「効果的な対話の場」をつくるための3つのステップ
(本日のお話 2596字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
現在、岐阜県に来ております。
明日朝4時にいよいよ
「飛騨高山ウルトラマラソン(100km)」が
スタートでございます。
降水確率90%ですが(苦笑)
頑張ってまいりたいと思います。
また、昨日金曜日は
ストレングス・ファインダーを活用した
チームビルディング研修の実施、
そして夕方からは大学院の授業
『人材開発・組織開発実践論』のサポートでした。
*
さて、本日のお話です。
昨日私が関わらせていただいた研修でも
”対話の大切さ”
をお伝えしたところ
夕方からの大学院の授業でも
・ワールドカフェ、
・OST(オープンスペーステクノロジー)
など対話の大切さを
考えさせられるワークが題材であり、
改めて
「対話の場の作り方」
について大切な事を考えさせられました。
今日はそのお話について
感じたことをお伝えさせていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【「効果的な対話の場」をつくるための3つのステップ】
それでは、どうぞ。
■研修で頻繁に
目にする形態の一つが
「グループワーク」
です。
ただ、面白いもので
同じお題と設定で
同じような説明をしても、
その”場”に応じて
違う雰囲気に、そして結果に
なることが頻繁に起こるものです。
ある会社の中堅社員に行った際は、
「このワークは、ぜひ
自分のチームでも行いたいです!」
と目を輝かせながら
発見と高揚の色を放つ参加者が多く生まれる
”場”もあれば、
また別の会社の
特定のグループに行った際は
「うーん、まあ別に、、、
特にないっす」
と歯に物が挟まったような
言い方をするような場になることもあります。
■”対話の場”とは、
まさに生き物のようです。
そこに影響する要因は
個人的な特性もあれば
参加者の関係性もあれば、
ファシリテーションの場作りの影響など
いくつかの要素が絡み合ってきます。
個人的な特性や
参加者同士の元々の関係性を
一瞬で変える事は難しいとしても、
運営する側の視点に立ったとき、
大切なことは、
”効果的な対話の場をつくるために
どのような工夫ができるか”
の1点に尽きるように
個人的には思います。
■そんな中、
”「対話」が活性化する場づくり”
について、
先日の大学院の授業で、
参加者の皆様が作られたプログラムに
立ち会わせていただき、
大事なことを改めて
思い出させられたように感じたのでした。
詳細は割愛いたしますが、
そのワークの内容はとても暖かく、
熱量が高い場であったと感じました。
それは、
・参加者の姿勢がオープンであり、
自由闊達である
・お互いの意見を尊重し、
受け止め合っている
・双方の意見に刺激され
新しいアイデアが生まれる
(そして高揚感や満たされた感情が生まれる)
という様子がオンライン上でも
伝わってきました。
見ている側まで楽しくなる場でした。
■では、何がそうさせたのか?
と考えてみると、
第一に、
「参加者同士の関係性」
(お互いに信頼・尊重しており繋がりが強い)
が土台にあること、
これは間違いなく影響していました。
そして、ここが大事だと思うのですが
第ニとして
「企画者の愛ある工夫」
(プログラム設計、ファシリテーション、運営など)
があると感じたのでした。
■「企画者の工夫」
なんていうと言葉にすれば一言ですが、
実に奥深いものです。
・ファシリテーターの
小さな言葉遣いや配慮、
・資料のわかりやすさ
スライドの美しさやカラフルさ、
(準備は思いが伝わる)
・遊び心やユーモアのある姿勢
(運営が固いと、対話も固くなる)
などなど
その場を織りなす
一つひとつのシグナルから
「楽しんで欲しいという姿勢が伝わってくる」
「ここは自由に話をして良い場なのだ」
という安心感が参加者の中に生まれ、
そして率直な話が実現されていく、、、
と感じたのでした。
■そうした
「参加者が活性化する
対話のための工夫」を
午前中の研修を経てた上で、
大学院の仲間のワークを見て
我が身を振り返りつつ
考えさせられた、、、
という時間だったな、、、という話。
■さて、
そんな私の感想のようなものを
つらつらと書いてみましたが、
曰く、
『対話が集合知に繋がる構造』
として、ある著書では、
以下の3つのステップで
説明がされています。
まず最初が
(1)コンテクスト(文脈)
です。具体的には
・「安全な場」
(対立しても壊れない、立場を離れる、人格とアイデアは別、グランドルール)
・「参加者の姿勢」
(オープンに聴く、オープンに話す)
・「意識の集中」
(テーマに意識を集中する)
が必要である、とします。
*
そして、次に
(2)プロセス
です。具体的には
・「会話の質の変化」
をコンテクスト(文脈)により
生みだす、いいます。
ダイアログ(対話)には
以下の4つの場があるとし、
・社交(なんとなくのおしゃべり)
・対立(違った意見で対立が起こる)
・探求(第三案を探そうとする)
・生成(第三案が生まれる)
コンテクストによって
その対話の質が変化する、とします。
*
そして、最後に
対話の質が変化すると、何が生まれるのか?
というと
(3)コンテンツ(結果)
としての
・「集合知の生成」
が起こる、すなわち
・1人では考えられなかったアイデア
・チームの合意や受容の感情
などが生まれる、とします。
(※参考:香取一昭、大川恒(2011)『ホールシステムアプローチ』日本経済新聞社 P45)
■どのような対話の場にしたいのか?
によって、プログラムの設計は
変わりますし、
対話といっても
温かい対話の場もあれば、
意図的な対立(心理的抵抗)に
向き合う必要がある場面も、
もちろんあるでしょう。
ただ、一つ昨日の場では
(1) コンテキスト(文脈)として、
・「安全な場」
・「参加者の姿勢」
・「意識の集中」
が保たれており、
・安全な場をつくるための工夫、
・参加者の姿勢がオープンになるための
運営側の姿勢の表現
・参加者の興味が集中できる
テーマの設定などがされている
などの影響もあり、
活発な対話の場が
生まれたのだろうな、、、
そんな事を感じさせられたのでした。
■つい、
人を集めて、
お題を設定して、
とりあえず対話して、、、
と安易になりがちなことも
実は少なくないように思いますが、
「対話の場が活力を持つための
様々な工夫に骨身を砕くこと」
こそが、
運営側に求められていることであり、
そのためには、抽象的ですが
参加者に対する「愛」のようなものを持って
企画、運営する必要があるのだろうな、、、、
と感じたのでした。
一つ一つの場を、
大切にしていきたいものだ、
改めてそのように思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
あなたが他人に対して尊敬と思いやり、
そして暖かい心を抱いていれば、
それは気温や空気の香りのようにまざまざと相手に伝わります。
そしてあなたの人間関係は肯定的なものとなります。
ロバート・コンクリン
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