「強みワークショップ」の参加者の感想、TOP3を調べてみました
(本日のお話 3056字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
私ごとですが起業から6年。現在、弊社で最もお届けしているのがストレングス・ファインダーなどを利用した「強みワークショップ(研修)」でございます。
研修へご参加いただいた人数は約3000名。振り返ってみれば、実に多くの方の「強み」を一緒に考えてきたんだなあ、としみじみ思います。
特に、強みワークショップの参加者の7割は企業研修での参加が多いのですが「強みワークショップ」を実施したときに、参加者からどのような感想が集まるのかを、改めてざっと見返してみました。
詳細な分析ではありませんが、「強みワークショップに参加した感想」の傾向は、本プログラムが組織にもたらす価値を示していることなのだろうな、とも思いましたので、今日は一つの例として皆さまに共有させていただければと思います。
それではまいりましょう。
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<目次>
「強み開発の介入プログラム」の3ステップ
企業が「強みワークショップ」を実施する背景
「強みワークショップ」への参加者の感想TOP3を調べてみました
1位:「自分の強み」の理解が深まった
2位:「強みのフィードバック」の重要性を理解した
3位:「チームの強みの相互理解」が促進された
まとめ
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■「強み開発の介入プログラム」の3ステップ
まず「強みワークショップ」と連呼しておりますが、一体どのようなステップなのでしょうか?
Dubreuil(2016)によると、「職場における強み開発の介入プログラム」では、以下の3つのステップが主要なものであると述べています。
実際に、私も保有している米Gallup社のストレングスファインダーの認定コーチの資格も、類似した流れを提示していると感じています。以下のプロセスは「職場における強み開発プロセスの王道」とも言えるでしょう。
弊社も同じようなステップで強みワークショップの介入プログラムが構成されています。
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<「強み開発の介入プログラム」の3ステップ>
(1)発見(Discovery)
最初のステップ(発見)は、強み評価ツール(私たちの場合はVIA-Survey;Peterson and Seligman 2004)を使って参加者の強みを特定すること
(2)統合(Integration)
過去、現在、未来における自分の強みに関連するさまざまな質問に個別に答え、自分自身のアイデンティティと強みを紐づける
(3)行動(Action)
職場での強み開発に関するさまざまな質問に答え、参加者はその答えを同僚と共有し、お互いの強みを職場でよりよく活かす機会について話し合う
Dubreuil, Philippe, Jacques Forest, Nicolas Gillet, Claude Fernet, Anaïs Thibault-Landry, Laurence Crevier-Braud, and Sarah Girouard. (2016). “Facilitating Well-Being and Performance through the Development of Strengths at Work: Results from an Intervention Program
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■企業が「強みワークショップ」を実施する背景
さて、企業が「強みワークショップ」を導入を検討する背景とは、そもそもなんなのでしょうか?
以下は、私にご相談いただくケースでは、「エンゲージメント」の流れが多いように感じています。より具体的に言えば、企業研修の中で取り入れられるパターンとして、以下の3つが多いです
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<企業で、強みワークショップが利用されるパターン>
(1)事業部への介入:組織全体で強みを理解し合い、強みに基づいた関わり合いを促すことで「エンゲージメントの向上」を狙いとする
(2)管理職への介入:「部下の強みに基づいたマネジメントの促進」を狙いとする
(3)若年層への介入:自身の強みの理解を通じた「自己効力感の向上」を狙いとする
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後述いたしますが、お互いの「強み」を理解することで、上司・同僚・部下んの”当たり前の思考・行動パターンの違い”を相互理解することに繋がります。(補足:「強み」は”当たり前の行動”から生まれると考えられている)
つまり、「強み」の理解を通じて”その人らしさ”を理解・尊重できるようになるのです。
自分の強みを知り、「自分の当たり前(強みのもと)」を客観視できるようになると、自分の当たり前を相手に押し付けることが少なくなります。すると、コミュニケーションのストレスが低減します。
さらには、相手の強みを認め、感謝する行為の価値を認めることにより、信頼関係が向上し、相互協力がしやすくなります。
こうしたことが実感としても感じられるため、「強みのトレーニング」が企業でも支持され、事業部や階層を超えて広がっているのだと思います。
■「強みワークショップ」への参加者の感想TOP3を調べてみました
さて、では企業研修として「強みワークショップ(主にストレングス・ファインダー研修)」に参加した人たちは、どのような感想を持つのでしょうかか?
以下、よく研修の感想で見られる内容について、TOP3が以下のとおりです。(カレッジ調べ)
●1位:「自分の強み」の理解が深まった
・ストレングス・ファインダーやVIAなどのアセスメントを使用することにより、「自分の強み」という概念をより深く理解することができた。
・それによって、強みに関する語彙が増え、自身の強みや特徴への認識も深まった。
・アセスメントを通じて、「強み」という曖昧な概念を具体的な区分に分けることで、仕事や人間関係において有用な概念として活用できるイメージが湧いた。
・弱みだけでなく強みに焦点を当てることが、ポジティブな結果をもたらすことに気づくことができた 等
●2位:「強みのフィードバック」の重要性を理解した
・強みを他者に口に出してもらうことで、自己の強みに対する認識が深まり、また単純に喜びを感じることができた(ある会社では、社長から強みを口に出されて涙されていた方も)
・「強み」を伝えることで、お互いに感謝の気持ちが生まれ、数分で信頼関係が高まる効果を感じた
・単純に「強みをはじめとした承認のフィードバック」がいかに重要であるか、日常的に行うかを実感した 等
●3位:「チームの強みの相互理解」が促進された
・自己と他者との「強みの違い」があることを知った・特に強みに関するエピソードを共有することによって、相手と自分が異なる考え方や行動を持ち、また「勝ちパターン」も個人によって異なることに気付いた
・目標に向かう際に、それぞれの強みを活かして仕事を進める方法や、仕事のアサインを検討する方法などに活用することができると知った 等
■まとめ
上記のように「(1)自分の強みの理解」「(2)強みフィードバックの重要性の理解」「(3)チームの強みの相互理解」がされた、という3点が、感想として最も多く見られました。
細かく分析をしたわけではないですが、大体同じような結果になると感じていますし、これが「強みワークショップ」で得られることになるのだろうな、と思います。
これらの結果を、論文の研究と合わせると、強みの理解・活用により、個人では「活力・情熱」「自己効力感」「ジョブ・クラフティング」「ウェルビーイング」などが高まることがわかっており、チームでは「チームエンゲージメント」「パフォーマンス」などに影響を与える、となるのでしょう。
更にこうした効果を高める介入プログラムを、もっともっと開発していきたいとまとめつつ感じている次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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