「組織における強みの活用」の全体マップはコレだ! ー最新論文からの知見(その1)ー
(本日のお話 2305字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
さて、本日のお話です。
引き続き、本日も
「強みの活用」をテーマに
論文のご紹介ができればと思います。
(しつこいようで恐縮ですが
ガンガン掘り下げさせていただきます・・・! )
です。
さて、最初にお伝えすると、
今日の論文は、非常にアツいです。
内容は、
”組織の文脈において
「強みの活用」がどういう影響を与えるのか
網羅的に考察した最新論文”
とでもいいましょうか。
新しい論文だけあって、
様々な研究者の語られてきた内容をまとめた
「総集編感あふれる論文」で、
私も大変勉強になりました。
、、、ということで、冒頭から
少し長くなりそうな予感満載なので
何回かに分けてじっくりと学びの共有を
させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「組織における強みの活用」の全体マップはコレだ!
ー最新論文からの知見(その1)ー】
それでは、どうぞ。
■いやー、来ました。
前から探していた
「組織」✕「強みの活用」に関する論文。
私がかつて見てきた内容を
まとめて伝えてくれるような論文。
(そんなに大して読んでるわけじゃないので
全く偉そうにいえないのですが、、、汗)
さて、そんな論文のタイトルは
『組織における強みの活用の考察:マルチレベルの構成要素として』
※原題:
Woerkom, Marianne van, Maria Christina Meyers, and Arnold B. Bakker. (2022).
”Considering Strengths Use in Organizations as a Multilevel Construct.”
Human Resource Management Review 32 (3): 100767.
です。
■余談ですが、
「強み」に関連する論文は
"アメリカ・ポジティブ心理学会"
(American Psychologicak association)
で見つかる事が多いです。
理由は「強み」はポジティブ心理学の文脈から始まり、
また個人の変化として捉えられることが多いからかと。
一方、今回の論文は、
”人的資源管理レビュー”
(Human Resource Management Review)
とのことで、
組織よりのワーディング(人的資源)があり
より組織の文脈で語られていることで
勝手に期待が膨らんでおりました。
(そんなに学会のことを知らないので
すみません、名前からの想像でございます・・・)
■さて、この論文では
一体どのようなことが書かれているのか?
それを理解する上で
全体の構成を見てみたいと思います。
こんな内容となっております。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<論文『組織における強みの活用の考察:マルチレベルの構成要素として』>
1,はじめに
2,組織における強みと個人の強みの活用
3,個人の強みをチームで活かす:集団的強みの活用に向けて
3.1 強みの認識
3.2 強みの信頼性
3.3 強みの強調性
4,個人の強みと集団的強みの活用の関係
5,集団的強みの活用が生まれる背景要因
5.1 強みに基づく風土
5.2 強みの多様性
6,集団的強みの活用によるチームレベルの成果
7,トランザクティブ・ストレングス・システムがもたらす個人レベルの成果
8、境界条件
9,ディスカッション
9.1 実践的な意味合い
9.2 結論
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■、、、はい、
章だけではよくわかりません(汗)
なので「1,はじめに」より
本論文の目的で語られている内容を
短くまとめてみました。
いわく、本論文の目的は、
このような話です。
**
1,「組織における強みの活用」をより深く理解する
2,「チームが個々のメンバーの強みをどのように活用しているか」を調査する
3,「トランザクショナルメモリー理論」(=チームの誰が何を知っているかを理解する)を活用した
強みの認識・信頼・調整を行うことによるチームのパフォーマンス向上の可能性をみる
**
とのこと。
ふむ、なるほど。
でも、まだまだめちゃ幅広です。。。
よって、私の感想も踏まえて
半ば強引にコンパクトにすると、
”組織における強みの活用について、
代表的な理論を用いながら
その影響の全体像を構成してみよう!”
という論文であろうかと、と思います。
■実際に読み進めてみると、
実に多くの理論、論文が引用・
参考にされていることに気づきます。
そして、
『組織における強みの活用の全体マップ』
として表してみると、
以下のような形であるそうです。
(このモデルがポイントです)
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<モデル「集団的強みの活用の先行要因と結果」>
(先行要因)
「強みの多様性」
「強みに基づく風土」
↓
「個人の強みの活用」
「チームでの強みの活用(強みの認識・信頼・協力)」 ←「タスクの複雑性」が調整
↓
(一次的成果)
「個人のワークエンゲージメント」
「チームのワークエンゲージエント」
「チーム学習」
↓
(二次的成果)
「個人のパフォーマンス」
「個人のパフォーマンス」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
という内容です。
■メルマガなので
図としてお見せできないのが残念。
ですが、
上記の先行変数と成果変数の流れを見ても、
色々な疑問が湧いてきそうです。
たとえば、
・「強みの多様性」って、そもそもなんだ?
・「強みに基づく風土」ってなんだ?
・そもそも風土って、成果に影響するの?
・「強みの活用」ってどう測るの?
・「チームでの強みの活用」の定義とは?
個人での活用とどう違うの?
ってか、どう測るの?
、、、などなど。
いくつもの疑問が浮かんできます。
■しかし、この論文の
素晴らしいところは、
上記の問いのそれぞれについて、
”背景理論や先行研究を抑えた上で
シンプルかつ端的に答えている”
ところ。
ゆえに、一つ一つの話が
たいへん説得力を持っています。
■と、抽象的な話ばかりで
なんとも掴みづらいのですが、
具体的に一体どんな内容なのか?
について、1章以降を
順に紐解いて行きたいと思います。、
、、、が、長くなってしまいましたので
明日に続けたいと思います。
それではまた明日!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
効果だと?影響だと?役に立つかだと?
人間は自分のなすべきことをなせばよいのだ。
仕事の成果は、自分以外の人が気にかけることだ。
トーマス・カーライル
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