おすすめの一冊『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』
(本日のお話 2434字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
この週末は、沖縄北部の世界自然遺産の「やんばるの森」に家族でキャンプに来ています。
アカガエルや、ハブなど色んな動物が見ることができ、大変おすすめのキャンプ地でした。
また詳しくは、後日レポートさせていただければと思います!
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さて、本日のお話です。
毎週日曜日はおすすめの一冊をご紹介させていただく「今週の一冊」のコーナーです。
今週の一冊は「強み」に関連する自己診断付きの書籍です。
2020年に発売されましたが10万部突破とのことで、また新しい切り口で自己理解を深める一冊かと思います。
それでは早速、中身を見てまいりましょう!
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<今週の一冊>
『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』
古野俊幸 (著)/日経BP
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■「FFS理論」とは
本書は、「FFS理論(Five Factors&Stress)」と呼ばれる、ストレス理論をベースに研究された、人の感じ方や捉え方の特性を5つの因子として計量化した、診断テストです。
日本の小林恵智博士によって開発されました。
この診断結果は以下の5つの因子で構成されます。
(ここから)
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<FFS理論の5つの因子>
A:「凝集性」因子
・固定・強化させようとする力の源泉となる因子
・こだわりが強く、自分の中で明確な価値期間を持っている。
・他人に流されずブレない一方、頑固な一面がある。
B:「受容性」因子
・外部を受け入れようとする力の源泉となる因子
・優しくて面倒見が良く、柔軟性があるのが特徴。
・経験値が高いと頼もしいが、少ない場合、周りの要望を全部聞き入れてキャパオーバーになることもある。
C:「弁別性」因子
・相反する二律にはっきりと分けようとする力の源泉となる因子
・白黒はっきりさせ、合理的で計算的であることが特徴。
・物事を都合よく割り切ることができる一方、感情があまり介入しないため、冷たく見られることがある。
D:「拡散性」因子
・飛び散って行こうとする力の源泉となる因子
・活発的で行動力がある。直情的で、面白いことなら周囲を気にせずどんどん取り組むため、挑戦的と評価される。
・一方飽きっぽく、周りを振り回すこともある。
E:「保全性」因子
・維持するために工夫改善していく力の源泉となる因子
・プランを立て、工夫しながらコツコツと進めていくのが得意。
・組織を作るのがうまく、周りと協調しながら動く事ができる一方、安全第一でなかなか行動することができないこともある。
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(ここまで)
他の性格診断テストなどと同じように、個々人が持つ「感じ方・捉え方」を、この5つの因子の多寡で診断するテストです。
特に、自分にとって強い(点数が高い)因子は、魚にとっての水のようなもので、自分に当たり前ゆえに、気づかないことも。
そして「自分にとっての当たり前」が周りを混乱させたり、「相手の当たり前」に苛立ったりして、摩擦やすれ違いが起こってしまうこともあります。
それを「FFS理論」というフィルターで見ることで、わかりやすく理解することができ、対人関係やチームでの望ましい行動を取ることができる可能性が高まる、とします。
(ちなみに、私が2016年(8年前)に実施した結果は、「D:拡散性→ B:受容性→ E:保全性」の順番でした)
■本書の特徴
そうしたFFS理論をもとに「自分を知り、他者を知ろう」というのがコンセプトの本書。特に魅力的な特徴(良いところ)として、以下の2点があるように思います。
◎(1)FFS理論はシンプルである
F
FS理論は、5つの因子という比較的シンプルなものです。
ゆえに、「わかりやすい」と感じました。
たとえば「MBTI」は8つの因子についてタイプ分けをし”16パターン”です。
性格の強みの「VIA」は”24種類”の強みがあるとされます。
「ストレングス・ファインダー」は”34種類の資質”があります。
人の特性を細かく分類している診断は、多面的な人間をより精緻に表現しているともいえます。一方「複雑で、わかりづらくなる」という点も否めません。
その中で、人の感じ方・捉え方を、特徴的な5つの因子に絞ることは「わかりやすい」「使いやすい」ものであるとも言えます。
こうした診断も、「マニアックに好きな人」VS「興味ない人」になっても、もったいないですから、乱暴に言えば血液型占いくらいの“4~5種類”くらいだと活用しやすいのかもしれませんね。
◎(2)名作漫画(宇宙兄弟)とのコラボが素晴らしい
これは本書の最も大きな推しポイントに間違いありません、やっぱり「宇宙兄弟」とのコラボレーションでしょう。
私は「宇宙兄弟」は一部しか読んだことはありませんが、概念的な「受容性」などの話が続く中で、漫画の名シーンが紹介され、どのように関わっているのか補足する形で進んでいくのは、自分と関係がなさそうな因子でも、楽しく読むことができました。
言葉にしづらい人の「考え方・考え方」について、主人公のムッタはこう、その弟のヒビキはそう、とすることでスッと入ってくるものでした。
(ドラゴンボールや、ワンピースとかでもいけるのでしょうが、著作権との兼ね合いで難しそうです。。。『宇宙兄弟』の編集者でもある佐渡島さんが手掛けられたからこそできた表現なのかもしれませんね)
■まとめと感想
余談としての個人的感想です。
この本を手に取ったきっかけは、今回自分も「強みに関する本」を企画会議に通そうと色々と考え、編集者の方とやり取りさせていただく中で、この本を教えていただきました。
(ちなみに、企画会議も通っていないので、まだ本を出せるかどうかもわかっていません。言うのはタダなので、やれるだけ頑張っている、という段階です)
改めて一般書の読者として思ったのが、理論は知的好奇心を満たしてくれますが、専門家でなければ読まれないということでしょうか。やっぱり、漫画は読みやすいし、面白いのですよね(苦笑)
一般向けに書くのであれば「自分の強みがわかる」「励まされる」「自分が悩んでいたことが解決される」というものにしなければ、手に取られることはないんだろう、とも思った次第です。
強み論文も読み進めつつ、面白い内容ってなんだろう・・・ということを視野に入れて、興味を持っていただける企画を考えたいと思っている次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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