おすすめの一冊『会社のためではなく、自分のために働く、ということ』
(本日のお話 2754字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
さて、本日これから「沖縄ウルトラマラソン100km」への参加です。
正直、全然練習ができていません(汗)
よって、40km地点からは苦行になるのでしょう。
でも、きっとその旅路で感じたこと(痛みを含め)は、
身体に刻まれる思い出となり、終わった頃には、また一つ“忘れられない何か”が残るだろう、と期待しています。
まずは、100kmを完走すること。
そこを目指して、一歩ずつ、足を前に出していきたいと思います。
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さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、おすすめの1冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。今回ご紹介するのは「働くということ」を考えさせられるこちらの書籍です。
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<今週の一冊>
『会社のためではなく、自分のために働く、ということ』
チェ・イナ (著), 中川 里沙 (翻訳)/日経BP
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■本書の内容
韓国の大手広告代理店で役員など重役に就いて、その後大学院で学び直した後、自分で「本屋」を開くことになったチェ・イナさんの著書です。
本書は韓国の元タイトルは『私が手にしているものを世界に欲しがらせなさい』です。「世界に自分を合わせる」のではなく、自分自身の唯一無二の考え方・価値観・情熱などの起点にして「自分に世界を合わせさせる(つまり自分らしく幸せに活躍する)」ための考え方を提案しています。
本書は、彼女の仕事論を中心に、自伝風で書かれていきます。今の世の中に溢れている「FIREしたい」「頑張りたくない」という思い。それらと同居している「頑張りたい」「成長したい」という葛藤。
そんな中で、私たちが何を大事にしていけばよいのかは、「楽に生きよう」だけではないはず。そんな、現実に立脚した「自分らしく幸せに働く方法」を「一つの道標」のように言語化してくれている本だと、私は感じました。
以下、著書の紹介を引用させていただきます。
(ここから)
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★泣けるビジネス書として話題★
「本当の仕事の価値を教えてくれる本。少なく働いてたくさん稼ごう、それなりに暮らそうというのがトレンドになっている現在、一度は読むべき本」
「本を読んでいる間、優しくて素敵な先輩が隣に座って自分の経験を率直に話してくれて、心のこもったアドバイスをしてくれているような気分になりました」
「ある程度仕事をしてきて慣れてきたところではありますが、疲れたとき、燃え尽き症候群になったら、また読みます」
――韓国の読者の感想より
「がんばりすぎず力を抜こう」という時代、それでも、仕事をがんばるあなたへ。本質を問う仕事論。
韓国の大手広告代理店を40代で辞め大学院で学び直した著者は、ある日もう一度働くことを通して社会に貢献すると決め、人々の悩みに寄り添った〈チェ・イナ本屋〉を始める。会社員、起業家、学生と多様なキャリアを歩む著者の言葉や選書が、仕事で悩む人々の評判を呼ぶようになる。
※Amazon本の紹介より引用
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(ここまで)
■「働かない楽しさ」の賞味期限
さて、いくつか本書から私が印象に残った話を紹介させていただきます。
1つ目が、その中で、少なくない若者が「FIREしたい(働かなくても経済的自立をする)」というが、それは本当に幸福なことだろうか、と疑問を投げかけている箇所です。
しかし、「働く」とは生計を立てるためだけの手段ではありません。
そこには、「自己実現」とか「成長の喜び」、「社会とのつながり」「貢献」「仲間と喜び合えること」など、さまざまな意味が含まれています。
もちろん今、仕事が「やらされている」と思う場合、そしてそれを苦しく思う気持ちは、とてもわかります。
そうしたプレッシャーから逃れて2年くらいは、快適な気持ちかもしれません。しかし、全く働かなくなったら「働かない時間は退屈でたまらないので、手に余るだろう」と著者は述べています。
働く以外に、好きなことをすればいいじゃないか、となりますが、実際それも難しい。仕事は1日8時間することができる。
しかし、食べること、趣味、運動、睡眠、本を読む、ぼーっとする、はそれだけの時間を使うことは、できるだろうかというと、たぶん飽きるのです。
そうしたときに、「仕事をする時間」を、いかに自分にとって好ましいものにするかは、とても大切な問いでは、とのこと。
つまり「働かない楽しさ」にも賞味期限がある。
大事な問いとは、
「いまの会社で、自分のやりたい仕事を、やりたいようにできるか?」
「私はどう使われたいのか、どう使われることに満足するのか?」
まずはこの問いに自分が答えられるかどうか、を考えてみる。
これが仕事を充実したものにする上で重要である、と述べています。
たいへん納得、共感いたします。
■「自分をブランドにする」とはどういうことか
また、著者は大手広告代理店での勤務が29年間と長い方。「ブランディング」という言葉の意味と注意点についても、なるほど、、、と思う記述がされていました。
▽▽参加kう
まず「ブランド」になるとはどういうことか?
ブランドになると信頼が得られ、顧客に選ばれるようになります。
たとえば、”No1ブランド”とは、化粧品でも衣料品でもスマフォでも、”その商品を考えた時に真っ先に想起されるブランド”のことです。
ブランドになれば、顧客に選ばれます。選ばれれば、機会が訪れます。機会が訪れれば、売上にもつながるし、フィードバックも貰えるようになり、更なるチャンスも生まれる。
逆に言えば、よい商品でも、知られなければ、届きません。よって、ブランドは、成功に欠かせない要素といえます。
しばしば言われる「セルフ・ブランディング」も同じです。
私たちは、評価される世界に生きています。その中で「あの人に任せれば、質の高い仕事をしてくれる」「あの人は、この分野の専門家だ」という”セルフ・ブランド”があったとしたら、それは自分自身の仕事人生、キャリアにとってもプラスに働くことが多いはず。
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次に考えたいのが、似ている「ブランディング」という言葉です。
ブランディングとは、「ブランド」を意図的に作ることです。
本書からの言葉を引用すると、『ブランディングとは、「実体(Reality)」をもとに「人々の認識(Perception)」を作り上げる作業』と述べます。
そして、ブランディングとは、実体の実力を、そのままかそれ以上に認識してもらうことです。式にすると、R=P、または、R<Pとなる状態がブランディングが成功している状態です。
実体はめちゃくちゃすごい。でも周りからはそのように認識されていない。これは、ブランディングがうまくいっていないということになります。
実際に、そういう人はかなり存在しています。だから、セルフ・ブランディングは大事なのです。
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しかし、ここで注意点が「実体以上に認識をよく見せる」ことをブランディングとする場合、「実体を磨くことがおろそかになりがち」という点です。
いわゆる、「有名だけど、実力は大したことない」というやつです。実体と認識の差が大きくなっている状態。これだと、長続きしません。
まずは、セルフ・ブランディングで「金メッキ」をはって、「認識(Perception)を向上させ、機会や経験を獲得する。しかし、同時に実力が伴うように、「実体(Reality)」も磨いていく必要があります。
■まとめと感想
その他にも、「平均は安全ではない」「キャラではなく、素の自分で勝負うる」「アンテナを内側に向ける(自己認識が大事)」「才能を開花させるためには」など、著者の言葉から紡がれた、説得力のある話が並びます。
がんばらない、肩の力を抜いていこうという今。
人々の認識が、実体以上に膨らみやすい今。
その中で、自分がどう働き、どう生きるかを考えさせてくれる良書だと思いました。ご興味がある方は、ぜひ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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