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3390号 2023年6月5日

「単純緊急性効果」の実験 ー”緊急と重要のフレームワーク”を使いこなせる人は、実は少ない?!ー

(本日のお話 2102字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日、沖縄より東京に戻ってまいりました。

沖縄は沖縄でよいですが、
やはり東京の活気がある感じも
これまた魅力的だなあ、と感じます。
土地ごとの魅力がありますね。



さて、本日のお話です。

先日ご紹介した書籍

『YOUR TIME ユア・タイム
4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4512638/

に、個人的に感銘を受けております。

そして実際に紹介されているワークなどを
試しておりますが、効果を実感しています。
(改めてお勧めです!)

その書籍の中で、
有名な時間管理術に関する実験について
興味深い内容がありました。

今日はそのお話について
学んだことを皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう。

タイトルは

【「単純緊急性効果」の実験
ー”緊急と重要のフレームワーク”を使いこなせる人は、実は少ない?!ー】

それでは、どうぞ。

■時間管理術で
とても有名な考え方の一つに

『アイゼンハワーのマトリクス』

があります。

どういうものかというと

横軸に「緊急/緊急でない」
縦軸で「重要/重要でない」

を分けて、4領域で考えるというもの。

すると

・第一領域(緊急である/重要である)
・第ニ領域(緊急でない/重要である)
・第三領域(緊急である/重要でない)
・第四領域(緊急でない/重要でない)

とわかれます。

それぞれの領域に分類される出来事は
人によって異なりますが、一般的に

「第一領域」は、
クレーム対応や病気、締切がある仕事など

「第ニ領域」は
自己投資、人間関係構築、仕組みづくり、勉強、健康管理など

「第三領域」は、
重要でないミーティング、対応を迫られる営業電話など

「第四領域」は、
Youtubeの見すぎ、惰眠、飲み会の四次会など

などが挙げられます。

■では、”時間術”として
どの領域が重要かというと、

「第ニ領域」

となります。

緊急ではないが重要なこと、
すなわち、

・自己投資、計画
・人間関係構築、
・勉強、健康
・仕組みづくり

などなどを計画的に行うことができれば、
能力も向上していくし、メリットも
たくさんあることはなんとなく想像できるはず。

(ベストセラーのビジネス書『7つの習慣』の
第3の習慣 最優先事項を優先する、でも
よく知られたフレームですね)

■さて、こうしてみると、

「計画、自己投資は大事!」

と思うものです。

しかしながら、
では実際にこの「第2領域」に
時間を注ぐことができるかというと、

残念ながら多くの人は、
”この考えを実行することができない”、
と言います。

■その背景となる実験があります。

それが上述でご紹介した書籍でも紹介されていた
以下の論文です。

Zhu, Meng, Yang Yang, and Christopher K. Hsee.(2018).
“The Mere Urgency Effect.”
The Journal of Consumer Research 45 (3): 673–90.

論文のタイトルを日本語訳すると

『単純緊急性効果』
(Mere Urgency Effect)

となります。

■どんな実験内容かいうと
以下のようなものでした。

**

・ジョン・ホプキンス大学による実験で、
203人の男女に「単純な文字列を入力してください」
という支持を与えた

・パターン1:緊急だが重要ではない(第三領域的な仕事)を与える
=報酬は12セント、5分後にタスクの選択権が消える

・パターン2:緊急ではないが重要である(第ニ領域的な仕事)を与える
=報酬は16セント、50分後にタスクの選択権が消える

・普通に考えれば、4セント多く貰えて、時間の余裕もある
「パターン2」の仕事を優先して行うはずだろう

・、、、しかしながら、結果は意外にも、
「パターン1」の制限時間が短いタスクを選んだ人が多かった

・その理由は「もうすぐ期限が切れるから」だけであった

**

とのこと。

■そして、このような緊急性が高いものに
強く反応してしまう現象を

「単純緊急性効果」

と研究チームは呼んだ、、、という話。

(うーん、わかりますね。。。
緊急なことはなんとも言えない引力があります)

■ただ、面白いことに、
以下のこともわかりました。

”多くの人は緊急なことを選んだ一方、
重要なタスク(パターン2)を選んだ人もいた”

とのこと。

じゃあ、どんな人が
単純緊急性効果に流されなかったのか?というと、

「人生において
大事なことが明確だった人」

だったそうです。

つまり、その報酬で

子供にプレゼントを買いたいとか、
本を買いたいとか、

などの大事にしたい目的があった場合、
緊急なことに流されなかった、

つまり「単純緊急性効果」の影響を受けず、
判断することができる傾向があったそうです。

■なるほど、、、面白いですね。

まさにこの話は
『7つの習慣』に通ずるものを感じます。

、、、というのも、
アイゼンハワーのマトリクス(時間管理のマトリクス)の話は、

”第3の習慣 最優先事項を優先する”
(Put first things First)

で紹介されており、「3つ目」です。

そして、その前の習慣とは

”第2の習慣 終わりを思い描くことから始める”
(Begin with the End in Mind)

といい、
自分の人生の目的を思い描くことの大事さを
伝えている内容となります。

■としたときに、
時間術的なテクニックを知る以上に

改めて

「人生において自分は
何を大切にしているのか」

を明確にすることの重要性を
考えさせられます。

何かの名言で、

”あれもこれも大事というのは
どれも大事ではないと同じ”

というのを聞いたことがあります。

皆様にとって
本当に大事にしたいことは何でしょうか?

そんなことを考えてみると
緊急なことにより流されづらくなるのかもしれませんね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

この地上で過ごせる時間には限りがあります。
本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は、
二つか三つくらいしかないのです。

スティーブ・ジョブス

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