今週の一冊『女性の視点で見直す人材育成――だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる』
(本日のお話 2111字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
さて、毎週日曜日は
お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は
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『女性の視点で見直す人材育成――だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる』
中原 淳 (著), トーマツ イノベーション (著)
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です。
■今週の日経新聞で
”男女平等、達成率68% 政治・経済の壁なお”
世界の格差指数 日本、過去最低の125位”
(2023/6/22号)
という記事がありました。
曰く、
世界経済フォーラム(WEF)が発表した
2023年の男女平等の度合いを示す
ジェンダー・ギャップ指数で、
日本は146カ国中125位と過去最低になった、
という内容です。
特に経済分野での課題は、
「女性管理職比率の低さが足を引っぱる」
と指摘されていました。
■どんなルールもその場にいると
それが当たり前と感じられるものです。
私も日本でしか働いたことが
ありませんが、
・男性管理職が主に活躍している
・仕事にバリバリ精を出している
みたいな状況は見慣れています。
でも、やはり
上の立場の人になるほど、
「家庭に時間を割くことができていない」
という人はよく見聞きします。
少し前に
ある伸び盛りの会社で働く
知人から聞いた話だと
「上層部の人は、
なぜだかほとんど離婚をしている」
という話を聞いた時は、
なんだか複雑な気持ちになりました。。。
■そして、やはりこの状況は
世界的な基準からすると
遅れていると言わざるをえないようです。
それにはいくつかの複合的な
理由があると思うのですが、
その中で、経済的な側面での
ジェンダー・ギャップの足かせになっているのが
「女性が働きやすい職場の環境が
整っていないこと」
なのでしょう。
■では、何に焦点を当て、
何を理解して、
何をどうすれば、
女性の視点から働きやすくなるのか?
、、、このことについて
立教大学の中原教授と
トーマツイノベーションの研究で
7400人のリサーチを含めて
”職場の科学”
として解き明かした本が
この一冊になります。
組織を変えるためには、
1、現状を知る(見える化し)
2,対話をする
3,未来をつくる
というステップが必要と
組織開発の大きな流れとして
語られますが、
まず第一歩は「現状を知る」こと。
今の職場の現状について、
データを元に科学しているのが
本著書の魅力であると感じます。
■どのようなデータかというと、
例えば、まさに上述の
日経新聞でも語られていたような
「女性管理職比率の国際比較データ」
はもとより、
・女性管理職がいたほうが
企業としても好業績な傾向がある
という事実、そして
・男性・女性の比較で、
働く上で重視していることはなにか?
(→女性のほうがより「やりがい重視」である)
・女性にはロールモデルがいないから
問題とする議論は正しいのか?問題
(→実際は7割の女性が「ロールモデルがいる」と回答)
・女性が昇進を諦める理由
・女性には「引き上げてくれる上司」が乏しい傾向
などなど
女性の視点でみた
職場のヒントが事実と解説を含めて
わかりやすく語られています。
■本著書を読むことを通じて
「憶測で課題を見て、
憶測で対策をする」
のではなく、
「事実に基づいた対策」
が見えてくるとおもいます。
そしてそれは、
女性だけではなく
これからの人たちが働きやすい
長く人が活躍できる職場づくりを目指すことと
同じことを意味するように思います。
・「遅くまで頑張っているのが偉い」
・「給与など報酬が高まるとやる気が出るはず」
・「女性は分析や戦略立てが苦手」
というような、
我々にいまだ根付いているであろう
無意識のバイアス(アンコンシャス・バイアス)に
気づくきっかけを与えてくれるのでしょう。
以下、著書の紹介です
(ここから)
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【7400人の徹底リサーチ × 人材開発の研究・理論】
「優秀な人材が辞めていく…育たない…」と悩む
マネジャー・人事担当者・経営幹部必携!!
あなたの「育成力」を高め、
最高のチーム力を引き出す「職場の科学」!
■「女性のため」だけの本ではありません!
本書は「スーパーウーマン」個人の成功体験に依拠して、
女性の活躍を「応援」するだけの本ではありません。
スタッフ、リーダー、マネジャー、ワーキングマザーという
「4つのトランジション」に注目しながら、
世界最大規模のリサーチ結果をもとに、「女性の働く」を徹底的に科学!
■掲載した分析データ・図解はなんと80点超!
→「なぜ昇進したがらない女性が多いのか?」
→「仕事の重視ポイントに男女の違いはあるのか?」
→「女性マネジャーはどこに課題を感じやすいのか?」
→「ワーキングマザーを部下に持つ管理職はどこに注意すべき?」
豊富な分析結果からは、「意外な事実」も見えてきます。
多様性の時代、「勘・経験・度胸」に頼る人材育成は、もはや通用しません。
女性を含め、だれもが働きやすい「最高の職場」をつくるために
「これからの人材育成」のエッセンスを凝縮した一冊です。
※Amazon 本の紹介より
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(ここまで)
■こうした認識を多くの人が持ち
対話がされることが
まず持って必要なことなのかもしれない、、、
今週の新聞も併せて
そんな事を思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『女性の視点で見直す人材育成――だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる』
中原 淳 (著), トーマツ イノベーション (著)
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