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3926号 2024年11月24日

おすすめの一冊『「発達障害」と間違われる子どもたち』

(本日のお話 1979字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日は、午前に1件のコーチング(受ける方)。

午後からは、7月から通っていた出版ゼミの最終講義でした。
まだ出版プロジェクトは進行中ですが、出版業界のことも理解し、
本を出すことの意味を感じる、とても豊かな時間でした。

自分のプロジェクトはまだ始まってもいないので、
こちらもスタートし、完遂できるよう、引き続き頑張りたいと思います。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、おすすめの一冊をご紹介する、今週の一冊のコーナーです。
今週の一冊はこちらです。

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<今週の一冊>
『「発達障害」と間違われる子どもたち』
成田奈緒子 (著)/(青春新書インテリジェンス PI 665)
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私事ですが、約4年前に息子が生まれてから、生活が大きく変わりました。
子どもは面白く、性格も違い、穏やか、気が強い、周りに合わせるタイプ、我が強いなど、それぞれあるようです。
友人や周りに話を聞くと「子どもを育てづらいと感じたことはない」という人もいれば、「癇癪を起こして大変だった」という人もいて、比べようもないのですが、みんな色々あるようにも思えます。

そんな大変さと喜びがあるのが、子育てなのかもしれませんが、そんな中で近頃、「発達障害」というキーワードが気になっております。

本日はそんなテーマに関連して、医学博士であり35年の小児科医が書かれたヒット本についてご紹介させていただきたいと思います。それでは、早速まいりましょう!

■「発達障害」とはなにか

本書の冒頭に、「発達障害とされる子どもが、13年間で10倍になった」という衝撃の事実が書かれています。どうやら調査のたびに「発達障害の可能性があるとされる人」が増え続けているようすです。

そもそも、発達障害とは何かというと、”脳の発達に関わる生まれ持った機能障害”とされます。代表的に知られているのが、以下の3つです。

――――――――――――――――――――――――
●自閉症(ASD)
対人関係が苦手で強いこだわりがあるとされる発達障害
●注意欠陥・多動性障害(ADHD)
不注意、多動、衝動性が特徴とされる発達障害
●学習障害(LD)
聞く・話す・読む・書くなどに困難が生じる発達障害
P19
――――――――――――――――――――――――

発達障害は、『DSM-5 精神疾患の分離と診断の手引)というものに従って診断されます。

■「発達障害もどき」とは
しかし、この「発達障害」という言葉が教育現場に降りてきたことから、「もしかすると、この子は発達障害なのかもしれない」という疑問を持つ人が増えてきました。それが本書でいう「発達障害もどき」です。

厳密に診断されるわけではないけれども、それに似た症状を表す子どもです。その「発達障害もどき」は以下の3つの類型があるようです。

1,診断はつけられないが、発達障害の症候を見せるもの
2,医師以外(学校の先生など)から「プレ診断」を受けるもの
3,発達障害の診断をしたものの症候が薄くなるもの

■「発達障害もどき」から抜け出す方法
しかし、医学博士であり、35年以上の小児科医である著者は、「発達障害もどきの症状を改善するための対策」を伝えています。

子どもの脳は発達途中であり、変わる可能性(=脳の可塑性)があるものです。よって、発達障害と診断された、発達障害もどきと思われるかも、と思っても前を向くことができる、と述べています。

まず重要なのが、脳が発達する順番は、以下の3つのステップであるということです。

――――――――――――――――――――――――
<脳が育つ順番>
1,からだの脳(脳幹、扁桃体など)
呼吸、体温調整など、生きるのに欠かせない機能を担う
2,おりこうさん脳(大脳、小脳)
言葉・計算の能力、手指を動かす力など、勉強やスポーツに関わる
3,こころの脳(前頭葉)
想像力をはたらかせる、判断するなど「人らしい能力」を司る
P65
――――――――――――――――――――――――

そして、「育つ順番は1→2→3である」こと、ここが重要であると強調しています。そして、「1、からだの脳」をまずは育てることが、発達障害もどきの症状を改善するきっかけになると述べます。

■脳を作り直す方法

では、具体的に「1、からだの脳」を作り直すためには何が最も重要なのでしょうか。それは『生活の改善』です。

生活の改善に欠かせない3つのポイントとして、以下の3つが紹介されています、

――――――――――――――――――――――――
<生活改善に欠かせない3つのポイント> ー脳を作り変える方法ー
1,朝日を浴びる(体内時計を整える)
2,十分に眠る(どんなに遅くとも22時前にはベッドに入る)
3,規則正しい時間に食べる(朝ご飯をしっかり食べると体内時計が正しく動く)
――――――――――――――――――――――――

これにより、「からだの脳の立て直しができ、脳のバランスが整う」「セロトニン神経(幸せホルモンと呼ばれ、情動の制御、記憶・認知など様々なプラスの影響がある)を育てる」「睡眠が安定する」という効果があると述べます。

■まとめと感想

本書の中で、「発達障害もどき」と診断されている多くの子どもが、「大人の生活リズムに合わせてしまっているケース」が多いことに驚きと反省の念を覚えました。

大人でも眠たいと頭が働きませんが、子どもならばなおさらのことです。
そして、子どもはより多くの睡眠を必要とします。

しかし、親が夜遅くに帰ってくる、仕事が遅いなどで子どもが興奮すると、夜寝る時間が遅くなる。あるいは、それにより親も起きる時間が遅いと、子どもも遅くなる。よって、まずは「親が規則正しい生活をすること(7時には起きること)」が提案されていたことも、納得でした。

まずは、からだを整える。

そのことの大切さを、考えさせられた一冊でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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