2組のサンタから学ぶ、「使命」の意義
(今日のお話 2038文字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
先日は4件のアポイント。
少し前の話ですが、先週参加した、
「ダイヤモンド経営塾」にて、
”ピーター・ドラッカーの『5つの質問』”
についてお話を聞く機会がありました。
ドラッカーと言えば、
「マネジメントの神様」とも称される有名人。
著書をお読みになられた方も、
いらっしゃるのではないかと思います。
そんな、
”ドラッカーの5つの質問”の中で、
一番最初の質問とは、何なのでしょうか。
それは、
『われわれの使命は何か?』
というものでした。
今日はこのお話について、
ドラッカー塾の代表もされている
国永秀男先生のお話から、
学んだことを共有させて頂きたいと思います。
■しばしばビジネスでは、
”企業には、使命(ミッション)が大事である”、
という話を耳にすることがあります。
そしてドラッカーの質問でも、
同様に「使命が何か?」を考えることが、
経営者にとって必須の質問である、
といいます。
では、なぜ
「使命」が大事なのでしょうか?
この答えについて、
ドラッカー塾の代表でもある国永先生は、
このような例え話で説明されました。
例えば、こんな話。
2組のサンタの例え話です。
クリスマス・イブの夜に、
2組のサンタの集団がいるとします。
設定としては、12月24日の夜、
ある町で子供たちにプレゼントを配るために、
サンタ達が集まった、というイメージ。
(一応、「複数いる」という設定です)
1組のサンタ・グループには、
「使命」があります。
サンタの使命とは何か?
恐らく、代表的な答えとしては、
「子供に夢を与えること」
「子供を喜ばせること」
などではないでしょうか。
クリスマス・イブの夜
トナカイのソリに乗って、
子供達に気付かれないようにそっとプレゼントを届け、
その喜んだ顔を想像して、嬉しくなる。
「使命を持ったサンタさん」を想像すると、
そんなイメージが沸いてきそうです。
■さて、もう一組のサンタさん。
こちらは、「使命」がありません。
何となく集まってきたサンタたちです。
日雇いバイト的なイメージで、
「お金」目的だったり、
「出会い」目的だったりするかもしれません。
そんな彼らにマネージャーから、
24日の夜、指示がされます。
「使命」は含まれませんので、
作業内容だけ伝えられます。
イメージとしては、
こんな感じでしょうか。
「今夜、皆さんは子供たちに、
この品物を届けてもらいます。
届け先と中身は、このリストにある通りです。
書いてある順番で、回ってください。
ちなみに、届け方にも規定があります。
雪が積もっている屋根に上って、
煙突から気付かれないように注意して入ってください。
子供たちの枕元に靴下がありますから、
そこへプレゼントを忍ばせてください。
そして入ってきた煙突から帰ってください。
気付かれては、ダメですよ。
それを合計200件、1晩中に回ってください」
そして、それに準じて、
家をひたすら回っていく・・・
■さて、ではこの2組のサンタ達。
「使命のあるサンタクロース」と、
「使命のないサンタクロース」。
比較をしたときに、
どういった仕事の姿勢の違いがあるでしょうか?
またプレゼントを配っている時の気持ちは、
どう違ってくるでしょうか?
恐らくですが、
「使命のあるサンタ」は、
子供たちの笑顔を想像したり、
モチベーション高く行動したり、
活き活きとプレゼントを届けたり、
多少辛くとも、活き活きと頑張っていそうです。
しかし、
「使命のないサンタ」はどうか。
”なぜ、何のためにプレゼントを届けるのか”
が、決定的にかけているサンタ達です。
プレゼントを届ける=夢を届けるのではなく、
地味な配達業の繰り返し、という認識です。
恐らくですが、
そんな想いでプレゼントを配ったとしたら、
「こんな寒い夜に、何だって屋根に上らなきゃいけないんだ」
「煙突から入るなんて危険すぎる」
「こんなでかいプレゼント頼むなんて厚かましい子供だ」
「この仕事、割に合わないよな」
そんな、愚痴のような
コメントが出てきそうです。
■そして、ここで注目したいのが、
この2組のサンタさん、実は、
【実際にやっていることは同じ仕事である】
ということなのです。
サンタクロースというと、
素敵な雰囲気がする言葉ですが、
行為だけ見れば、「配達業」です。
それでも、
”大きな使命があるかどうか”
で、
その仕事に取り組む姿勢は、
ガラリと変わってくる。
そして結果も変わってくるのでしょう。
「使命」とは、そういった力を持っているようです。
■なぜ、使命が大切なのか。
ドラッカーは、このように言います。
『使命は、われわれに
「仕事の価値」と「エネルギー」を与えてくれる』
と。
目に見えない”使命”ですが、
それがめぐりめぐって、
個々人の仕事のやりがいに繋がり、
人材の定着化や組織の成果にも、繋がってくる。
とするのであれば、
企業にとって
「使命はあればいいもの」
というよりも、
「使命はなければならないもの」
といえそうですし、
だからこそ、ドラッカーの5つの質問において、
『われわれの使命は何か』
という問いが最初に掲げられているのでしょう。
私達の使命とは、何か。
時折立ち止まって、考えてみると、
思わぬ発見があるかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。