立教大学 経営学部 BLPの授業を終えて思ったこと。
(本日のお話 2456字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
この4月から『立教大学 経営学部 ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)』の2年次のコース(BL2)兼任講師を務めさせていただいていましたが、先日、春学期の授業が終了しました。
3ヶ月に亘って、毎週行われた14回の授業。
そのプロセスの中で、私自身も、初めての役割の中で、多くの出会いと学びを得たと感じ、感慨深く思っております。今日はそんな大学講師の役割を通じて、思ったことを書いてみたいと思います。
■BLPという船団の一員として
「大学の兼任講師」などというとすごいですね、と言われることもあるのですが、本当にそんなことはなく「船団の一員」でしかない、まずはそのことを強調しておきたいと思います。
「講師は、思った以上に自分の出番はないですので笑、気負いすぎず、むしろ大きな流れを見守るくらいがちょうどいいです」と先輩の兼任講師に言われたのが印象的でしたが、本当にそんな感じでした。
なぜかというと、基本、授業は「学生アシスタント」が運営するからです。学生アシスタントには、「SA(Student Assistant)」というクラスをメインに切り盛りする役割、そして、クラス間を跨いで情報共有しつつSAをサポートする「CA(Course Assistant)」という役割もいます。
ちなみに、授業のカリキュラムは、教材班が担当します。全14回のプログラムもバッチリ作り込まれており、口を挟む必要は特にありません。
大きな歴史と、改善を繰り返してきた、PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)の舞台を作り上げる船員として、一人一人がその役割を担っている、というイメージです。
兼任講師は、主たる運営メンバーである学生アシスタントの壁打ち相手や、クラスの状況の見立て、社会人だからこそできるフィードバックなどをおこなります。これまた、講師とつくからエライなんて話は当然あるはずもなく、皆の学びを提供するための、船員の一人です。
ある意味、講師は「見守り隊長」とも言えるかもしれません。
■運営スタッフから刺激を受ける
さて本プログラム(BLP)の素晴らしいところは、リーダーシッププログラムの運営側と参加側が、共にリーダーシップを学ぶところにあります。
実は一番リーダーシップを学べるのは、運営スタッフの学生たちです。彼ら・彼女らは、自らそのリーダーシップの役割に立候補します。
一クラス30名ほどと信頼関係を作りながら、コース目標をであるクライアント企業への提案というアウトプットを作り上げていく。かつ、バイトやゼミ、またインターンシップもこなすのですから、その忙しさは学生であっても、かなり多忙です。そして、短い時間でクラスを巻き込む「影響力」が求められるのです。
今回、私もその運営の学生スタッフと毎週ミーティングをしながら授業を進めていきました。その中で、彼らの主体性、前向きな姿勢、ファシリテーション能力の高さ、計画力、論理的思考力、フィードバック力、動画作成力、スライド作成力、他色々・・・、本当に驚かされました。
もちろんまだまだ伸びしろはあるとはいえ、自分が学生のときには想像できないくらいの能力の高さで、「後生畏るべし」と心の中で何度つぶやいたかわかりません。
そうした学生たちに刺激を受け、自分も彼らの学びの背中を押せるように、頑張らないとな、と気合いが入りましたし、少しでもそんな彼らに持っているものを渡していきたい、という思いも強くなっていきました。
■講師と運営スタッフの「色」が出る
そんな、BLPの運営の日々を振り返って、何より面白いなあ、と思ったことが、各クラスごとに「色が出る」ということ。
グループを形作っている学生の影響もありますが、その中で影響を与えているのは、運営スタッフのSAとCAそして、そのクラスの兼任講師です。
授業の際に、学生たちはよく見ています。我々がどんな態度で、どんな言葉をかけ、どんな関わりをするのか。どれくらい授業に向けて準備をしてきたか。皆の提出した課題を読み込んでいるか。
それらで「こちらの真剣度も測られている」と言っても過言ではないと思います。それらによって、空気が緩んだり引き締まったり、真面目な雰囲気になったり自由な雰囲気になったりします。
そうした「見えない影響力」こそが、リーダーシップの一端。自分では見えずとも、確かに発揮しており、他の講師や運営スタッフの方から「紀藤先生クラスは、居心地が良いクラスですね」(安心安全で自由な雰囲気だそう)という言われたことから改めて気づきました。
私と運営の学生スタッフの方が作り上げた空気感でしたし、そうなる理由もなんだかわかる気がしました。
■振り返り思うこと
・・・とつらつらと今回のBLPに関わって思うことを書いてみましたが、今回は50組中の予選突破の10組に1チームが入ることができましたが、全体でプレゼンができる本選出場組の5組には入ることができませんでした。
これを考えたときに、自分にできたことはないだろうか、とも考えて思いました。学生さんにとって短い授業の接点でも良い時間になるように、事前に課題を見て、フィードバックを考えておくなど工夫はしました。
しかし、まだまだ他の着眼点も提供できたようにも思います。
また同時に、短い時間でも自分が与えている影響力はあるものだと感じましたし、安心安全という自分の強みからの影響力だけでなく、皆がより強くアクセルを踏めるように関われたこともあったのかもしれない、、、そんなことも感じ、反省もしていました。
BLPというコースがいかに多くの人が関わって作られているかということを肌身で感じ、その一員になれたこと3ヶ月、実に楽しく、充実した時間でした。
コースを作り上げた運営スタッフの学生さん、本当にお疲れさまでした。
クライアントの皆さま、そして先生方、受講生の学生にも改めて感謝でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!