コミュニケーション過多 VS コミュニケーション不足、どちらが問題なのか? 答えはコレだ ~論文からの示唆~
(本日のお話 2360字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、
朝から大学院の仲間と10kmのランニング。
昼からはお世話になっている方との
家族合同でのもんじゃ焼きの会でした。
最近の流行りものについて
(アイドルとかアニメ『推しの子』とか)
勉強になる時間でもありました。
アイドル界すごい・・!
*
さて、本日のお話です。
今月号のハーバードビジネスレビューに
「コミュニケーションにまつわる
とある論文」
が紹介されていました。
この内容が興味深く、また
実践の示唆に富む内容でした。
ということで今日はこの論文からの学びを
皆様にご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【コミュニケーション過多 VS コミュニケーション不足、どちらが問題なのか?
答えはコレだ ~論文からの示唆~】
それでは、どうぞ。
■コミュニケーションは、
適切な量が望ましいです。
少ないのも問題ですが、
多すぎるのもまた問題。
以前、私が働いたことがある
ある上司の方は相談をすると、
「ものすごく丁寧に教えてくれる」
のでした。
、、、しかし、
”懇切丁寧すぎて、
めちゃくちゃ情報量が多い&長い”
という副作用がありました(汗)
なかなか話も遮れないのですが
そのときに、
「ありがたいおだけど、
もうちょっとコンパクトに
コミュニケーションがとれたらなあ」
と思った記憶があります。
■とはいえ
・結論しか言わない
・ポイントしか喋らない
というのも、
これはこれで物足りなかったり、
不安になったりもします。
ですが、
「指示やコミュニケーションは
簡潔で短いほうがイイ」
「迷うことも少ないし、
効率もいいからそっちのほうがスキ」
という人もいるようす。
■、、、というように
「コミュニケーション過多」と
「コミュニケーション不足」
どちらもそれぞれ
課題があるようですし、
果たして総合的に
どちらが望ましいのか、、、
これは気になるところです。
■そんな中、
その答えを示唆する論文がありました。
それは、
『Communication Miscalibration: The Price Leaders Pay for Not Sharing Enough』
FJ Flynn, CR Lide(2022)./ Academy of Management Journal
(コミュニケーションの誤算:共有が不十分なリーダーが払う代償)
という論文です。
さて、では上記の論文は
どういう内容なのでしょうか。
以下、簡単に内容をまとめてみます。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<論文の趣旨>
・リーダーのコミュニケーションは、
過剰でも不足でも問題とされることがある。
・しかし、コミュニケーション不足の方が、
コミュニケーション過剰よりも厳しく評価される傾向がある。
・研究者が調べたところ、2717件のリーダーシップ評価コメントから、
「コミュニケーション不足」を指摘される可能性は、
「コミュニケーション過多」を指摘される可能性の約10倍であった。
・1つ目の研究では、
この傾向について米国成人の代表サンプルを用いて
更なる証拠を見つけた。
・2つ目の研究では
コミュニケーション不足のリーダーは「共感性が低い」とみなされ、
「リーダーシップ資質が欠けている」と評価されることが明らかになった。
・3つ目の最後の研究では、
従業員が上司のコミュニケーションをどのように認識し、
何を好むかを別々に測定した。
ちなみに、ほとんどの従業員は
「マネジャーは自分が臨むよりもコミュニケーションが遥かに少ない」と答えた。
コミュニケーションに関する認識と好みが一致しない場合、
従業員はリーダーに共感性がないと判断すし、
そして、共感性の欠如はリーダーシップの能力も低い
という評価につながることがわかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど、、、。
繰り返しになりますが、
ポイントとしては、
1,コミュニケーションが多すぎるよりも
少なすぎるのほうが問題として認識されることが
圧倒的に多い(なんと10倍・・・!)
そして、
2,コミュニケーションが多すぎても少なすぎても
求めるものと一致していないと「共感性がない」と思われ
「リーダーシップの能力に欠ける」と思われる。
しかし
3,割合としては、従業員はもっと多くの
コミュニケーションを求めている傾向がある。
どちらかというと「コミュニケーション不足」の課題に
焦点を当てたほうがよいかもしれない
と示唆しています。
■もちろん、
空気を読めずに
話しまくるのはこれはこれで問題です。
しかし、どちらかというと
よくあるパターンは、
”少なすぎる”
ほうが問題になりがち。
それはもしかすると
「相手もわかっているはずだし」
と思って、遠慮して
しまうのかもしれないし、
「やたら話をするのは恩着せがましいし、
効率も悪い(残業もあるし)」
と思って敢えて
口数を減らしていることもあるのかもしれません。
■しかし、この論文では
「少なすぎる問題」
のほうがより課題と考えているようです。
そしてそれは
上司と部下の間だけではなく、
夫婦の間でも、親子の間でも、
そうなのかもしれません。
論文の結果でも
「基本、従業員はもっと
コミュニケーションを求めている」
とありましたが、
それくらい
普段頭の中で思っていても、
実際にはたくさんの情報で
世の中は溢れているゆえに
伝わっていないこともあるし、
だからこそ「言い過ぎなくらい」で
ちょうどよいのかもしれないな、、、
そんな事を感じさせられました。
■私も、
プロジェクトやミーティングなどで、
最近あったことや思っていることを
喋りまくってしまう傾向があり、
ちょっと我慢することがありますが
黙っていて
意図が伝わらないリスクよりも、
「多めに話して
多すぎたら調整する」
くらいのほうが、
バランスとしてはちょうど良いのかもな、
そんなことを考えさせられた記事でした。
、、、ということで、
『コミュニケーション過多は問題ではない』
というハーバードビジネスレビューのタイトル、
胸に留めおきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人々が孤独なのは、
橋を架ける代わりに壁を築いているからである。
ジョセフ・フォート・ニュートン
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