当たり前の基準を壊す人 ー685km走る淑女 ー
(本日のお話 1950字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
その他、研修プログラムの開発などでした。
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さて、本日のお話です。
先日、ランニング仲間の一人が、6日間耐久走なるものに出場し、走行距離685kmで女性で優勝をされていました。
仲間間でのチャットで共有され、素晴らしいニュース(ぶっ飛んだニュース?)とのことで盛り上がっていましたが、その話題に触れるにあたって、「人の基準」について、ふと考えたのでした。
今日は、そんなゆるりとした気づきを、言葉にしてみたいと思います。よろしければお付き合いくださいませ。
タイトルは
【当たり前の基準を壊す人 ー685km走る淑女 ー 】
それでは、どうぞ。
■「当たり前の基準」の作られ方
「当たり前の基準」とは、どのように出来あがるのか。
それは「普段つきあう人」によって大きく変わってくると、しみじみ感じます。一例として、冒頭のランニングを挙げさせていただきたいのですが、私は8年ほど前にランニングを始めました。当時、10km走るのも大変な苦行だと感じていました。
しかし、ある時に「100kmウルトラマラソン」というものに誘われました。そこでは、参加者全員が100km走ることを目指しており、その当初は「?」と疑問しかありませんでした。ですが、”慣れ”というのは恐ろしいもの。
いざ100kmが普通の人の間に入ると、朱に染まれば赤くなるよろしく、自分もいつのまにか「100kmは走るもんだよね」となっていました。
結果それから7年間、コロナ禍を除いて、ウルトラマラソン(100km)に毎年出ることが習慣となりました。
ただ、話はそれで終わりません。
一昨年「当たり前の基準」が違った人たちと出会いました。それが「ジャーニーラン」の仲間です。ウルトラマラソンは基本100kmとか、100マイル(160kmくらい)ですが、ジャーニーランは走行距離が「260kmとか510kmなど夜を徹して走る超長距離走」です。
もはやマラソンと言うよりも「走りつづける旅」みたいなもの。ゆえに、ジャーニーランと呼ばれているのかもしれません。不思議なのですが、そこの世界には「260kmを淡々と走る普通のおじさん・おばさん」が存在しており、驚愕しました。
そして、怖いもの見たさで昨年には263kmマラソンを走り、新たな世界がひらけた気がしました(こんな記事書きました)。
人は環境の産物。周りの環境が自分の「当たり前の基準」をアップデートし続けてくれた、一つの事例のように感じました。
■「当たり前の基準」を壊す人
263kmを走ったときは「いや、これはレアでしょ。だいぶ人間の限界に挑戦している」と思っていました。
ただ、まだまだ話は続きます。まず、1ヶ月程前、昨年263km走った仲間の一人(通称:マッキー)が、「川の道フットレース」という514kmのジャーニーランを完走していました。ちなみに驚くべきことが「月間60km程度とほぼ練習していない」で突入して、やり遂げてしまいました。
「え・・・、練習しないで、そのままいけちゃうもんなの?」と私の中の「当たり前」が、ガラガラと壊れる感覚がします。
そして、そうして衝撃を受けているところに、さらなる追い打ちがありました。それが、まさに昨日届いた「6日間耐久マラソン」に参加をされたご淑女です。彼女もジャーニーランで出会った方ですが、その方はお伝えしたように685kmを6日間ひたすら走り続けました。
ちなみに、びっくりするのが「6日間耐久マラソン」の前日に、野辺山ウルトラマラソンの42kmの部に参加をして、そのまま6日間耐久マラソンに参加をしている(!)ことです。(6日間耐久マラソンは青森で行われるので、移動のため100kmは参加できなかったらしい)
さらには、先出のマッキーが参加した514kmマラソンにも参加、完走をして、その上で6日間耐久レースにでています。つまり計算をすると、
・4/30~5/5 → 514kmマラソン完走
・5/19 → 42kmマラソン完走
・5/20~26 → 685kmマラソン完走
という謎のスケジュールになります。
ちなみにその方は主婦(52歳)。明るく快活な淑女という言葉が似合うの素敵な方です。ただ、体育会系とかそんな雰囲気ではありません。
私の話ではないですが、「人間はこういうことができるんだ・・・」と、私の基準を壊してくれました。
■ア「代理経験」という魔法
さて、たぶんこれが「自分が知らないどこか遠くの人」が達成したとしたら、「ふーん」で終わっていたと思います。しかし、身近である人が達成をすると、その感覚が違ってきます。「つきあう人」の影響は大きい。
自己効力感(自分ができる!と思える感覚)を高めるには、以下の4つの要素があるとします。
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1)直接的達成経験
・「自らやり遂げた」という実感を得ること。身近な目標を打ち立てて、それを達成することで直接的な達成経験が培われていきます。
2)代理経験
・第三者の成功体験を見たり、聞いたりすることでも自己効力感は高まります。たとえば、近しい能力の同僚が達成した、となると「彼/彼女ができたなら、自分もできるかも」と思えることがあります。
3)言語的説得
・自らのスキルや能力を、他人から褒められると、肯定された気分になることです。「あなたならできる」「あなたはすごい!」と褒められると(=言語的説得をされると)、自己効力感が高まる、ということです。
4)生理的・情動的喚起
・感情的な変化の状態によって自己効力感が形成されることもあります。自己効力感は、「日常の気分や体調」により影響されるという特徴を持ちます。
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/11323/
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■まとめ
大前研一さんの名言で、”人は3つでしか変わらない、1つ目が「時間配分」を変える、2つ目が「住む場所」を変える、3つ目が「つきあう人」を変える”なんて聞いたことがあります。
まさに今回の話は3つ目の「つきあう人」の話です。身近な人によって、当たり前が壊され、そして自分もチャレンジしてみようかな・・・という可能性の道が見えてくる。
そうした一つの事例だと感じた次第です。私も再来年あたり、514kmマラソンもチャレンジしてみたいな、と思い始めてきました。人間の可能性はまだまだ未知数です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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