「お手軽な教育」は効果が薄い
(本日のお話/1447文字 読了時間1分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
ならびに、
夜は恒例の「サムライ塾」のメンバーと
次の課題である、
「売春問題は合法化すべきか?否か?」という
なかなか物議を醸し出しそうなテーマについて
夜23時までディスカッション。
調べていく内に、
自分の知らない事実が出てきて、
この分野において、見識が物凄く広がっております。
*
さて、本日のお話です。
話は変わりまして、
人材育成の問題について。
お客様とディスカッションさせていただくと、
ほとんどの場合、
「結局、研修をやりっぱなしじゃダメだ」
という話になります。
今日は
「よい教育には、手間暇を惜しんではならない」
というテーマで、
ある書籍より引用させていただきつつ、
学んだことをご共有させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ。
■先日読んだ書籍『学力の経済学』(著:中室牧子)。
この中で、
”「子供に勉強をさせる」には
親のどのような関わり方が、最も効果的か?”
という実験の結果について書かれていました。
子供が勉強をできた時間と、
”親の関わり方”の相関関係を調べたのです。
親の関わり方は、以下の4つの行動にしました。
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1,勉強したか確認している
2,勉強を横について見ている
3,勉強する時間を決めて守らせている
4,勉強するように言っている
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■さて、では、
どの行動がもっとも効果的、
そして効果的でなかったのでしょうか?
結論からすると、
まずこの中、一番
”効果がなかった”ものは、
『1,勉強したか確認している』
という行動でした。
すなわち、思いつき程度に
「勉強した?」と聞いても、あまり意味はない、
ということ。
すなわち、
「お手軽なものに効果はない」
ということになります。
逆に”効果があったもの”は、
『2,勉強を横について見ている』
『3,勉強する時間を決めて守らせている』
という、1,に比べて、
かなり介入が多い行動だったのでした。
(参考:『学力の経済学』(著:中室牧子))
■そして、この話を聞いて、
「人材育成も同じだよな」と改めて思ったのです。
もちろん、
相手が子供か、学校の生徒か、
それとも自分の部下か、によって、
対応が変わるのは当然だし、
社員は子供ではないので、
ある程度、自分で自立して学ぶべき、
これは当然の考えだと思います。
しかし、同時に人の心理として、
【誰かに積極的に介入されるから、やらざるを得なくなる】
という心理は、あるのではないだろうか、
そのように思うのです。
■ただ、週のミーティング、
たまにあった面談などで、
上司が部下に、
「最近どう?」
「頑張ってる?」
「普段はいわないけど、期待しているんだぞ」
などと思い出したように言ったとしても、
それは恐らく、お手軽な行動であり、
さほど、効果はない。
先述した親の
『1,勉強したか確認している』
と同じようなことなのでしょう
結局、
日々どれだけ対話を繰り返しているか、
その人を思い、自分の時間と労力を割き、
手間はかかるようだけど、介入しているかどうか、
このことが、
人を動かす原則の一つではないだろうか、
そのように思います。
■企業の人材育成も、
「研修やって、ハイ終わり」
ではいけません。
その後、多少手間がかかっても
寄り添うように、後押しをしてあげたり、
そばで誰かが見てあげるような施策を立てる、
これらのことを真剣に、
考え続けることが重要なのだろう、
そのように思う次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
本日も皆さまにとって素晴らしい1日になりますように。