今週の一冊『2040年「仕事とキャリア」年表 ―日本の「雇用制度」は崩壊した』
(本日のお話 2555字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
気づけば本日で3500号!!
、、、といいつつ、もはや嬉しいとか、達成感とか
それらの感情は湧きませんが(苦笑)
どこまでいけるか、コツコツ続けてまいります。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は
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『2040年「仕事とキャリア」年表 ―日本の「雇用制度」は崩壊した』
植田 統 (著)
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です。
■「2030年、あるいは2040年
世界はどうなる?!」
こうしたシリーズ本ですが、
ここ数年で急激に増えてきた印象があります。
*
実は、6年ほど前から、
キャリア研修の一部として、
「2030年の未来を考える」
というワークを毎年実施しています。
関連して私自身も毎年、
これらのテーマの書籍を見直しているのですが、
以前は、
『未来の年表 人口減少社会で起こること』
『2030年 世界はこう変わる』
等の大きめのシナリオ
(日本の未来はどっちにせよ悲観的ですが)
しか提示されていなかったのが、
最近はリアルに予測した本も
目にするようになってきた印象です。
(本が変わったのか、
自分の受け止め方が変わったのかはわかりません)
■いずれにせよ、
関連する本が出ているということは
「これから私達、どうなっていくの??」
という未来の変化が
多くの人の興味を集めていることは
間違いなさそう。
■さて、その中で本書の特徴は
『2040年の「仕事とキャリア」』
とテーマを「仕事とキャリア」に絞って
大胆に予測していることです。
「未来」のことを考えた時
「世の中の変化」には、
・政治的な側面
・経済的な側面
・社会的な側面
・技術的な側面
など多方面から分析が可能であり、
広げてみてみれば、
政治(外交問題、雇用問題、年金システムなど)
経済(日本経済全体、円安、インフレの可能性など)
社会(少子高齢化、人口減少・過疎化による自治体消滅、都市集中、ダイバーシティなど)
技術(通信技術:5Gの一般化、ナノテクノロジー、生成AIの高度化・一般化、医療の発展など)
と、一つずつでも一冊ずつ本が書けるくらい
幅広く、変数も多く、正確な予測は困難です。
■その中で、本日ご紹介の本書、
『2040年「仕事とキャリア」年表』
においては、
ほぼ確実にそうであるという、
”男性中心のメンバーシップ型雇用が
すでに限界を迎えていることと
今後はジョブ型雇用に変わっていく”
という視点にフォーカスをして、
その上で、これからの20年、
国に何が起こり、経済に何が起こり、
企業に何が起こり、そして働く私達に何が起こっていくのかを
丁寧に予測しています。
■まず、第一章では
『ついに日本でも始まるアメリカの「ジョブ型雇用」とは?』
とし、その内容が端的に紹介されます。
そこには、社員がどのように評価、採用されるのかが示されて、
”あなたは何ができるのか?”で見られる世界について書かれています。
その上で、第二章では、
『日本の雇用制度はすでに崩壊している?!』
というタイトルで、
日本が仕事とキャリアにおいて
”ガラパゴス化している”という点について
筋道を立てて解説をしていきます。
元々のメンバーシップ制度が生まれた背景、
終身雇用・定年制が企業にとって有利だったものは
すでにそうではなくなり、これからますます顕在化してくる、、、
その論拠をわかりやすく述べています。
そして、第三書では
『激動の20年を大胆予測!未来の「仕事とキャリア」年表』
として、これから仕事とキャリアにおいて
起こるであろうことを具体的に記述していきます。
その内容は、すぐに大激変があるわけではなく、
メンバーシップ型を維持しようとする会社は8割はあるだろう、
しかし、それでも市場の変化によって
それとあっていない制度はさまざまな問題が顕在化するとします。
(採用もできない、若手が転職する、人件費が圧迫されていく等)
■読み進めると、
・働く期間が延長していく
・日本的なサラリーマンの働き方は少なくなる
・個人のキャリア自律が確実に求められていく
ことが、これから起こりうる
濃厚なシナリオとして想像できます。
もう、避けて通れない未来でしょう。
■全体的に、わかりやすく、読みやすく、
説得力があります。
そして、読むと、
「自分のキャリアに、自分で責任を持つ」
「学ぶこと、挑戦すること」
が、私達にとって重要不可欠なことであると
思わずにはいられない本です。
もちろん、
不安・心配を糧にして生きることだけが
全てではないと思います。
しかし、自分らしく、
大切なことを大切にしながら生きるためにも
「目を向けるべきことには目を向ける」ことも
同時にとても大事なことです。
そのための、一つの視点を与えてくれる、
そんな本だと感じました。
■ということで以下、本書の紹介です。
(ここから)
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今から20年後には、日本から「サラリーマン」が消滅するーー。
ショッキングな話だが、おそらく、現実はその通りになる。
新卒一括採用、年功序列、終身雇用、定年退職制度……
日本の「雇用制度」はすでに限界。日本はアメリカの「ジョブ型雇用」に
切り替えなければ、もう、もたないのだ。
今後20年の「地殻変動」を大胆に予測してみよう。
2025年 「大リストラ時代」の幕開け
2029年 若手社員の「転職」が激増
2031年 サラリーマン「超格差社会」の到来
2037年 日本企業から「若手社員」が大量流出!?
2039年 ついに年金崩壊!? 「生涯現役」の時代へ
そして2043年ーー日本から「サラリーマン消滅」!?
この先20年、「仕事に困らない」ために、何を始めるかーー。
「新しい時代」の「新しい働き方」に備えよう!
■目次
1章 ついに日本でも始まるアメリカの「ジョブ型雇用」とは?
将来の日本でも、社員は「3つの階級」に分けられる
ジョブ型雇用では、社員はどう採用される?
ほか
2章 日本の「雇用制度」はすでに崩壊している!?
日本は、仕事もキャリアも「ガラパゴス化」している
日本で「スペシャリストが育たない」のは、なぜ?
ほか
3章 激動の20年を大胆予測!未来の「仕事とキャリア」年表
2023年 学生の就職先ランキングを「外資系企業」が独占
2025年 「大リストラ時代」の幕開け。「70歳現役時代」の到来
ほか
4章 将来、「仕事とキャリアに困らない」ための準備
まずは、自分のキャリア・ビジョンを描く
仕事とキャリアの「相談相手」を最低2人見つける
ほか
※引用:Amazon本の紹介より
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(ここまで)
■本を読みながら
・自分の軸を大事にする
(=内的キャリア、キャリアアンカーの考え)
だけではなく
・変化する市場の中で、サバイブする
(=外的キャリア、キャリアサバイバルの考え)
この両者をバランスさせるために、
本書のような視点を持っておくことが
有用なことになるとした、キャリアの考え方を思い出しました。
変わり続けることを受け入れ、
自分に投資し、これからの未来への航海を
楽しく泳いでいきたい、、、
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『2040年「仕事とキャリア」年表 ―日本の「雇用制度」は崩壊した』
植田 統 (著)
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