「単純緊急性効果」の実験 ー”緊急と重要のフレームワーク”を使いこなせる人は、実は少ない?!ー
(本日のお話 2102字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日、沖縄より東京に戻ってまいりました。
沖縄は沖縄でよいですが、
やはり東京の活気がある感じも
これまた魅力的だなあ、と感じます。
土地ごとの魅力がありますね。
*
さて、本日のお話です。
先日ご紹介した書籍
『YOUR TIME ユア・タイム
4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4512638/
に、個人的に感銘を受けております。
そして実際に紹介されているワークなどを
試しておりますが、効果を実感しています。
(改めてお勧めです!)
その書籍の中で、
有名な時間管理術に関する実験について
興味深い内容がありました。
今日はそのお話について
学んだことを皆様にご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう。
タイトルは
【「単純緊急性効果」の実験
ー”緊急と重要のフレームワーク”を使いこなせる人は、実は少ない?!ー】
それでは、どうぞ。
■時間管理術で
とても有名な考え方の一つに
『アイゼンハワーのマトリクス』
があります。
どういうものかというと
横軸に「緊急/緊急でない」
縦軸で「重要/重要でない」
を分けて、4領域で考えるというもの。
すると
・第一領域(緊急である/重要である)
・第ニ領域(緊急でない/重要である)
・第三領域(緊急である/重要でない)
・第四領域(緊急でない/重要でない)
とわかれます。
それぞれの領域に分類される出来事は
人によって異なりますが、一般的に
「第一領域」は、
クレーム対応や病気、締切がある仕事など
「第ニ領域」は
自己投資、人間関係構築、仕組みづくり、勉強、健康管理など
「第三領域」は、
重要でないミーティング、対応を迫られる営業電話など
「第四領域」は、
Youtubeの見すぎ、惰眠、飲み会の四次会など
などが挙げられます。
■では、”時間術”として
どの領域が重要かというと、
「第ニ領域」
となります。
緊急ではないが重要なこと、
すなわち、
・自己投資、計画
・人間関係構築、
・勉強、健康
・仕組みづくり
などなどを計画的に行うことができれば、
能力も向上していくし、メリットも
たくさんあることはなんとなく想像できるはず。
(ベストセラーのビジネス書『7つの習慣』の
第3の習慣 最優先事項を優先する、でも
よく知られたフレームですね)
■さて、こうしてみると、
「計画、自己投資は大事!」
と思うものです。
しかしながら、
では実際にこの「第2領域」に
時間を注ぐことができるかというと、
残念ながら多くの人は、
”この考えを実行することができない”、
と言います。
■その背景となる実験があります。
それが上述でご紹介した書籍でも紹介されていた
以下の論文です。
Zhu, Meng, Yang Yang, and Christopher K. Hsee.(2018).
“The Mere Urgency Effect.”
The Journal of Consumer Research 45 (3): 673–90.
論文のタイトルを日本語訳すると
『単純緊急性効果』
(Mere Urgency Effect)
となります。
■どんな実験内容かいうと
以下のようなものでした。
**
・ジョン・ホプキンス大学による実験で、
203人の男女に「単純な文字列を入力してください」
という支持を与えた
・パターン1:緊急だが重要ではない(第三領域的な仕事)を与える
=報酬は12セント、5分後にタスクの選択権が消える
・パターン2:緊急ではないが重要である(第ニ領域的な仕事)を与える
=報酬は16セント、50分後にタスクの選択権が消える
・普通に考えれば、4セント多く貰えて、時間の余裕もある
「パターン2」の仕事を優先して行うはずだろう
・、、、しかしながら、結果は意外にも、
「パターン1」の制限時間が短いタスクを選んだ人が多かった
・その理由は「もうすぐ期限が切れるから」だけであった
**
とのこと。
■そして、このような緊急性が高いものに
強く反応してしまう現象を
「単純緊急性効果」
と研究チームは呼んだ、、、という話。
(うーん、わかりますね。。。
緊急なことはなんとも言えない引力があります)
■ただ、面白いことに、
以下のこともわかりました。
”多くの人は緊急なことを選んだ一方、
重要なタスク(パターン2)を選んだ人もいた”
とのこと。
じゃあ、どんな人が
単純緊急性効果に流されなかったのか?というと、
「人生において
大事なことが明確だった人」
だったそうです。
つまり、その報酬で
子供にプレゼントを買いたいとか、
本を買いたいとか、
などの大事にしたい目的があった場合、
緊急なことに流されなかった、
つまり「単純緊急性効果」の影響を受けず、
判断することができる傾向があったそうです。
■なるほど、、、面白いですね。
まさにこの話は
『7つの習慣』に通ずるものを感じます。
、、、というのも、
アイゼンハワーのマトリクス(時間管理のマトリクス)の話は、
”第3の習慣 最優先事項を優先する”
(Put first things First)
で紹介されており、「3つ目」です。
そして、その前の習慣とは
”第2の習慣 終わりを思い描くことから始める”
(Begin with the End in Mind)
といい、
自分の人生の目的を思い描くことの大事さを
伝えている内容となります。
■としたときに、
時間術的なテクニックを知る以上に
改めて
「人生において自分は
何を大切にしているのか」
を明確にすることの重要性を
考えさせられます。
何かの名言で、
”あれもこれも大事というのは
どれも大事ではないと同じ”
というのを聞いたことがあります。
皆様にとって
本当に大事にしたいことは何でしょうか?
そんなことを考えてみると
緊急なことにより流されづらくなるのかもしれませんね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
この地上で過ごせる時間には限りがあります。
本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は、
二つか三つくらいしかないのです。
スティーブ・ジョブス
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