。
勉強に自信なし。
(レポート書いたことない)
それは、妻にとって大きな一歩のようでした。
そこ至るその背景には、
いくつかのこれまでの軌跡があり
それを振り返ることが
「学び続ける大切さ」
を象徴するエピソードのように
私には感じられたのでした。
■私の妻の話を伝えるのも、
なんだか小っ恥ずかしい感じがしますが
(本人に許可の上)
妻の身の上話をさせていただきます。
*
妻曰く、
「高校のとき、自分には、
”大学に行く”という
選択肢がなかった」
と言います。
それは家庭の
財政的な状況もあれば
周囲の情報がそういった
選択肢を見えなくしていたそうです。
「大学には行かせられない」
と言われて育った場合、
あるいは
「周りも大学に行く人がいない」
という環境に場合、
「大学に行く」という選択肢が
なくなりやすいのは想像に難くありません。
そして、高校の時は成績が
真ん中よりちょっと上くらいだったのが、
ジリジリと落ちていった、といいます(汗)
■高校卒業した後、
美術系の専門学校にいき、
3人の家族でやっている
ごく小さなデザイン会社の
デザイナーとして仕事をはじめました。
零細企業はなかなかハードで
徹夜なども普通であったようです。
よくトイレで泣いていた、と言いました。
その後転職し、友人のつてで
WEB系の仕事にも携わるようになり、
ホームページのデザインなどを覚えます。
(そのあたりで私(紀藤)と結婚しました)
そして現在、
私の会社のカレッジの社員として、
研修教材のデザイン
ホームページ周りの対応などを
主な業務としています。
■さて、妻は元々、
「まあ、なんとかなるっしょ」
と思うタイプのようです。
私と付き合い始めた20代の後半、
妻が給料日前(超安月給)で、
お金がなく、パスタに
ふりかけをかけて食べているのを見て、
「給料日前はいつもこんな感じ」
といっており、生命力を感じたのを覚えています。
■ゆえに
「目標」とか「ビジョン」とか
まるで興味がないタイプです。
しかし、
周りに影響を受けやすいタイプでもあります。
誰しもがそうですが、
環境には影響を受けるもので
私(紀藤)が独立・起業をして
それに巻き込まれる形で、
「学びと挑戦が大事」
とそばでやんや言われると、
幸か不幸か、やはり直接的・間接的に
考える機会が増えたようです。
■耳元で
「自分の価値観はなにか?」
「あなたの強みはなにか?」
「どんな自分になりたいのか」
と問われ(いい迷惑、苦笑)
あるときには、
『目標設定練習帳』とか
『人生は手帳で変わる』とかを渡され
ちょっと考えてみて、と
自己探究系のワークにもつきあわされ、
(普通ならこのあたりでキレられそう)
あるいは
「コーチング面白いから
コーチングの講座学んできてよ」
とコーチングの資格講座を勧められ受講し、
そんなこんなで10余年ほど経ちました。
■それを付き合ってくれた妻も妻ですが、
面白いもので、
学びや問いを繰り返していると、
やはり妻自身の内的な変容があるのです。
例えば
「自分はこういうことを
自然とできる”強み”がある」とか、
「自分はこういうことを大切に思う
”価値観”がある」
などが、
次第に輪郭を帯びてくるようでした。
そのプロセスで、
パートナーである私も、
妻の強みがよりはっきりするように思いました。
*
私から見て妻は、
・相手に共感でき、話を聞くのがうまい
相手の話を聞くのが楽しいと思える
・新しい情報を知ることを楽しめる(学習欲)があります。
・人の小さな成長を認め、応援することができる、
そんな特徴(強み)を
持っているように見えました。
■そして、
このような学びと視野の広がりを
土壌として耕していく中、
2年前私が大学院に通い始めました。
そのタイミングは
我々に第一子が生まれた状況です。
大変そうですが
オンラインであれば両立は可能で、
それを妻は近くで見ていました。
じゃあ、女性はどうなのだろうか?というときも
大学院在学中に出産をされた人、
そして学び抜いた人もいて、
そうした人の話を共有すると、
妻の視点が更に広がったようでした。
■そんな中で、
「子供が大きくなったとき、
自分はどうしていたいか?」
という10年後の話を、
今年の1月くらいにました。
妻もそれに対して
「何かしらの形で
自分の専門性を持っていたい」
「できれば
カウンセリングなどで
人の心の支援をしたい」
と語りました。
じゃあ、やったらいいじゃん!
ということで、
調べ始め
通信制の大学の案内教材を取り寄せ、
また私の大学院の同期生のお話
(検討中の大学に通っていた)
を聞くことで、より現実になっていきました。
■生まれて初めての
「願書」を出し、
そして生まれて初めての
「履修登録」を出し、
この春から、通信制大学の
「心理学」を学び始めることになりました。
そして6年+α後の
「公認心理師」を目指して、
歩みを始めることになりました。
■、、、と、つらつらと
個人的な家庭の話をお伝えしましたが、
こうしたことを書いていて思うこと。
それは、
『自分自身の可能性を探究すること』
とは、やっぱり素晴らしいことだな、
と思ったのです。
妻が高校生のときは、
選択肢がありませんでした。
でも、大人になっても、
それを追求できることは、
そして大学なんて考えたことがなかった、
という人が挑戦できるというのは、
年齢という思い込みや
能力という制約を超えて
その人の可能性に光を当てる取り組みだと思えて、
尊いと感じます。
■そしてそれを実現するのは
『視野を広げる』
ことです。
様々な「リアルなケース」に触れること、
・これまでの土壌を耕す学びの蓄積で
自らの可能性を考え始めた
とか、あるいは手前味噌ですが
・私(紀藤)が大学院に挑戦して、学び
可能性を広げた事例を目の前で見た
というのもあると思います。
一人の学びは連鎖し、
周りに影響を与えられるということもある、
と思ったのでした。
■月並みですが
”大人の学び直し”
が注目されています。
人生をより豊かにする、
という広義の意味の「生涯学習」。
仕事で求められる能力を磨くための
大人の再教育である「リカレント教育」。
いずれも
100年時代だから
VUCAの時代でキャリア自律が求められる、
などの時代背景もあるのでしょうが、
その人のキャリア、
すなわち社会と自分を繋ぐ行動として
言葉よりも重みがある考えだと感じます。
妻にとって、
人生の後半の彼女の人生にとって
とても有意義な学びの旅になると思いますし、
また、短期的にも仕事に役立ちます。
これで発達心理学や学習心理学など
共通言語にすることでプログラム開発などにも連動し、
ますます良いものが届けられるようになるはず。
改めて「学ぶ」ことは
人生を彩る大切なアクションだな、
そんなことを感じた4月でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
チャンスをもたらしてくれるのは、冒険である。
ナポレオン・ボナパルト
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