自分の強みを正しく知る方法 ~『Character Strengths 360°』とは~
(本日のお話 2635字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日月曜日は、終日マネジャー向けのストレングス・ファインダー研修の実施でした。
その他2件のアポイントなど。
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さて、本日のお話です。
本日も、引き続き「強み」についての著書『Character Strengths Interventions』の中のお話を引用しつつ、ある話題について、探求してみたいと思います。
テーマは「自分の強みを正しく知る方法について」です。
それでは早速ですが、まいりましょう。
■自分と他者の強みの認識がちがう問題
ストレングス・ファインダーでも、VIAでも、ワークショップを行っていて、フィードバックをもらう中で必ずと言ってよいほど出てくる意見が「強みアセスメントの結果と、他者から伝えられた内容が違っていて、どう捉えたらよいか迷った」というものです。
◯人は自分で自分のことが見えない
自分で自分を見た自己認識のことを「内面的自己認識」といい、他者から見た自分の認識を「外面的自己認識」と呼びますが、両者が100%一致することは、ほぼないと思われます。
その理由は、「人は自分で自分のことが見えないから」です。
または自分のことを考えるときに「こうありたい」というバイアスなどが含まれることもあるでしょうし、他者は自分の言動を認識して評価しますが、自分のことを考えると自分の普段の思考と外界に表出させている言動が混ざって評価したりしますので、当然認識のズレは起こります。
◯自分が思う強みと他者が思う強みを統合すること
「強みを活用する」と考えたときには、「自分が思っている強み」と「他者が思っている強み」の両者を捉え、統合する必要があります。
まず、「自分では大したことがないと思っている強み」でも、「他者から価値として認めてもらっている強み」があれば、その強みは強みとして活用できるものであると言えるでしょう。
私の例でいえば、「人の強みを活かしてアサインする(個別化)」というものを、仕事のプロジェクトメンバーの複数人から評価されましたが、これは別に価値ともなんとも思っていませんでした。でも喜ばれ、成果に繋がっているのであれば、やっぱり「強み」なわけです。
一方、「自分ではイケてると思う強み」でも「他者から強みとして認めてもらっていない強み」があれば、その強みは強みとは言えない可能性があります。
たとえば「自分は思慮深さ(慎重さ)が強みなんです。これで上手く言っているんです」と”自分”では思っていたとします。でも、実際には回りの多くの人の評価が「慎重すぎてよそよそしいと感じる。行動が遅くなっている」と”他者”から判断されていたとします。
すると、これは「強みとして良い結果につながっていはいない」状態であり、厳しい言葉でいうならば「強みにおける裸の王様」となってしまっています。
ゆえに、自分で思う自分の強みは「アセスメント」、他者から見た自分の強みは「360°フィードバック&アンケート」で、それぞれの強みをバランスよく集め、判断する必要がある、といえそうです。
■自分の強みを正しく知る方法:『Character Strengths 360°』
さて、では具体的にどのように自分の強みも他者の強みを統合すればよいのでしょうか。そのためのオススメ方法が、「VIAアセスメントと360°フィードバックをかけ合わせる」ことです。
◯ステップ1: VIAアセスメントを受ける
最初は自分自身で強みのアセスメントを受けることです。(ここでは無料のVIAをですが、ストレングス・ファインダーでも同じようなプロセスで実施できるかと思います)
◯ステップ2: 10人以上に自分の強みについてフィードバックをもらう(Character Strengths 360°)
次に行うこちらのプロセスが肝となっています。内容は、「VIAの簡易的な質問票と自分の強みのエピソードについて、10人以上の人からフィードバックをもらう」というものです(自分のことをよく知っていなくてもOK)。
家庭(家族、兄弟、配偶者、子供)、職場、学校、社会、コミュニティなど人生の様々な領域を超えて集める努力をすることがポイントです。その人達に、自分の強みを5~7つ選んでもらい、その具体的な例やエピソードを提示してもらうようにお願いをする、というものです。
そして、フィードバックが集まったら、強みのストーリーに共通するテーマや、共通する強みが何かを探求します。
◯ステップ3: VIAアセスメントの結果と、Character Strengths 360°の結果を比較する
次に、自分自身が受けたVIAアセスメントの結果と、フィードバックで集めた自分の強み(Character Strengths 360°)の結果を比較し、以下の点で検討をします。
・【強い特徴的な強み】:自分自身と周囲から高く評価された強みはなにか?
・【盲点となりうる点】:他の人には高く評価されたが、自分では評価しなかった強みは何か?
・【潜在的な機会】:自分が高く評価し、他の人が評価しなかった強みはなにか?
そして、これらの強みを分析することで、自分の強みがより正確に理解することができるようになります。
■まとめと個人的感想
本ワークは、世界中で非常によく使われているアクティビティとのことで紹介されていました。(ステップ3までやった後は、自分の強みのパターンを、エッセイやプレゼンテーション、絵などで創造的な形でポートレートを作成するワークを行うとのこと)
改めて、自分で見た自分の強み以外にも、幅広くこれまで関わった人に多く強みを聞いてみることで、強みを正確に把握できるようになる、というのはシンプルですが、そのとおりだと感じました。私も今度自分でもやってみたいと思いました。
少し手間のようですが、Googleフォームなどを使って、このようなものを使って回答をしてもらうことで、「自分の強みの理解」は深まるんだろうな、と思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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